地方エンジニアが感じる地方・中小企業での悩み

カオスな世界であっても夢も希望もあるんだよ

»

 今回はクリスマスイベントいう事で「みんなー! クリスマスは、ビール飲んでピザ食べながらカタカタするんだよ。」という @IT 主催のイベントに参加して、その場でコラムを書かされるイベントにて書き上げたものとなります。いつもより更に推敲されていないのですが、ご容赦ください。

 この場で話題に上がったこととして「初心者にとって何から手を付ければよいのかわからない」「色々書籍があるけれども欲しいレベルのものがなかなか見当たらない」という、物事を始めるにあたっての難しさについてのテーマが出てきました。
 実際自分たちとしては既に古い世代の人間というのもあり、現在を生きる人たちとは異なる状況にあるのですが色々とお話を伺っているうちに、今と昔とで違う点や今も昔も変わらずにある点など面白い気持ちを聞けたと思います。
 
 自分たちの世代から見た若い世代の人たちというのは、「情報が出揃っているのでやりやすい」と見ているところがあり、その情報の多さが違う難しさを生み出していると感じていました。今回お話を聞かせてもらった中では同様の意見もあったのですが、それ以上に一番最初にどこから手を付ければよいのかがわからない、ためしに書籍を購入してみても本当の初心者向けな説明がされているものが少ない、といった話も聞くことができました。
 Web に公表されている情報量は格段に増えていますが、それでも初期の初期において道筋を示してくれるようなものに出会えない、そういう気持ちを持たれていたと言われました。

 この話を聞いて自分が最初はどうしていたものかと思い出してみたのですが、私はちょうどパソコンがブームになった時代であり、マイコン BASIC マガジンに代表されるような多くのパソコン雑誌にプログラムが掲載されていたので、それを何も考えずに打ち込み、少しずつ変更を行っていくことでプログラムと言うものを身につけていくことができた世代でした。

 今のご時世ではこのような事はそもそも雑誌が出版されていないのでできませんし、Web に多く掲載されているコードをコピペすることで似たような事はできているように見えます。ですがコピペするのと実際に打ち込むものとは大きな違いがあり、コピペするだけでは物は作ることができるがそれを直すことができない、そのような人を多く生み出しているように思えます。

 私も若い世代の人と仕事をしているのですが、確かにそのようなタイプの人は増えてきているようにも思えます。もちろんそうでない方もいるのですが、その割合はそれほど大きくもないように感じています。

 だからといって自分達の世代のような方法が常に良いか、と言われればそんなこともありません。自分達の世代がそうできたのは、現状とは大きく異なり情報量も選択肢も少ない中であったからだと考えます。実際に見えてなくてはいけない領域の大きさも狭かったですし、選ぶことができる手段は現状と比較して遥かに少ないです。
 今では幅広い領域を見渡し数えきれない選択肢の中から使うものを選ばなければ、システム開発、もっと言えばエンジニアリングというものは難しくなっています。

 このような環境の中ではどのように行動していくのが良いか、今のご時世に適した方法はどのようなものがあるのか、そしてそれを自分達のような上の世代から伝えることはできるのか。突き詰めていくとこの問題は、若い世代だけの問題ではなく道筋を示せていない上の世代も含めた問題なのではないでしょうか。

 これを読まれている方々の中で「上の世代」に属する方はまず考えてみてほしいのです。例えば一緒に仕事をしている若い世代側の人に、自分たちは道を示すことができているでしょうか。言うだけは簡単ですが、これを実践できている方はどれだけいらっしゃるのでしょうか。書いている私がまだまだ実践できていないので何を言っているんだ、という話ですがそれでもそれを意識していくことが、次につながる世代の人たちも自分達の世代も含め、業界全体が幸せになることができる方向なのではないか、そう私は考えます。

 今回話を伺うことができた方のように、熱い気持ちを秘めている方はたくさんいらっしゃいます。そのような人たちが迷った時には手を差し伸べていくことができれば、まだまだこの業界も未来に希望が持てるというものです。変な話、たくさんの失敗を経験してきているのが上の世代の特徴です。その失敗を糧にすることができるのは若い世代の特権なのです。
 
 時代が変わっても実践に勝るものはない、そのように私は考えています。書籍や Web では伝えることのできない領域というのはどうしてもなくすことができません。全てが外から得た知識でどうにかなるほど、この業界に限らず仕事全般は甘くないのはご存じだと思います。でもそのように難しく厳しい世界であっても、同じように何かをやってみたいと思った方はまず手を動かしてみる、手を動かせる環境に行く、そのような方向へ自分を進めていくことが一番大切なのではないでしょうか。

なお今回テーマを振ってくださったのは、将来的に起業することが目標ということでこれからに期待をせずにはいられない方でした。これからのご活躍に期待しております。

Comment(0)

コメント

コメントを投稿する