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第352回 三方良しの実現を

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 こんにちは、キャリアコンサルタント高橋です。

 ここ最近はキャリコントレーニングのネタが多くなっていますが、今回もその話です。元々キャリコントレーニングは身内で行うことが多かったのですが、最近は初対面の方に対してキャリコントレーニングをさせていただくことも増えてきました。

 こうやっていろんな方と接させていただくと、その方々がどういった環境でお仕事をされていて、どういった理由でキャリコンを学ばれているのかがわかります。中には私が今まで生きてきた中で全く関わりを持つことのない環境でお仕事をされている方もおられ、とても新鮮な想いをさせてもらっています。

 そんな中、こういった初めての方とのキャリコントレーニングを通じて、私の好きな言葉である三方良しを体験することができました。そこで今回はキャリコントレーニングを通じた三方良しの考え方について書きたいと思います。

■キャリコントレーニングの難しさ

 一般的にキャリコンのトレーニングといえは面接のロールプレイ、過去のキャリコン事例を持ち寄った事例検討会、キャリコンの指導者(スーパーバイザー)による個別指導などを指します。この内、頻繁に行われるのはやはり面接のロールプレイではないでしょうか。最低二人いれば実践することができ、本番さながらのトレーニングができるので、やりやすく、力もつけやすいからではないかと思います。

 しかし、その一方で難しさもあります。それは、同じレベル同士でトレーニングをしても何が良くて何が悪いかの指摘ができないのです。。。

 そもそも、トレーニングをするということは目標とするレベルに達していないから行う訳ですが、指導をするならばやはりそのレベルに達している人でないとできないのです。そのため、どうしてもトレーニングの質が上がりづらいのです。こういったことは仲間内で行うトレーニングや勉強会でも起こり得ます。そこにキャリコントレーニングの難しさがあるように思います。

 一応、私はキャリコンの指導者レベルとしても活動させてもらっていますので、私が指導させてもらった方がいるのですが、その方が仲間内で勉強会を開かれているそうなのです。しかし、そのときに先ほどお話したような指導の必要性を感じられるようで、その流れから時々トレーニングの依頼をいただくのです。

 私が指導をさせていただく場合、最初はトレーニングを受けられる方の感想や反省点などを伺います。更にトレーニングをされている人同士でフィードバックをしてもらいます。こうすることで自分自身の振り返りをやってもらうようにしています。その後、私からのフィードバックをさせてもらうのですが、そのフィードバックは先ほどの感想や当人同士のフィードバックを含めた指導者視点での内容を伝えています。その内容はトレーニングをされた方の癖や特徴の指摘もそうですし、キャリコンの傾向なども伝えさせてもらっています。

 このような内容は当人同士ではなかなか気づきづらいようで、とても感謝されます。そういったことからも、やはりこういった指導者というのは必要なのだなと感じます。

■三方良しの実現を

 私がこのようなキャリコントレーニングにおいて指導をすることは、私にとっても利があります。それは指導者としての経験を積むことができるだけでなく、参加されている方とのネットワークがつくれるからです。

 一方、トレーニングを受ける方は自身のキャリコンの腕が向上できるという利があります。

 そして、私の場合、企業に場所を借りてトレーニングをするのですが、この企業によってもトレーニングをする人たちの所属される企業や会社とのコネクションができるため、それを仕事に活かすことができるという利があります。

 このように、トレーニングをする人、指導者(私)、場所の提供者(企業)という全員が利になることを「三方良し」といわれます。

 三方良しとは元々は近江商人の言葉だそうで、商売においては売り手が満足する(売り手良し)、買い手が満足する(買い手良し)、更にはその売買によって社会貢献にもなる(世間良し)という商売が良い商売とする考え方なのだそうです。

 私はこの考え方が大好きで、これは商売だけでなくすべてのことにいい表されると思っています。自分だけでもダメ、相手だけでもダメ、自分と相手と場(環境)すべてが利になることが本来あるべき姿だと考えています。

 今回、キャリコンを通じてこの三方良しを体験できたことはとてもいい経験をさせてもらえたと思っています。ぜひ今後も、いろんなところで三方良しを実践していきたいと思っています。

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