地方エンジニアが感じる地方・中小企業での悩み

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 よく「人と話すのが苦手」という性格の方に出会う機会があります。かくいう私もどちらかと言わなくとも苦手で、もっぱら話を聞く側になることが多いのですが、プライベートでもビジネスでも、苦手だからと言って避け続けることはそうそうできません。自分一人で物事が完結するのであればいいのですが、世の中のほとんどはそのようにできてはいません。どこかで必ず他人と接点を持つ必要があります。
 
 私をよく知る知人や友人にしてみると「話すのが苦手ならなぜ勉強会で話そうとかできるの?」と思われるでしょうが、そのような場で話すことと人と会話することは全くの別ものであると私は思っています。本当に上手な人であれば、勉強会の場などでももっと多くの人に聞いてもらえる内容を話すことができるのでしょうが、私はまだまだその域には達していません。それでは全く無関係なのか、と思われるでしょうが実際に話してみて感じているのは密接ではないが無関係でもない、どちらかというと勉強会で話す方が人と会話するよりも楽だ、というところではないかと感じています。

 特定の人と会話するというのは言葉でキャッチボールを行うようなもので、常に相手の反応を見てこちらの対応を変えなくてはならない難しさがあります。対して勉強会で話すということは、不特定多数に向けて言葉を投げかける面が大きく、キャッチボールというよりはピッチングマシーンのようです。基本一方的に投げつけていますが時々打ち返される玉に対応する、ここが大きな違いだと思います。

 話すのが苦手、と大きくくくってしまうとどちらも苦手に感じてしまいますが、実際にはどちらかが苦手であり、どちらも苦手と言う方は少ないのではないでしょうか。

 私の場合はそれなりに年月を重ねたこともあり、ある程度までであれば苦手と言える特定の人との会話もそれなりに対応できるようになりました。ここまできて改めて思うのは、どちらも場数を踏んで経験を積まなければいけない、という一点です。

 たまに見かけるのが、相手から返された言葉に対して予想もつかない斜め上な返答をしてくる人です。それが意図的であり相手もそれを理解しているのなら良いのですが、相手が理解しておらずかつ本人がこれを変に感じていない場合は要注意です。会話していて何かぎくしゃくする、何かつながらないと感じるようであれば、このケースもあるのではないでしょうか。また常に同じ返事をしてしまうのも、相手から変に思われることが多いでしょう。いつも斜め上に返して来たり、同じ答えを返してくるような相手にはなかなか会話を進めることが難しいのです。また何度もそのような場面に遭遇したのであれば、その人との会話は避けたくなるのは当然と言えます。
 これは相手と自分の立場を入れ替えて考えてみれば気付きやすいことでしょう。そのような取り組みを数重ねることで、スムーズな会話というのが行いやすくなってきたと思えています。一方的に自分の流れで会話を進めようとし、相手の話を聞かない・合わせないのでは、相手が話を聞いてくれる場でなければなりません。普通に会話をするような場で、このような行動を取っているのであれば今後は厳しい状況になるでしょうし、もし自分がそのように相手から一方的に話されるようなことがあったら、と考えてみるとそれがどのように思われるのかも想像できるのではないでしょうか。もちろん性格の違いなど、個々人では受け取り方に差がありますのでその想像が正しいかどうかは、相手の性格次第ですから何とも言えないのですが、それでも何も考えないでいるよりはましだと考えています。

 こう考えていくと、会話で相手とコミュニケーションを取るというのは難しいと感じられると思います。実際私は難しいと感じているので、他人と話すのが苦手だと思っているのです。

 ですが、だからと言って人と関わりをもつ、コミュニケーションを取ること自体を避けようとは全く思いません。難しく考えてしまうと二の足を踏んでしまいますが、純粋に人と会話する事自体は非常に好きだったりしますし、うまく会話できているときというのは非常に楽しい気持ちにしてくれます。「会話が苦手、でも好き」と非常に面倒くさい性格だなと我ながら思いますが、気持ちを回復してくれることが多いのは自分の中ではやはり人との会話が多いです。ここでのコラムやSNSにおける文字でのやり取りも好きですが、直に会話できたときは自分の中では非常に嬉しく、楽しく思えることがやはり多く感じられます。このような感触を味わえるからこそ、次もまた楽しく会話したいなと思えるのであり、それをさらに数多く味わいたいのであればやはり場数を踏むことが最も大切なのではないか、と私は考えています。

 人とコミュニケーションを取ることが嫌いな方というのはあまりいないのではないでしょうか。いや自分は嫌いだ、と言われているのであれば、それは面倒な相手とコミュニケーションをとるのが嫌いなのであり、自分が好ましく思う人とであればそのようなことは考えないのでは、と思います。ここで好ましく思う人たちとだけ関係を続けていくのも一つの方法ですが、面倒な相手とも場数を重ねることで今まで見えていなかった新しい一面を見つけることができるかもしれません。そしてその一面を知ることで好ましく思える人が増えていくことも十分にあります。

 そう考えるとやはりたくさんの場数を踏んでいくことこそが、コミュニケーションの基本ではないでしょうか。一人で相手するのがハードル高い、と感じるのであれば自分より会話が得意な人と一緒に別の誰かに話しかけるというのも手ですし、話しかける前に何点か会話のネタとなるものを思い浮かべてから話しかける、というのも有効だと思います。

 今の自分ではまだまだこういったところが上手くできていませんが、もっともっと経験を積んで、多くの人と会話できるようになりたい、そう願ってやみません。それができればきっと毎日ももっと楽しくなる、そう思えるからです。

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