第143回 接点をつくる
こんにちは、キャリア・コンサルタント高橋です。
キャリア・コンサルティングを行っていると、「人づきあいが下手なので、うまくキャリアをつくることができない」といわれる方が結構おられます。恐らく、社交性が高い方がキャリアをつくりやすいと考えられているからだと思うのですが、このようなときは接点をつくることをおススメしています。そこで、今回は接点をつくることについてお話ししたいと思います。
■人づきあいの上手下手
どのような人であれ、人と人が繋がっているとき、そこには何かしらの関係性が生じています。仕事や趣味といった関係性から、同じ学校、同じクラスだったという関連性、家が近所や同郷だったという関連性、よく飲みにいく居酒屋で出会う関連性…、人と人を結ぶ関連性はそれこそ無数にあります。人づきあいが上手な人というのは、自分と他者との間にある関連性をうまく捉えることができる人なのではないかと思っています。
逆に、自分と他者との間にある関連性の捉え方が苦手な人は、人づきあいも苦手としていることが多いように思います。例えば、初対面で会った人に対して、自分と他者との間にある関連性を見出すことができないので黙りこくってしまう…、このような経験をされたことがある方は少なからずおられるのではないでしょうか。
■会話を生み出すテクニック
そのため、人づきあいが苦手な人には会話を生み出すテクニックをお伝えしています。これは、私が実際に行っている4Sコーチングのコネクターの構築※という手法なのですが、簡単にご紹介すると、
- 話題を探す
- 相手が話題そのものに興味を持てるかを確認する
- 相手が話題のどこに興味を持てるかを確認する
この流れで会話を進めることによって、無理なく会話を生み出すことができることができるようになります。
※コネクターの構築:詳細は「第72回 コーチングのススメ5」をご参照ください。
しかし、このテクニックには一長一短があり、このテクニックだけで人づきあいが上手になっていく人とそうでない人がおられます。元々、コネクターの構築はコーチングを進めるために使われるテクニックなので、ある程度会話を機械的に生み出すことができるようになっています。そのため、会話をすることだけをに限定すると大きな長所ともいえるのですが、機械的に会話を生み出すことができるため、感情や気持ちを込めなくても会話を進めることができてしまいます。このことは4Sコーチングにとっては必要な要素※なのですが、一般的な会話に当てはめると、人によっては無機質な会話と感じてしまうことがあり、会話をしたという実感がわかず、関係性をつくり出せていない感じることがあります。これが大きな欠点となります。
※必要な要素:4Sコーチングではコーチ側にもクライアント側にも立たない中立な立場に立つことが求められます。詳しくは、「第70回 コーチングのススメ3」をご参照ください。
■接点をつくる
したがって、人づきあいが上手になるためには、まず最初にあなた自身の中に相手との接点をつくる必要があります。これは、最初の関係性を生み出すということにもなりますが、それ以上に「相手と関係性をつくりたい」という強い想いをもつことです。あなたがこの想いをもたなければ、どれだけ会話を生み出すテクニックで会話が進むようになったとしても、あなたがその人との関連性を生み出すことには繋がっていきません。
この人と関係性をもちたい、この人の話をもっと聞きたい、この人に話をもっと聞いてもらいたい…、このような想いをもつことがその人との接点をつくり出します。その接点がある前提で先ほどの会話を進めるテクニックを使われると、効果を実感いていただくことができるのではないかと思います。
もし、人づきあいを上手にしたいなぁと思われる方は、ぜひ相手との接点をつくることを最初に考えてみてくださいね。