第84回 学ぶことを学ぶ
こんにちは、キャリア・コンサルタント高橋です。
12月から新しい会社で仕事をしていますが、その部署の主な仕事は研修業務です。これまで筆者は研修ではかなりの場数を踏んできたつもりですが、新しい場所ではまた新たに学ぶことがたくさんありました。今回はそんなお話です。
■郷に入らば郷に従え
新しい会社に入った経緯は過去のコラム※でも書きましたが、ざっくりいえば筆者のこれまでのキャリア・コンサルタント、研修講師としての経験を買っていただいたと思っています。ですので、研修についてはできて当たり前だと思っています。しかし、自分のやり方だけではこの組織での研修がうまくいかないこともあると思い、今回はイチから研修について学ばせてもらいました。
※過去のコラム:詳しくは『第80回 偶然を生かしてみたら、会社が変わった』をご参照ください。
研修の準備から始まり、当日の対応、研修後のフォローにいたるまで、たくさんの留意すべき項目があることに気づかされました。そうして、担当する研修について練習し、その内容をチェックをしていただきました。すると、出るわ出るわ、指摘の嵐。。。これまで自分が行ってきた研修がいかに我流だったかを気づかされました。
これだけの指摘を受けると、一昔前ならかなりイラッとしたかもしれません。しかし、今は一日も早く仕事を覚え、自分の研修レベルをもっと引き上げなすことが筆者自身の課題になっています。それをどれだけ短い時間で実現するかが求められているので、そういったことを考えると、イラッとするより、自然と感謝する気持ちが強くなりました。
■ITエンジニアこそ学びが必要
そして、このことをコラムに書こうと思ったとき、筆者のITエンジニア時代を思い出しました。筆者はSIerで開発をメインにやってきたITエンジニアだったので、あるプロジェクトが終了すると(保守業務をしない限り)別のプロジェクトに移り、そこでまたシステム開発業務が始まります。
新しいプロジェクトに移ったとき、過去の経験を生かして仕事をすることはよくあるのですが、それだけで仕事ができるほど筆者の知識、技術、スキルは豊富ではありませんでした。そのため、そのプロジェクト独自の知識、技術、スキルを最初にできる限り叩き込んで仕事をしていたように思います。その姿勢は学ぶという意味において今と変わりがないことに気づきました。
■しかし、一体何を学ぶのか?
同時に、学ぶ姿勢において、ITエンジニア時代と研修講師の今とでは、ひとつだけ大きな違いがあることにも気づきました。それは、すでに知っている知識、技術、スキルを再び学ぼうとする姿勢があるかどうかです。ITエンジニア時代はそれがありませんでした。知っている知識、技術、スキルを学ぶことより、ひとつでも多くの知らない知識、技術、スキルを得ることこそが大切だと思っていました。
そのときの状況を考えると、その考え方が間違っていたとは思いません。しかし、余裕がなかったなぁとは思います。自分のこれまでの経験、知っている知識、使える技術、スキルなどを紐解きながら、もう一度ゼロベースで物事を考えるだけの余裕があれば、ひょっとしたらもう少しうまく立ち振る舞うことができていたような気がしますし、もっといい結果が生まれていたかもしれません。今となっては「たら・れば」の話ですが、後者の考えのほうが今の自分にシックリくると思っています。
■2013年、最後のコラムでしたっ!
さて、今年のコラムはこれで最後になります。今読み直してみると拙い内容が多かったような気もしますが、「5分間キャリア・コンサルティング」まで足を運び、コラムを読んでいただきありがとうございました!
来年もがんばりますっ!