第316回 学びを生かすことについて考える
こんにちは、キャリアコンサルタント高橋です。
私はキャリコンや研修の仕事をしてることもあり、今でも学ぶことを継続して行うようにしています。当面の目標である１級キャリアコンサルティング技能士の合格もそうですが、スーパーバイザーといって、私が行うキャリコンに対する指導をしてもらったり、逆に私自身がスーパーバイザーを務めさせてもらうようなこともしています。
また、研修においても、新しい手法や技術、コンテンツなどがあれば積極的に参加させてもらってもらい、常に自分の仕事や日常生活に生かすよう心がけています。そこで今回は、こういった学びを生かすことについて思うことを書きます。
■学ひのきっかけ
私は元々学ぶことはそれほど好きではありませんでした。しかし、当時勤めていた会社が資格取得に報奨金を出すことになり、そのお金目当てに何となく勉強を始めたのがきっかけだったと思います。確かそのときの資格はOracleMasterでバージョンは８あたりだったと思います。
当時はOracleなんて一度も触ったことがなかったでしたし、勉強といっても資格対策本を読む程度しかやらなかったので、当然合格することはできませんでした。でも、１度受験が失敗した程度で諦めてしまったら何だか勿体ないと思い、嫌々ながらものべ４回目の受験で何とか資格を取ることができました。
今にして思えば、よく諦めずに資格を取ったなぁと思います。資格に合格したときはかなり嬉しかったです。その想いがきっかけとなり、私はどんどんIT系の資格を取るようになりました。そうして気づいたら10種類以上の資格を取っていました。
■学びを変えた資格
しかし、当時私が資格を取る目的は報奨金でした。つまり、「資格＝お金」です。だから資格を取ってしまえば、もうその資格に用はありません。当時はそんな考えをしていたので、その資格が仕事や日常生活で生かされることはありませんでした。
ところが、そういった資格との関わりが変わったきっかけになった資格がありました。それはPMP（Project Management Professional）です。私がPMPを取ったのは今から15年以上前で、確か英語の参考書を訳しながら勉強をした記憶があります。また、１度受験に失敗したこともあり、かなりの期間勉強をしていました。
実はPMPを取ろうと思ったのには理由があり、その当時は「プロマネの仕事をやりたい」という想いを持っていました。そのためにPMPを取り、その資格を足掛かりにしようと考えていました。そのため、PMPを取った後、どうすればこの資格を使ってプロマネの仕事ができないだろうか？とずっと考えるようになりました。
そうして、無事PMPを取得した後、PMPの内容をどうやって普段の仕事に生かすかを考えるようになり、少しずつ自分なりのアウトプットをつくり出すようになりました。更に周りの人に働きかけることで、何とかプロマネの仕事に就けるようになりました。
この体験から、資格は学ぶだけではなく、いかにしてその学びを自分の仕事や日常に生かすかが重要であると考えるようになりました。
■学びの生かし方を考える
その後はコーチングやキャリコンの資格を取りましたが、これらの資格を取った後、自分ならどうするかを徹底的に考え、実践を心がけるようにしてきました。その結果、コーチングは「４Ｓコーチング」として私のコーチング理論のベースとなりましたし、キャリコンは今に続くキャリアコンサルティングの理論、技法、考え方などの素地になっています。
また、研修においても「７つの習慣」の講師ライセンスの取得は私にとって大きな学びになりました。この学びで得た「ワークセッション」という概念は今の私の研修におけるベースとなっており、私の研修のスタイルにまでなりました。
20代で資格を取った時分の話ですが、私は「いずれ歳を取ったら勉強することはなくなるんだろうなぁ」と思っていました。しかし、蓋を開けてみたら、歳を取るごとに学ぶことの深さが深くなってきています。恐らくそれは、私の中で「学んだ事を生かす」という考え方ができ上がったからではないかと思っています。学んだことを自分ならどう扱うか、どう利用するか、そういったことを考えながら学ぶ癖づけができたからだと思います。
そして、これはすべての学びに関していえることです。学ぶことが目的でなく手段であるならば、本来何のために学ぶのか、その目的があるはずです。その目的を達成するために、学んだことをどのように生かせばよいのか、その視点で学ぶことで、私は学びの質が変わり、学びが深くなってきたと感じています。
そして、この「学び」という行為はこれからもずっとずっと続けていきたいと思います。そうすることが私自身の可能性を広げることに繋がると考えています。
もし、漠然と資格などを学ばれている方がおられましたら、この機会にぜひご自身なりの学びを生かすことについて考えてみてはいかがでしょうか。