エンジニアでいかに稼ぐか?学校や会社では知ることができなった体験、経験を綴ります

派遣元会社によるエンジニア経歴詐称は犯罪になるの?分からないので専門家に聞いてみた

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SNSで経歴詐称だけでは犯罪にならない、というツッコミを受けて

前回の投稿「SESでのエンジニアの経歴詐称はいつまで続く?それとも」の続編になります。

ツッコミを受けて前回の記事にも追記したのですが、正直何が正しいのか分からない。あきらかに専門外の分野。そこで専門家に聞いてみました。

質問に答えてくれたのは本八幡朝陽法律事務所の杉村達也弁護士。コンピュータ将棋ソフト水匠の開発者と言ったほうがわかりやすい人もいるかもしれません。

本八幡朝陽法律事務所のHP

たややん@水匠(COM将棋)(@tayayan_ts)

杉村弁護士の回答

手塚:人材会社、客先、エンジニアの三者がいて、人材会社が客先に対してエンジニアの経歴詐称(エンジニアには無許可で、人材会社が勝手に詐称)してSES契約した場合、法的にはどうなんでしょうか?

杉村弁護士:当該詐称がなければ客先はSES契約をしていなかったと判断されるような経歴詐称があった場合、人材会社の代表者等が詐欺罪に問われる可能性がありますし、その詐称が原因で客先に損害が生じた場合、人材会社が民事責任を負うことにもなると考えられます。もちろん詐称の程度が軽微であれば、立件されない(≠罪ではない)可能性もありますが、どのような場合であれば軽微な詐称であると判断されるのかは画一的には決められないと考えられます。また、勝手に経歴を詐称されたエンジニア側も、人材会社に対して、労働環境の改善を要求することができるとも考えられます。

軽微であれば立件されない可能性がある、ということ

エンジニアの経歴詐称による損失は、一つ一つの事案は軽微です。仮に経歴詐称して1人あたり10万円分搾取されていたとして、10人いても100万円。単月であればそれで訴訟などの問題は発生しにくい気がしました。また仕事として問題なければ、その事実にも気が付かないというのがどうしてもあります。

そうすると経歴詐称したほうが得と思ってしまう、経営者や営業担当者が多くなってしまう状況なのでしょう。この状況を変えていくのは、さらに大きな事件がないとちょっと難しいのかも知れません。法改正というのもあるかもしれませんが、法改正は真面目にやっている人にも影響がでそうなんですよね。

エンジニアの経歴詐称は会社側でなく、エンジニア側によるものと言い逃れ

人材会社とエンジニアが客先に面接した場合に、経歴に間違いがあると指摘しなかったら共犯にもされそうだし、人材会社が「こちらは知らない、エンジニアがやったもの」と言い訳しそうです。その場合、エンジニア側に問題があることになってしまいそうです。

エンジニアには落ち度がなくても、罪のなすりつけ、濡れ衣を着せられる可能性があるという点が怖いのです。

経歴詐称によるエンジニアの精神的な負担が大きい部分も

未経験から二カ月で年収600万フリーランスのエンジニア ....経歴偽称よりタチが悪いぞ!(Horusさん)

早速反応してくれたHorusさんは「経歴を盛られるなら、こちらも実力と努力を盛り返せばいいのです。」とおっしゃっています。私自身もこちらの意見というか、負けん気の強い性格なので無駄に頑張ってしまいます。しかしこれは決して多数派の意見ではありません。

・経歴を盛られて、必要以上にプレッシャーになった

・経歴からかなり高スキル求められたが、実力が追いつかずに迷惑をかけた

・経歴を盛られて期待値が上がりすぎたため、現場に入ってからガッカリされた

金銭搾取も問題ですが、エンジニア自身が深く傷ついてしまうことが大きな問題です。

杉村弁護士の回答に「労働環境の改善を要求することができる」とあること

こちらの回答は嬉しい情報でした。

エンジニアが単にこういうのは変だと会社に要求したところで、会社は取り合ってくれない気がして、改善要求できなかった。でも弁護士という法律の専門家による回答をもとに、今後はこういった改善要求をエンジニア側がどんどん出来るような雰囲気に変わっていってほしいです。それだけでも今回の専門家に相談した価値がありました。

まとめ

人材会社がエンジニア経歴詐称しても、事案としては軽微なため立件には至りにくい。エンジニア側の対策としては

1:もしエンジニアの経歴詐称があったら、会社に対して改善要求をする

2:改善要求しても改善されないのであれば、経歴詐称する会社に所属しないようにする、関わらないようにする、できるだけ早く逃げる

3:転職などする際に会社がエンジニアの経歴詐称をするのか見抜けるための質問を考える(例:企業との契約方針など確認、など)

4:経歴詐称にて困った場合、被害にあった場合は自力で解決しようとせず、まずは弁護士に相談

私もそうなんですが、エンジニアってできれば自力で解決しようとするクセ、持っていませんか?今回、杉村弁護士に力を借りて分かったのですが、やっぱり専門外の分野は専門の方に相談したほうが、圧倒的に楽に、そして安心して解決できます。

弁護士に相談というのはハードルが高いイメージが正直ありました。しかし、今回このような内容でもしっかり相談に乗ってくれるので、困ったときには勇気を持って専門家に相談してみるのはどうでしょうか?

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Comment(2)

コメント

てんるう

>人材会社とエンジニアが客先に面接した場合

派遣される技術者と派遣先との面接はNGになるから技術者が共犯にされる事はないんじゃないかと思います。(面接NGだからスキルシートや経歴書の詐称が発覚しにくいのかもしれませんが)

と、ここまで書いて「面接もNGだけど、派遣先が職務経歴書とかで人を選定するのも違法なんじゃなかったっけ?」と気付きました。

・・・・・・ひょっとしたら、IT業界で経歴詐称が続くのは、派遣法違反や請負法違反が蔓延しているからなのかもしれません。

匿名

グレーだから都合いい事の方が多いのでスルーされるのが大抵です。技術が経歴に見合っていないから詐称とはなりませんし、技術者の個人情報を経歴書に記載は出来ない為、立証方法もありません。履歴について何処での事なのかについて聞かれても回答できないと答えるのが正しい回答です。(例えば競合企業で働いていれば元の職場の技術が盗まれることに繋がります、大抵の場合エンジニア本人が誓約書に署名捺印しているはず)そもそもスキルとは何でしょう、対象の技術を必要とする職場に席を置いている時間でしょうか。個人的にはもっとも重要なスキルは事象の論理化であると考えます、つまりコラムニストさん達が日々出てくる事象に対して分析し文字にしているような事をシステム化するプロセスに置いて実施する事です。論理化されたものに対する実現方法について知識があるかを重要視されがちですが、過去の実現方法がどれだけ通用するか日々更新され続ける技術に追いついているか経歴でそれを測る事が出来るか、精査する人にその知識は無いのが現状です。経歴詐称は今後も続く、問題は経歴を技術者の判断材料にしても意味が無い事だと考えます

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