第264回 心に響く言葉
こんにちは、キャリアコンサルタント高橋です。
人と会話をするとき、心に響く言葉があるとその時の印象は強く残ります。それでは、どういう言葉が相手の心に残る言葉なのか? 今回はある研修で感じた「心に響く言葉」について思うことを書きます。
■心に響かない言葉
ある研修を担当していたときのことです。その研修は傾聴の研修だったのですが、良かった面談、残念だった面談について受講者同士でディスカッションしてもらっていました。そのとき、研修に参加されていたある受講者の方が残念だった面談に「心が響かなかった面談」と答えられました。その答えがあまりに印象に残ったので詳しくお聞きしてみるたところ、それはある方との面談だったそうなのですが、記憶に残っていないような面談だったそうです。そして、それは相手の話す言葉が心に響かなかったからだと答えられました。
そのときは、これ以上の詳しいお話しはお聞きしませんでしたが、話していただいた内容から推測すると、
- 信頼関係
- 内容
これらに原因があるのではないかと思いました。そこで、これらについての対策を考えてみました。
■「信頼関係」から心に響く言葉を考える
会話をする上で、相手との信頼関係は何より大切です。ここでいう信頼関係は「より深い会話をするため」の信頼関係ですが、信頼関係が築かれていない間柄での会話は、当たり障りのない、上辺だけの会話になってしまうことが多く、相手の言葉はなかなか心に響き(届き)づらいモノです。
そのため、会話をする際、最初に相手との信頼関係を築き上げる必要があります。この信頼関係を築くためには雑談でも良いので、相手と会話をし続けることで少しずつ相手との心理的な距離を近づけていくようにします。
■「内容」から心に響く言葉を考える
相手の話がつまらなかったり、興味を惹かない内容だった場合、例えば一方的に話をしたり、興味のない話を延々聞かされたりするなどの場合ですが、このような場合も相手からの言葉が心に響く言葉にはなりづらいです。
そのための対策としては、偏に「傾聴」を心がけるのが一番です。傾聴によってまず相手の話をシッカリ聴くことから始めます。こうすることで相手はこちらの話も聴く姿勢を整えてくれます。そうしてから、少しずつこちらの話を聴いてもらうようにします。ちょうどこれは7つの習慣の第5の習慣「まず理解に徹し、そして理解される」にも通じるモノがあります。傾聴については、前回のコラムをご参照ください。
■心に響く言葉を話すためには
ここまで、心に響く言葉を話すための「信頼関係」と「話す内容」について考えてきました。しかし、これらはあくまでその人の考え方や姿勢を体現したアウトプットのようなモノだと思います。
結局のところ、心に響く言葉というのはその人の心の在り方ではないでしょうか。相手のために話す、この姿勢がベースにあるからこそ相手との信頼関係を築こうとするわけですし、傾聴をするのだと思います。こうしたことによって、こちらの話を聴いてもらえるようになり、自ずと相手の心に響く言葉が出てくるのではないかと思います。