第561回 雑な会話と丁寧な会話
こんにちは、キャリアコンサルタント高橋です。
普段、人と会話をする時、自分の会話の雑さを感じることがあります。それは丁寧な会話をしていないことだと思っているのですが、そのせいで会話の往復が無駄に増えてしまうことがあったり、話がうまく伝わらなかったりすることがあります。今回はそんな会話について書きます。
■雑な会話
私が思う雑な会話というのは、自分の中で言葉を端折って会話をすることです。例えば、相手と一緒に出掛ける用事があるのですが、自分は出掛けたい時間があるとします。そうした時に
「何時に出掛ける? 」
のように訊いてしまうことです。私の中では、相手が答えた時間で間に合うようならそこで会話を終了させようと思うのですが、もし私が望む時間よりも遅かった場合、
「この後予定があるんだけど、もう少し早く出ることはできない? 」
みたいに補おうとします。
でも、こうした会話は相手からすると親切な会話ではないと思うのです。そもそも、何のためにこの質問をしたのかがハッキリしませんし、答える時間が遅かったらもっと早くしてくれと言われてしまうので、自分の考えを改めなければなりません。それならば、最初から
「この後予定があるんだけど、〇時に出ることはできるかな? 」
と訊けば済む話です。会話の往復も少なくて済みますし、相手にこちらの意図を正しく伝えることができます。
こうした会話にならないのは自分の言いたいことだけと伝えようとし、相手の立場に立って会話をしていないことが原因だと思います。それはつまり、会話を雑に扱っているような気がするのです。
■丁寧な会話
一方、丁寧な会話というのは相手の立場に立って会話をすることだと思っています。先ほどの
「この後予定があるんだけど、〇時に出ることはできるかな? 」
このようなこともそうですが、他にも
「今日は仕事終わったら早く帰るわ」
と言っている同僚に対して、
「そうなんだ、お疲れ様」
と答えるのではなく、
「そうなんだ、何かあったの? 」
と訊くことです。
このように訊くことで相手の言いたかったことに触れることができるかもしれませんし、何より会話が繋がります。私はこうした会話を心がけている人は丁寧な会話ができる人というイメージを持っています。
■まず理解に徹し、そして理解される
そして、この会話の方法は7つの習慣にも出てきます。第5の習慣「まず理解に徹し、そして理解される」です。
効果的に会話をするためには、最初に自分の伝えたいことを伝えるのではなく、相手の話をしっかり聴き、理解することで、初めて自分のことが分かってもらえるようになります。7つの習慣ではこれは効果性の原則に基づいているとされています。原則とは、不変であり、自明であり、意識の有無に関わらず作用するモノとして定義されています。つまり、こうした会話の方法はいつの時代、どの場所においても効果のある方法ということです。
しかし、私たちは自分の伝えたいことを真っ先に伝えようとします。それは雑な会話です。雑な会話を続ける限り相手の理解は深まりませんし、相手との関係性は築けません。丁寧な会話である「まず理解に徹し、そして理解されること」を続けていくことが、結局は本質的に相手とコミュニケーションを取ることになるのではないかと思います。
私は普段の会話は雑に会話していることが多いと感じています。だからこそ、丁寧な会話を心がけていきたいと思っています。