町工場から大企業、そして派遣社員も経験した現役派遣社員の壮絶体験

ホワイトな大手企業へ転職!その33 もうすぐ春が来るから!

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生産数を見ても全然数が挙がっていない。掃除も汚かった。元通りにするまで一時間くらいかかってしまった。そして稼働開始、相変わらず絶好調だ。先の章でも書いたが「調子の良いときほど機械を観察する」という教訓を実施していたので調子の良いときと同じ状態に戻すことができたのだ。そして夜勤の引継ぎ時間になり桑田先輩が出社してきて一部始終を話しているところへ甘利が来た。「どうだ?」「ボロボロでしたよ、スプリングははまってないしコンベアのベルトは切れてるし」「そうか」って、コイツ!!おまえが全部やったんだろうが!!桑田先輩が耳元で「あいつさ、俺たちの班ではほとんど相手にされなくなってるよ」って、周りの人たちもわかってきたのだろう。

しかし、甘利のバックには杉本MGが付いていたので周りから相手にされなくてもイザとなったら杉本に頼れば良かったのだ。そして話す相手も杉本しか居なくなってきたんです。類は友を呼ぶ!って言うけど、ほんとにその通りになってしまったんだよね。しかし相変わらず杉本MGは俺によく八つ当たりしていましたけどね。そんなときに小山先輩が「大丈夫だよ、もうすぐ春が来るから」って意味不明なことを言ったのだ。

この意味不明な発言から確か1カ月後くらいだったと思うんだけど、杉本の移動が発表されたのだ。移動先は4階のフロア。朝礼で課長が「弱い部署へ強い人材を送るということで、杉本MGに行ってもらうことにしました」って。こういうことだったのか。こんなこと言われれば杉本だって悪い気はしないだろう。だが、この課長の発言は建前で本心はどうしようもねえから出してしまおう!ってことである。後に職長の古川さんから「あいつの移動の話は前からあったんだよ。でも、今回ばかりはどうしようもねえから課長がローテーションから外しちまったんだよ」ってことを聞いたのだった。

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