やりたいと思うからやってみた
気がつけば、無事に5回目の社内勉強会を開催できました。今まで何度か行って、自分の勤務先ではオープンな雰囲気を醸し出すコミュニティスタイルよりも、どこかクローズドな雰囲気なセミナースタイルの方がやりやすいと実感しています(それでいいのかどうかは悩むところがありますが……)。
もともと、わたしはMicrosoft系のセミナー、カンファレンスなどに好んで参加する性格でしたので、企業主催型のセミナースタイルな勉強会に慣れているせいもあるかと思います。反対に、コミュニティ主催型には全く参加していないという状態です……。前にも書いたのですが、わたしは「土日開催でなければ参加する」というほとんどのエンジニアと真逆な行動パターンですので、参加が難しいのですよね(次に参加できそうなのはMSパートナーカンファレンス2009でして、ちょっと間が空いています)。
まぁそんなわたしが行っている勉強会ですので、スタイルも内容もやはり「カタめ」な内容に偏ってしまいがちです。色々な記事や参考意見を見聞きする限り、あまり褒められたスタイルではなさそうです。
ですが5回程やっていると、
「誉められないスタイルだろうと、それが適している風土はあるとこにはあるんだなぁ」
という、一般的な考え方とは少々趣が異なる考え方を持つようになりました。
●活発でない企業、受身な社員が多い部門、チームには押しつけ気味なスタイルが向いている
コミュニティ勉強会などの記事を読んで、同じような(似たような)ことを行おうと思っても、開催する企業自体の風土、もしくは参加をお願いする相手方が非常に非協力的(受身な人も含め)などなど、もともと「自主的に行動する」人達が集まるコミュニティで行う勉強会スタイルを、そうではない企業の中で行うとほぼ確実に失敗で終わると思われます。
回数を重ねれば自主的に動き出すことはありますが、そのような文化が育っていない場所でいきなり「勉強会だー!」と意気込んでみたところで無理なのです。変なたとえですが、発言や意思表示に慣れていない人にいきなり、
「Twitterで適当につぶやいてみて」
「社内にBlog用意したから好き勝手に書いてみて」
と押しつけるような状態です。
相手にしてみれば何をどうしていいのかすらわかる訳がありません。そうして戸惑っている間に時間だけが過ぎ、最後に何事もなかったかのように戻ってしまうのです。
理想的なスタイルというのは、それに見合う環境が整っているからこそ初めて理想的なのだと思います。スタイルだけ理想に近づけたところで、それを構成する環境が理想に近くなければどこかで破綻します。
今のわたしの勤務先のように、自主的にどうこうする空気が薄いところでは、ある程度の強権を発動して、半分業務の一環的なスタイルで行うのがやりやすいのではないか、と思います。
最初の数回をそのような形でこなしてから、自由参加を求めるようにすると結構惰性で参加しつづけてくれることがあります。そうなれば第一段階はOKです。「集まってくれる」この壁がなかなか継続するにあたって大きい障害ですので、まずここをクリアすることが最優先です。相手が惰性で参加してくれようと自主的であろうと、話を聞いてくれる観客がいなければ主催者のモチベーションも何もありませんから。
●続けるかどうかは自分だけが決めてよい
社内勉強会は「やってみると良さそうだからやる」のでは続きません。「自分が喋りたいからやる」のが大事だと思っています。あくまでも自分(主催側)の気持ちが大事だと。
よく勉強会を開くメリットは~と書かれる記事も多く目にしますので、何となく「やったほうがいいなぁ」という気分にさせられますが、これはあまりお勧めできません。
「社内に技術を伝える」ですとか「雰囲気を変える」ですとか。綺麗な言葉でいろいろなメリットとして語られることが多いですが、あくまでもそれは勉強会を行った結果の余波みたいなものと考えています。主催者が「やりたい」ことをやった結果についてくるものだと。やりたいと思えないことをやったところで、良い影響は発生しないのです。
ですので最初は周りのことなど考えずに、自分が喋りたいことを喋る、それだけのために集まってもらう位に捉えてみるのがいいのではないでしょうか。そうして数をこなすうちに、周囲に良い効果が出てくるものだと信じています。
わたしは理想として目指したいところがありますが、今はまだそこまでたどり着いていません。ですがまだまだわたしは「喋りたい」と思うことがあるので、社内勉強会は続けていこうと思っています。たとえ良い結果が残せなかったとしても、わたしは一向に構いません。
「やりたい」からやっただけなんですから。