町工場から大企業、そして派遣社員も経験した現役派遣社員の壮絶体験

本配属編!その19 管理職はとにかくメンツと立場が大事!

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連中から理由を聞かれたときに会社に入ると急に体が重くなって調子がわるくなることも話したのだが、それを逆手にとって引き留め工作に利用されたのだ。それでも「いや、辞めます」と私は言い返した。すると今度は係長が妙なことを提案してきた。「下請けの会社でさ、CAD設計の仕事なんだけど俺の同僚が社長やってるんだよ、おまえ、そこに行ってみるか?」って、就職の世話をしてきたのだった。一瞬「ほう」って感じになったがとにかくここから去りたい。関わりたくない。っていう気持ちが一番だったのでこの件も断った。しかし、この頃はほんとに仕事が腐るほどあった。

何故こんなにも引き留めるのか?というと、これも予算が絡んでくるからだ。一人が辞めてしまうと、その分の予算をどこかで使い切らなければならない。ではどこで使い切るのかというと、自分のときは社員の残業を増やしていた。自分が辞めることが決まった直後に、他の社員の勤務表が修正されていて、残業がかなり多く割り当てられていた。(だいたい一人50~60時間くらい)。

そしてもう一つは、私が居た係の係長が私と同じ高校だったからだ。これもいろいろと大人の事情があるけれど、ここの会社は私が出た高校の人たちがかなり多い。「就職編」でも書いたが人事課の人も私と同じ高校だった。現場、技術系、ほとんどの部署に私の高校の先輩たちが居たのだ。先ほど書いた人事の人が代表で「〇〇高校会」なんていうサークルがあったほど。会員は100名以上、私もその会に入って(入れられた)いたのだが、毎月2500円の会費を徴収され、その資金を元に旅行や飲み会などをやっていたのだ。もちろん私は一度も参加したことはない。なので辞めるときに幹事に会費を返して貰いに行ったのだが「返ってこないよ、今月はまだ払ってないでしょ!」ってその場しのぎの言い訳をされて金は返して貰えなかった。

話を戻すがこのような事情等もあり、私が辞めるということになれば同じ部署の係長の面子を潰すことにもなる。要するに、政治家と同じで私の事よりも自分たちの評判や立場を気にしてのことなのだ。そして、辞めることが決まっても係長は私と同期入社の同じ部署の中西君にこっそりと「田中はどこかに転職するのか?」ってしつこく聞いてきたって、中西君が私のところに言いにきたからね。

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