地方エンジニアが感じる地方・中小企業での悩み

できるだけ削りたいが求められる余力

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 今年の冬は、自分の記憶の中でも珍しいくらいの大雪です。去年・一昨年と昔に比べて雪が減ったなと感じていたものが、今年は正反対にドカ雪です。雪が少ない地域の方にはピンとこないかもしれませんが、雪が多い地域では除雪で雪を一時的によけ、排雪で雪捨て場に運ばれていく日常があります。今年はオンライン開催となった雪まつりでは、ここ数年雪不足ということで色々な場所から雪をかき集めていたのですが、今年は雪捨て場がパンクするほどの量が降りました。JR が数日運行を休止するというのも自分の記憶にはありませんし、路肩によけられている雪が 3m を超える程の高さとなっているのも物凄く久しぶりです。

 実の所、ここ数年は積雪量がそれほど多くなかったこともあり、コストダウンも込めて除雪の方法や頻度が見直されていました。今年はその影響もあり、迅速に対応が取れなかった面もあるかもしれません。こればかりは誰も予想が出来なかったところだとも感じます。

 同じように私たちが作成し運用しているシステムにおいても、コストの見直しや運用方法の改善などが常に求められています。なかでもコストカットは目に見えやすいこともあり、求められる場面が多いです。前年よりもかけるコストが減る事は、会社にとっても喜ばしい事です。コストカットを行って、それまでと変わらない運用が行えたならば大成功でしょう。

 ですが今年の雪のように想定を超えた状況となった場面で、どの程度の被害に抑えられるかというのも重要のポイントだと思われます。これまではシンプルにかかる費用を抑えることを重要視していましたが、どこまでの余力を持たせておくかという点の重要度が上げる必要があるのではないでしょうか。

 もちろんすべてのシステムにおいて同じように余力を持たせよう、とはならないと思います。緊急度の低いシステムかつ利用するリソース量に波が少なく予想を超える事もほとんど考えられないのであれば、用意しておく余力は必要最低限で十分です。緊急度が高いシステムであれば、想定する状況を今よりも深刻なものと考え必要量を高く見積もっておくことが望ましくなります。

 ここ最近のシステム開発においては、余力がありすぎるのは問題として必要量のみ用意する事が求められています。それ自体は当然のことだと考えられますが、必要量の求め方や考え方を今の状況に合わせて更新していく重要性が高まっているのではないでしょうか。どこまでを予見するかは非常に難しい問題です。余力として用意してあるリソースも、使われることがほとんど発生していなければコスト削減として見られてしまう事も多いです。その後に削減した余力が必要になるトラブルが発生してしまうケースも、起こりやすい出来事の一つです。

 最適な余力というのを求める事は不可能に近いとも言えます。それであれば、準備しておく余力の求め方を更新することや、実際に余力を用意する場面でスピーディーな対応をとれるようにしておく必要があるのではないでしょうか。時世や状況に応じて求められるものは変化していきますので、定期的に見直しを図ることの重要性がこれからも高まっていくのではないかと思います。

Comment(1)

コメント

山無駄

そうですね。余力と言ってしまうと過剰なリソースのニュアンスが強くなり
削減の対象となりがちですね。そして削減されたリソースは二度と戻ってく
ることはありません。
そういった意味では、余らせないことが重要なのかもしれません。MAX時点
のリソースを確保しつつ、今必要でない分については別のタスクに割り振り、
急な必要性が出た際にはフレキシブルに動かせるような。
予算主義のお役所仕事には難しいかもしれませんが。

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