元底辺エンジニアが語る、エンジニアとしての生き様、そしてこれからの生き方

生き様145. ファシリテーション vs 権威

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GW継続中です

先週に引き続きGWネタです。
まさか、冒頭の書き出しがHorusさんのコラムと丸被りしていたとは…。
「仕事がないから読んでいない」の中には、僕も入っていたのでした。

そのGWですが、ちょっと長めの10連休を過ごした方もいらっしゃると思います。
「有給取得推奨日」などとい制度があり、この期間に当てられている事もあるとか。
逆に休暇が取れず出勤したけれど、リズムが崩れた、という方もいらっしゃるのでは?
皆さんはどの様なGWを過ごしたのでしょうか?是非コメント欄で教えてください。

白栁は、仕事の切り替えの都合で今週末までお休みです。
「休み」といいつつ、細かい仕事は入っていますので、一般的な休みとは言えません。
しかしながら、家でゆっくりと過ごす時間を多く取れる、という意味では休みでしょう。
白栁の中では、4時間以下の労働はほぼ休みカウントです。

ですが、その休みも、後半は通風の発作で消し飛びました。
ただ寝ているだけでもキツイ痛みが連続して襲ってくる状況です。
こんな体調では、何をする事もできません。
痛み止め飲んで、痛みが過ぎるのをただ待つ日々を送っています。

これが、忙しい時期に来なくて良かった。
その点だけは運が良かったと感じています。


「権威」を振りかざす人々

4月に新人を向かえた職場の方々も多いことでしょう。
もしかすると、新人研修中で、実際に迎えるのはもう少し先、という方も。

その様に、新しいメンバーを向かえた最初の会議だけ、声が大きい人、居ませんか?
曰く「新人に舐められるな」
曰く「最初に立場を判らせる」
曰く「新人は黙って俺の言うことを聞け」

前時代的なハラスメント案件過ぎて、顔を覆いたくなります。
もしくは、体育会系気質と言えば、少しは良いものに見えるでしょうか?

今どき、サル山のボスですらそんなことをしません。
犬の躾ですら「時間を掛けて信頼関係を」の時代です。
それでも無くならない、新人に向けて権威を振りかざす人々。

今回は、その様な場面において「どの様にファシリテーションするべきなのか」
という、思考実験的な部分を多く含むテーマを取り上げます。


【威圧】はほぼ暴力である、という考え方

まず、最初に白栁の捉え方のお話をします。

【権威】を振りかざす=【威圧】≒【暴力】です。

つまり、立派なハラスメント案件です。
それで相手が恐怖を感じ、強いストレスからうつ症状を発し、職場内での問題行動や、休職のきっかけとなれば、それはもう言い逃れようのない【労働災害】です。
決して「ハラスメント」なんて生易しいものではありません。
工事現場で上から鉄骨を落として人を下敷きにするレベルの事故です。
ただし、日本の刑法では該当する法律がありません。
しかしながら、懲戒処分使用者責任を問われるでしょう。 刑事事件として立件できないだけで、民事では大きく責任を問われます。

ここまでを読んで「大げさだ」というのはその通りです。
しかし、危険予知としては当たり前にされるべき内容です。


【権威】を振りかざす心理

【権威】を振りかざす人は、何故それを行うのでしょうか?
シンプルに言えば、「その方法しか知らない」からです。

新しい人が入る→自分が蔑ろにされないか不安になる→自分の持っている権益を守りたい

おおよそが、この様な心理で推移します。
その結果の行動として、その「権益」を守る為に、自分が優れている事を【権威】を振りかざすことで相手に知らしめるわけです。

ここで言う「権益」とは、個人が思っているものです。
その為、周りに認められているものとは異なっている可能性が高いです。
そういう要素も【権威】を振りかざす行動に繋がるのでしょう。

その姿はまるで縄張りを死守しようとする野生動物。
縄張りを犯そうとする外的に対しての行動といえば……。
【威圧】となるのは当然とも言えるでしょう。


「スルー推奨」とは言うが…

忘れてはいけないのは、我々が「人間」だということです。
言葉を介して高度なコミュニケーションが可能であり、理性での対応ができます。
本能を基準に行動する野生生物とは異なります。

実際の会議の場で「権威を振りかざされた」時、どうするべきでしょうか?
額面的な対応で言えば「スルー推奨」です。
つまり、まともに相手しない、ということです。
付き合えば付け上がるだけですし、こちらもエネルギー消費しますから。
受け流して、一人相撲取ってもらって、勝手に消耗してもらうのを待つ作戦です。

ですが、振りかざされた新人がスルーできるか?というと別問題です。
また、ファシリテーターの立場では、無視をするは問題がある行動でしょう。
つまり、ファシリテーターとしての理想の行動は「新人を上手くサポートしつつ、振りかざされた権威にまともに取り合わない」となります。
機先を制して「権威を振りかざすタイミングを与えない」も候補に挙がります。

といえども、機先を制するのはかなり難しいでしょう。
もう少し難易度が易しめの対応方法を考えてみましょう。

まず、権威を振りかざす為の発言は、本筋から逸れる場合が多くなることに注目します。
つまり、不規則発言であったり、脱線となっているのです。
そいういうケースでは、「話の軌道を修正する」方法で対応ができます。

他の方法では、「相手の話を一旦受け入れ、場を流す」ことです。
受けいられれば満足します。それ以上の話の進行を防ぐことができます。
つまり、新人により絡むことも防げるのです。
誤解が生じて、変にその人の地位が高まることを恐れる必要はありません。
その場で誤解が生じたとしても、おいおい訂正できることですから。
唯一、その後の発言で萎縮することが無い陽にすることだけ、気を遣いましょう。

悪い対応方法についても考えてみます。
ここでは、興味がない素振りをすることと、力で押し返すことの2例を挙げます。

前者は、話を逸らす場合にやりがちで、注意が必要です。
「興味がないから区切る」のではなく「今のテーマではないから区切る」体にします。
興味を持たれていないと相手が感じると、より食いついてくるでしょう。

後者については言うまでもわざわざ言うまでもないかもしれません。
力で押し返しす、もしくは切り替える方法は、ファシリテーションとしては下策です。
もちろん、そういう方法が必要な場面もあります。
ですが、最初から取るべき方法ではありません。

会話の進行を整理し、活発な発言を促す。
これがファシリテーションをする目的なのですから。


対処法に絶対の【正解】はない

ここまで考えてきた内容を、そのまま現場に適用したら失敗します。
一見上手くいった様に見えて、その場しのぎにしかなりません。
それが冒頭で「思考実験的な部分を多く含む」とした理由です。

職場の雰囲気や、周囲のメンバーや自分の相手との関係性。
自分自身がファシリテーターなのか。
それとも会議に参加しているメンバーの一人なのか。
「権威」を振りかざす人がファシリテーターの場合は?etc…

考慮しなければいけない環境要因は、ほぼ無限にあります。
また、同じ様な状況であっても、個人の心理状態が変われば、対象法は変わります。
つまり、個々の状況を正しく認識し、効果的な対処をしていく、ということです。

そして「会議の場」だけ抑えることができれば良いのでしょうか?
答えは『No』のはずです。

「威圧」する人に、本当の意味で対応する為には、これまでの内容では不足しています。


解決の鍵は「コミュニケーション」

つまり、ここまで考えてきたことは無駄なのでしょうか?
いいえ、その様なことはありません。

唯一、どの様なケースにも当てはまる対処方法があります。
それは「コミュニケーションを取る」ということです。

コミュニケーションを取ることで得られる効果は2つあります。

 (1) 現在の状況の把握ができる
 (2) 不安や不満の早期発見ができる

(1)は状況の解決策として、(2)は予防効果としての効果が高いでしょう。
結局は、長い時間を共有して「信頼関係を築く」しかないのです。

昨今、仕事のリモート化や感染予防で雑談の機会が減少したり、
プライベートを重視する為に、会社内での交流を疎ましく感じるという風潮があります。
タバコミュニケーション飲みュニケーションを全肯定する訳ではありません。
ただ、それらが単純に悪い習慣ではなかったのだと言うことを忘れないで欲しいのです。
例えば、オフィスの中では接する事ができない、違う一面を使ったコミュニケーション
そういう交流の機会となる場であった、と白栁は考えているのです。

※もちろん、節度は重要です!

以上!


Comment(2)

コメント

すぎエモン

鼻息が荒く、威圧する生命体を
華麗にかわすというファシリテーション
これはもう闘牛士のような世界観ですね。
荒くれる闘牛なら、観客も狂喜乱舞ですが、
荒ぶる権威者なら、誰も幸せにできない分
始末が悪いです。

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