未経験から二カ月で年収600万フリーランスのエンジニア ....経歴偽称よりタチが悪いぞ!
手塚さんの書かれたコラム、「SESでのエンジニアの経歴詐称はいつまで続く?それとも」を読んで思ったのですが、まだまだ カワ(・∀・)イイ!! ものだと思います。実のところ、私も偽称で現場にねじ込まれたことは何度もあります。多少、経歴を盛られましたが、元々猛勉強してIT業界に来たので、ものの四、五年経歴を盛られようとも問題になりませんでした。経歴を盛られるなら、こちらも実力と努力を盛り返せばいいのです。
偽称は良くないですが、最近になって確信犯な詐欺っぽいITのスクールをよく見かけます。未経験の人が二カ月間勉強すれば、フリーランスとして年収600万稼げるとか、そういう触れ込みのスクールです。現役でITエンジニアをやっている立場からすると、相当な下積みでもないとあり得ない話です。私は偽称よりもこの手の詐欺まがいなスクールの方がタチが悪いと思っています。
確かに、たまにそういう奇跡的な成功をする人はいます。それを、さも誰でもできるかのように宣伝すべきではありません。話を聞くところによると、高いお金でスクールに通わせて、卒業したら経歴偽証でSESに突っ込まれて、家電量販店で働かされたなんて都市伝説も聞きます。かなり盛ってはいると思いますが、それを聞いても嘘とは思えないものがあります。とにかく、お金を稼ぐために手段を選ばない人が増えたように思います。
もちろん、真っ当なスクールも多くあります。実際、私の知り合いでもスクールに通ってキャリアアップを目指している人がいます。ちゃんとしたスクールで勉強すれば、それなりの成果は望めるようです。ただ、スクールの経営もしのぎの削りあいです。そんなしのぎの削り合いでドロップアウトしたスクールが、自分たちが食べていくための手段として、生徒を食いものにするようになったのかもしれません。
経歴偽称にしても、詐欺まがいなスクール経営にしても、過剰な競争社会が行き着いた一つの結果だと思っています。競争することで成長を促進できるとされていますが、負けた人のいくべき場所がありません。嘘をついたり、騙したりしなければ生きていけない状況に追い込まれてしまうのも事実です。それを思うと、経歴偽称にしても詐欺まがいなスクールにしても、意気揚々と叩く気にはなれません。今、世界で良しとされている競争社会の在り方が問われているように思います。