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第265回 学んだスキルの使い道

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 こんにちは、キャリアコンサルタント高橋です。

 先日、キャリコンのトレーニングにトレーナーとして参加させていただきました。これからキャリコンを目指される方に、キャリコンの方法や考え方(マインド)といった部分をご説明したり、実際にロールプレイでキャリコンを体験していただきました。トレーニング終了後、参加者の方々は皆キャリコンの難しさを仰られていましたが、一様にキャリコンの魅力に触れられたようで、満足してお帰りになられました。今回はキャリコンのトレーニングを通じて感じたスキルについて思うことを書きます。

■それをするためにはスキルが必要です

 キャリコンをするためにはスキルが必要です。特に傾聴はすべてにおいて基本です。傾聴についてはこのコラムで何度もお伝えしていますが、相手の話に聴き入り、相手と信頼関係を構築し、そこから相手が考え、気づきを促せるような言葉を選び返します。キャリコンにおける傾聴では最低限これだけのことが求められます。しかし、これがやってみるとなかなか難しい。相手の話をじっくり聴いているとそこばかりに意識が向いてしまい、相手が考え、気づきを促せるような言葉を投げかけられない。逆に、言葉を選ぼうとして聴くと、相手の話をじっくり聴くことが疎かになってしまう...。ちょうど参加者の方々もこんな状況になられていました。

 しかし、これはトレーニングをすることでクリアできます。何回、何十回、何百回、何千回と傾聴をしていると自ずとやり方が身体に染みついてきて、少しずつ自然にできるようになってきます。しかし、そこに行きつくまでにはやはりトレーニングを積まなければなりません。

 そして、これは何も傾聴だけの話に留まりません。ITエンジニアに目を向けてみると、プログラミング言語、ツール、機器...これらを使いこなすためにもスキルは必要です。最初はうまく使いこなせていなくても、何回、何十回、何百回、何千回と使っていれば、先ほどの傾聴と同様に自ずとやり方が染みついてきて、少しずつ自然にできるようになってきますよね。ですので、私たちが何かのスキルを習得したい場合、トレーニングによる反復練習が必要になってきます。

■そのスキル、どこで使うのですか?

 ところが、そうやって一生懸命にトレーニングし、習得したスキルをどこで使うのかが明確になっていない人も中にはおられます。先のキャリコンの場合でも、キャリコンのスキルを一生懸命に学んでも、それをどこで使うのか? そこがポッカリ空いている人がおられます。そのような人は大抵「スキルを身につけてから考えます」といったことを仰られるのですが、その場合、大抵スキルを使う場が見つからないまま、スキルが陳腐化されていきます。

 これはITエンジニアでも同じようなことが起こります。先の話の続きになりますが、例えば自分の技術スキルを高めるために何某かの資格を取りました! その後は...特に何も考えていません。といった方は結構おられるのではないでしょうか。勿論、自己研鑽を目的として資格を取得されることは素晴らしいことであり、そこを否定するつもりは全くありません。

 ただ、これは私だけかもしれませんが、「自己研鑽」という曖昧な目的で取得した資格はほぼ100%活かされることはありませんでした。私の場合、ベンダー系のIT資格は「自己研鑽」という目的で結構な数の資格を取得しましたが、それらを使いこなすことはほとんどありませんでした。しかし、PMP(Project Management Professional)や2級キャリアコンサルティング技能士は「プロマネをしたい」、「キャリコンをしたい」という明確な目的を実現させるための手段として取得したので、今でも存分に活用させてもらっています。

■学んだスキルの使い道

 結局のところ、スキルは何かの目的を実現したいからこそ身につけるモノであり、あくまでそれは目的を達成させる手段でしかありません。しかし、スキルを習得することを目的としてしまうと、スキルを取得したところがゴールとなってしまい、スキルを使いこなすところまで目が向かないように感じるのです。

 ITエンジニアは勤勉な方がとても多いです。だからこそ、学ばれるスキルが無駄にならないよう、予め学んだスキルの使い道を考えておく必要があるのではないかと思いました。

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