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駆け出しエンジニアの抜け出し方

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私が駆け出しエンジニアだった頃、どうやって駆け出しエンジニアを卒業したのか思い出してみました。そもそも私が駆け出しエンジニアをやっていたときは、駆け出し同士で繋がるほどの余裕なんてありませんでした。スキルに見合わない案件を雑に振られて、それをこなすだけで精一杯でした。エンジニアになりたいと思う人も、「稼げる」とか「フリーランスで独立」ではなく、何となく向いていると思ったからやっているという人が多かったです。

エンジニアをやっている理由はぼやっとしたものでしたが、「何となく向いていると思う」が強かったと思います。適正で選んだ仕事なので、ブレることが少なかったです。周りを見ても同様で、適正で判断してエンジニアをやっているので、仕事の本質とずれたことで悩む人がいませんでした。初めから稼げる仕事とは思ってやっていないし、稼ぎたければ残業という世界でした。現実と思いのギャップが少なかったので、その分、悩まずに済みました。

技術的に未熟な状態を駆け出しというなら、普通に働いていれば最初の半年くらいがそれにあたるでしょう。さすがに、半年働いていて技術にキャッチアップできないようなら、駆け出しエンジニアではなく出遅れエンジニアです。求められるレベルが高すぎたのであれば、燃え尽きエンジニアになります。私が駆け出しエンジニアだったときは、自分から「駆け出しエンジニア」なんて言ったら仕事が取れない時代でした。初心者でも案件に入るときは「経験三年」と偽って放り込まれていたからです。

自分から「駆け出しエンジニア」と名乗って仕事探しができるというのは、すごく平和なことだと思います。ただ、実際は「駆け出しエンジニア」を名乗って、それが浸透した時点で駆け出しエンジニアだったら仕事的にヤバいです。普通に仕事をやっていれば、現場の先輩に馴染んでいくことに必死です。なんとなくアイデンティティが欲しくて「駆け出しエンジニア」を名乗っていた人たちは、現場に入った途端にその肩書を全力でぶん投げます。それが現実です。

SNSを見ていると、駆け出しエンジニアがあぶくのように湧いてきてきて、あぶくのように消えていくのはこのためです。駆け出しエンジニアを名乗っている人が人として未熟という訳でなく、まっとうに仕事に取り組んでいるからそうなるのです。それなりにみんな努力して、「駆け出しエンジニア」から、自力で抜け出しています。もちろんん、インフルエンサーの言葉を真に受けて、妄想でIT業界に入ってくる人も一定数います。ただ、そういう人は目立つだけです。駆け出しエンジニアから抜け出せないのは、一部の残念な人たちです。

Comment(3)

コメント

おたみ

私の周りには、「駆け出してもいないエンジニア」がいっぱいいます。。。orz

すぎエモン

駆け出しエンジニアから抜け出せない方々は
何かしら方向性を間違えている事が多いです。
「下流ではなく上流がやりたい」
「改修ではなく開発がやりたい」
「監視ではなく構築がやりたい」
「運用ではなく設計がやりたい」
こんなんばっかりで、下積みや基礎をおろそかに
していることが多いような気がするのです。
早く花形(と思う)領域に行って
活躍したい!稼ぎたい!自慢したい!
気持ちはわかりますが、まず駆け出しアピールの前に
準備運動をしっかりと頑張ってもらいたいです。

山無駄

同意です。

医者や弁護士にみたいに国家資格が必要な仕事とは違い、ITエンジニアは技術
の基準が曖昧なので、仕事を出す側は「駆け出しエンジニア」を名乗るフリー
ランスに、どういう判断で依頼しているのか不思議に思っていました。
せめて「駆け出しのフリーランスエンジニア」だと、フリーランスとしては駆
け出しだけど、エンジニアとしてはプロフェッショナル、かもしれないという
期待が持てるのですが。

IT以外のエンジニアリング企業は、専門の学校卒を採用して数年間は義務教育
として教育や研修をみっちりやります。比べてIT企業は未経験者歓迎、学科不
問で採用し、数か月の研修で現場に投入。キャリア数十年の技術者をいれても
漫然とした数十年では何の役にも立ちません。

業界として少し考えた方が良いと思っています。

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