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第643回 後継を考える

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 こんにちは、キャリアコンサルタント高橋です。

 今回のお話は前回の続きです。前回は老害についてお話ししましたが、そこから派生する話として後継の問題があると思っています。今回はそんなお話です。

■属人化をどうするか?

 前回のコラムでは老害をテーマにしましたが、このようなことを書いています。

私も自分自身が老害だと感じることが多くなったので、そろそろ自分の場所を後進の方々に譲る準備をしていかなければと思います。そのためには私自身がもっと成長し、新しいことに取り組む必要があると思います。そうして仕事を循環させていくことが社会にとって必要なことなのかもしれません。

 私の場合、新しいことに取り組んだり、その内容を深く掘り下げて研究し、そのアウトプットを作り出すことが元々好きなので、こういったことはほっといてもやると思うんです。それは私一人でできることだからです。

 しかし、一方で自分の場所を後進の方々に譲るくだりについては私一人ではできません。相手があってのことです。そのため、譲るべき後進の方がいなければいつまで経っても属人化は解消されません。

 これってどうしたらいいんだろう? と思います。勿論、私が誰が適性のある人を見つけて、その人を私の部下として就いてもらうことができればその状態は作れると思います。しかし、それを作るのは私ではなく組織であり企業です。その決定権者に意志がなければ実現しません。結局のところ、属人化を解消させるか否かを判断するのは個人ではなく組織や企業だということになるのではないかと思います。。。

■組織や企業に動いてもらうためには?

 それでは、どうすれば組織や企業が後継を検討してくれるかを考えてみます。

 一番の動機になり得るのは属人化している仕事が後継するに値する価値のある仕事かどうか? ですよね。その人がいなくなったらこの仕事は回らなくなる。それが組織や企業にとって大きな損失を招くようなことであれば、そこには意識を向けなければならないでしょう。

 その視点で考えた場合、仕事の一部が属人化されているような場合だと、価値の見せ方が難しくなることがあるかもしれません。言い換えるならば、仕事の一部分であるが故に属人化の個所を組織や企業がイメージしづらく、そこに手を打とうという意識が持たせづらいということですね。

 このように、属人化されている仕事の価値を組織や企業がどれだけ認識しているかによって、その対応が変わってくるような気がします。

■後継を考える

 これを7つの習慣的に捉えてみると、時間管理のマトリックスに当てはまるように思います。(時間管理のマトリックスについてはこちらをご参照ください)

 属人化されている仕事を後継に委ねることは重要な仕事です。しかし、一方で緊急性を帯びていないこともあるため、これらは第2領域(重要かつ緊急ではない)にあたります。

 後継の対応を取ることは重要であることは分かっているものの急ぎではないために今すぐ取り掛からない。実は私はこのケースに該当しています。私が担当させていただいている仕事の中には数千万~億単位のお金が動く場合もあり、現状それを一人でやっていることが多いです。しかし、そこに対して組織や企業は後継の必要性は意識しているものの何の手を打っていません。こちらも要所要所で後継の話は伝えていますが、立場上キツくも言えないので、この状況が続いています。。。

 第2領域の特徴でもあるのですが、これはほおっておくといずれならなければならない状況が来てしまうため、いずれ第1領域(重要かつ緊急)に変わってしまいます。こうなると対応待ったなしです。実際、こうなってしまうと全て後手後手に回ってしまうので、まともに対応できないこともあります。

 このように考えると、やはり第2領域の状態である今だからこそ後継はしっかり対応しておかないといけないと思います。ただ、先ほども話したようにこれらの決定権は私ではなく組織や企業にあります。

 だとすれば、組織や企業が前向きに後継について取り組んでもらえるように私のできる範囲で立ち振る舞うことも、後継に対する私の責任でもあるような気がしています。ですので、今の私にやれることはこれからもできる限りやっていこうと思います。

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