第206回 相談を受けたときに心がけること
こんにちは、キャリアコンサルタント高橋です。
最近、キャリアコンサルティング以外のご相談を受けることがあります。主に人生相談なのですが、相談される相手は真剣にお話をされるので、当然のことながら私も真剣に話を伺っています。相談内容はいろいろで、その時々でお話しさせてもらう内容も違うのですが、私の中で心がけていることがあります。今回はこのことについて書きたいと思います。
■相談を受けたときの対処法
私が相談を受けさせていただくとき、「○○のことなんですが、どうしたらよいでしょうか? 」と聞かれることが多いです。例えば、
「子どものことなんですが、どうしたらよいでしょうか? 」
「好きな人がいるんですが、どうしたらよいでしょうか? 」
「今の仕事のことなんですが、どうしたらよいでしょうか? 」
のような聞き方です。相手も端的に質問をされようと思うあまり、このような聞き方をされるのだと思いますが、これだと内容が分からず答えようがないので、まずは状況を整理させてもらいます。私の場合は、
相談者に何が起こったのか?(問題の認識)
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その結果、どのような状態になったのか?(現状の把握)
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そこから、相談者はどのようにしたいと思っているのか?(ゴールの特定)
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しかし、その状態にならない理由は何だと考えているのか?(原因の分析)
大体はこのような流れで相談者の身に起こった問題、その結果、現状はどのようになっているのかを確認します。その上で相談者が求めるゴールを明確にした上で、そこに行き着くことができない相談者が考える原因をヒヤリングします。ここまでの流れでは主に論理思考の手法※を使います。
※論理思考の手法:詳しくはこちらをご参照ください。
ここまで整理できたら、現時点でとれる解決策を相談者と一緒に考えます。このとき、相談者の状況によって2通りの対応をしています。
1つは相談者自身に答えがあると感じた場合。この場合、相談者はすでに答えを持っており、そのようにしなければならないことを意識している、していないに関わらず分かっています。しかし、何か引っかかることがあり、その結論にたどり着けないようなケースです。このケースではコーチングスキル※を使い、相談者自身に答えがあることに気づいてもらうこと、その上で「引っかかっていること」を明確にし、どうすれば引っかかっていることから前に進めるかを考えてもらうようにしています。
※コーチングスキル:詳しくはこちらをご参照ください。
もう1つは相談者自身が答えを持っていない場合。この場合、相談者は自分で答えを導きだそうとある程度考えを巡らせています。にもかかわらわず答えが出ていないということは、論理思考のような理詰めで考える解決法はあまり適していないように思われます。そのため、このケースでは水平思考の手法※を使い、発想力やイメージを使って考えてもらうようにしています。
※水平思考の手法:詳しくはこちらをご参照ください。
■相談を受けたときに心がけること
このように、私が相談を受けさせて場合、論理思考、水平思考、コーチングなどのスキルを使うことが多いです。しかし、そういったスキルを使いながらも絶対に心がけていることが1つあります。それは「相談者の最初の言葉を忘れないこと」です。私は相談者が最初に発した言葉にその人の想いがこもっていると思っています。相談者が私に相談するとき、ひょっとしたらその人は緊張しているかもしれません、また焦りを持っているかもしれません。そんな気持ちを持ちながら自分の問題を解決したいと私に発してもらう言葉はとても重く大切なモノだと思っています。ですので、私は相談の最後に、
「○○のことで相談されましたが、答えは見つかりましたか? 」
とお聞きしています。そうして「はい」と答えられるまで、何度も相談をさせてもらうようにしています。
こういった相談はキャリアコンサルティングとは全く違いますが、どちらも相談者の問題を解決するという意味は同じことなのかもしれません。ですので、私自身、相談のスキルももっと高めていかなければならないと思いました。