押し付けてくる人々
最近に限らず昔から言葉が先行するタイプの人は、何かしらの議論などの場でよく見かけることがあります。ここ数年ではSNSなどより多くの人とつながる場が発展してきたこともあり、誰かの意見に対して自由に意見を述べる環境が普通になりつつあります。そのためもあり、一方的に自分の考えを押し付けている場面に遭遇する事も増えてきているのではないでしょうか。
多くの場合、一方的に押し付けている人の特徴は自分の考えが正で、相手の考えが完全に誤っていると思っているところにあると思います。大半の人であれば相手が誤っていると考えている場合でも、理解するところは理解するでしょうし納得するところは納得することと思います。ですが押し付ける人は、ここですべてを否定することが多いように感じます。はたから見ている分には、それほど大きく違わないことを言っている場合も見受けられますが、当の本人にはまったく異なる考えを述べている気持ちが先走っているのかもしれません。
このような場面を見ていると、あくまでも個人的な感想ですが、このように一方的に押し付けてくる人の特徴と思える点もいくつか感じることがあります。その中でも最近感じているのが、理屈ばかりが先行して実践的な事を述べないことが多いという点です。
もちろん理屈だからと言って、意見を述べてはいけないわけではありません。むしろ意見を述べることは述べないことと比べると、はるかに良いことだと思います。ですが、理屈はあくまでも理屈で、実践で得られたものを超えることはそれほどありません。多くの方はそれを理解されていることと思います。ここで先の押し付ける人が異なるのは、相手が実戦で得たものよりも自分の理屈が優先していると、無条件に考えている節があることです。
同じことを実際に実施してその上で理屈を述べるのであれば、それは非常にありがたい意見であると思います。ですが実践したことはない、理屈はある、そしてその理屈が正しいと押し付けてくる人というのは非常に迷惑な存在になりえます。更に厄介なのは、当の本人はそれに気付いていないという点です。
私もあまり人のことは言えないのでできるだけ意識して注意するようにはしているのですが、ときどきは押し付けてしまったと気付くこともあります。技術者をやってまだ十数年ですので知らないことばかりなのですが、そのときの調子などもあってこのように良くない態度をとってしまうこともあります。そして大抵は後で振り返って「なぜ、このようなことを言ってしまったのだろう」と後悔することが多々あります。そのようなことをこの年になっても繰り返しているあたり、なかなか成長することができていません。
多分ですが、ほとんどの方は同じような感じで言ってしまった後で後悔し、もう言わないようにしようと注意を繰り返しているのではないでしょうか。
しかし本当に押し付ける人というのは、まったくこのようなことはないようです。特に特徴ある方は今でもよく見かけるのですが、今でも常に自分の意見が正しいという確固とした信念なのか、変わらずに自分の理屈だけを押し付けています。
堅い信念というのは必要なものであるとは理解できます。自分の意見、自分の考えを持つためにも何か一本通っているものというのは自分の中に必要でしょう。これを持たない人は相手の意見に従ってばかりとなり、言われたことだけをやるようなタイプになってしまいます。ですが、それも度を越していては、問題を生む種にしかなりません。どうしても譲れないものでない限り、どこかで折り合いをつける必要があります。そうでなければ賛同者を得ることも難しくなり、ゆくゆくは自分一人だけとなってしまうことは想像に難くありません。
これは自分で気をつけ続けなければ直ることはありません。周りから何かをしてその人を変えることは非常に難しいというよりも、ほぼ望めないと思います。そうならないように、これからも注意していきたいものです。
コメント
アラファイブ
アラファイブでございます。もし前回のコラムのコメントの事を言っておられるのでしたら謝ります。
もうしませんが、最後に自分の信念の根拠を述べさせて下さい。
数学では何かを論議する際、解の存在をまず確かめると思います。もし解が無いのに論議をすると、何でもかなうバラ色の世界になってしまうからです。
それに対してどうもソフトウェアの分野では、(間違いなく)解の存在を確かめること無く、論議をしてしまう傾向に有ると思います。
前回のコメントで自分で念頭に合ったのは大人に対して「人を育てる」「スキルアップしてもらう」をするという問題の解が無いのでは無いか、つまり、出来る大人はほっといても出来るし、出来ない大人は100年経っても出来ないのでは無いかという事です。
自分はその問題の解は**無い**と思い始めています。つまり、別に金銭的に損だ得だという以前で自分は考えていましたが、表現上は言葉足らずもいい所で、金銭の絡みに終始して、皮肉ととられる表現にしてしまったのは事実です。
そういうことでした。
Ahf
アラファイブさんコメントありがとうございます。
誤解させて大変申し訳ありませんが、アラファイブさんの事では決してありません。
今回のテーマはもっと漠然と扱ったものでして、
BlogやSNSなど、色々みていて気になった人を扱った物です。
前回のコメントにつきましては、なかなか自分の中でよい答えが出せず
まだ返答できていませんが、近い内にちゃんと返事させていただきたいと思ってます。(ちょっと仕事が多忙なのにかまけてまして申し訳ない・・・)
>自分はその問題の解は**無い**と思い始めています。
ここなのですよね。私も絶対的な解はないと思うところはあります。
ただそれでもベターな答え、もしくはそこに繋がるなにかで
考え続け、チャレンジしていってみたいと思っています。