生き様158. ベテランプログラマがサボり以外でぼーっとしてる時
前月の続き?
今回は、『生き様153. 汚くてもいいからまず書く!』でお話したことの補完記事になります。
上記の記事の中で
「ベテランプログラマがぼーっとしている時は、実は何も考えていない」
という話をしました。
とはいえ、「何も考えてないい=サボっている」わけではありません。
今回は、ベテランプログラマが仕事中にぼーっとしている意味、その効果をお話します。
コードの「コ」の字も出てこない、毎月恒例の技術のお話シリーズです。
ぼーっとする大切な理由
ぼーっとするということは、頭の中を空にしている、ということです。
何も考えず、今までの考えていた事も一旦頭の外に追い出しています。
「リセットしている」とも言い換えることができるでしょう。
そして、僕の知る限りではありますが、ベテランプログラマはこの時間を大切にしています。
僕が仕事中にぽーっとする時は、主に2つのパターンがあります。
- 行き詰まったので頭の中をリセットしたい
- 視点を変える為にリセットしたい
それぞれのパターンの活用方法については、順番に説明していきます。
行き詰まった時のリセット
システムを開発していて、行き詰まるタイミングは沢山あります。
例えば、要件から仕様へ落とし込む時。
例えば、仕様から実コードを起こす時。
例えば、クラス間の連携について検討する時。
例えば、1度書いたコードを改善する時。
思考が整理できない時には、紙に書く、壁打ちを依頼する等の打開策があります。
その中の1つが「頭の中をリセットしてクリアにする」ことです。
行き詰まった時は、固定観念や見落としにより手詰まりの状態になっているはずです。
固定観念を払拭し、見落としに気付くことはとても困難です。
そういう時に、一回行き詰まった思考を排除する為の工夫が、ぼーっとすることです。
これは、気分転換の一種なのです。
効果的な気分転換の方法は、沢山あります。
人によっては、喫煙だったり、喫茶だったり、運動だったりするでしょう。
しかし、喫煙室は無くなる方向ですし、休憩室の整備もまだ十分ではありません。
運動のために自由に外出することは難しい状態でしょう。
つまり、現代において仕事中に自席でできる気分転換は多くありません。
「視点を変える」が必要な場面
頭の中をクリアにする、という意味では、リセットも視点を変えることも変わりません。
ただし、能動的にクリアしにいく、という点が大きく異なります。
この動きをする大きな場面が、テストのときです。
テストを行う際に、別の人に依頼できる程大きな現場であれば必要ないのですが…。
多くの現場では、簡単な結合テストまでは開発担当者が行います。
最低でも、単体テストまでは行うことになるでしょう。
テスト結果を確認する際に、「開発者目線」が邪魔になることは多々あります。
「○○というコーディングをしたのだから、正しく動いている」という様な。
これは、正常バイアスに関わるものですので、あって当然のものです。
ですが、これを上手くくぐり抜ける方法は、幾つかあるのです。
その方法のひとつが、「時間を空ける」ことです。
土日を挟んだ週明けに、金曜日に書いたコードが別人の書いたコードの様に見えた。
こんな経験は、多くのプログラマがしているでしょう。
この現象を利用して、テストを行う際に「開発者目線」を取り除く事ができます。
とはいえ、いつもスケジュールに余裕があるわけではありません。
テストを週明けに回せる機会というのは、さほど多くないはずです。
それが、緊急性のあるバグ修正であるのならば、尚更のことです。
緊急性のある時程「開発者目線」は邪魔をしてきます。
こういう時には、意図的に視点を変えていく必要があります。
ぼーっとすることで、頭の中をリセットして「開発者目線」を追い出すのです。
他にも、作業の切り替え時に前の作業を引きづらない様にぼーっとすることがあります。
休憩が仕事を【効率化】する
仕事中とはいえ、100%集中したままで就業時間中タスクと向き合うことは不可能です。
人間はそれが可能な様にはできていません。
高度経済成長期頃から、人間にも機械と同じ基準の【効率化】が求められています。
前回も紹介した、最新の「職場の労働衛生基準」にも、休憩・休憩室の項目があります。
適度な休憩を取ることで、人間が行う作業は【効率化】されるのです。
機械と同じ指標での【効率化】ではない、という点が重要です。
ベテランがぼーっとして、プログラムのことを考えていない時間は確かにあります。
しかしそれは、サボりとは遠く、仕事を効率的に、効果的に行うための工夫なのです。
たまに、生理現象等での眠気などから、ぼーっとしてしまっている時がありますが……。
人間なので許して頂きたいですね。
もしくは、そいう時の場所として、休憩スペースの設置・活用が進んで欲しいものです。
以上!
おまけ
今回、本中に1箇所、意図的な誤字を仕込んでいます。
仕事中の気分転換に、是非チャレンジしてみて下さい!
「単純産業を行う」も、有効な気分転換のひとつですから。
コメント
気分転換チャレンジャー
気分転換にチャレンジしてじっくり確認してみました!
本文中に誤字×3,脱字×1,おまけの中に誤字×1,脱字×1だと思ったので正解は「1箇所」の数字部分でしょうか^^;
エンジニアカウンセラー白栁隆司
To:気分転換チャレンジャー さん
コメントありがとうございます。
まさか本当にチャレンジする人がいるとはっ!
そして、そんなに沢山誤字脱字があったとは……。