元底辺エンジニアが語る、エンジニアとしての生き様、そしてこれからの生き方

生き様051. 心が折れて無理をした時の話をしよう

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オススメされた本について

最近、ある知り合いから一冊の本をお勧めされました。
そう、今話題沸騰!単行本が入手困難な『アクタージュ -act age-』!※1
美少年漫画家と有名(らしい)櫻日和鮎実先生の実体験漫画『パニくる!? パニック障害、「焦らない!」が効くクスリ。』です。

僕にも、パニック障害までは行きませんが
「不安で心がポッキリと折れて、何もできなくなった」
という経験があります。
一言で言ってしまえば「うつ病」です。

この辺りのことは、軽くですが『生き様011』の中でお話しています。
今回は、そこを掘り下げて、大きく3つのことを話そうと思います。

1つ目は、「いくつかの勝手な判断が後々に返ってきた話」
2つ目は、「無理をして余計に悪化させた話」
3つ目は、「考え方を変えて楽になれた話」です。

とりあえず、時系列順にお話していきます。


最初に心が折れた時

最初に心が折れた時がいつだったのかは、正確には覚えていません。
2005年ぐらいの頃だったかな、と思います。
このコラムでお話するのは、初めての内容です。

よくある人間関係のトラブルで、酷くショックを受けて、何もする気が起きなくなってしまいました。
分かりやすく「うつ病」と言える状態でした。

その時は、比較的軽い段階で心療内科に掛かることを選ぶことができました。
「症状の改善が早い」とはカウンセラーさんの言葉です。
掛かっていた病院との相性も良かったのでしょう。
カウンセリングを中心とした病院に2件目で出会えたのが、幸運でした。

その後、少し前向きな思考ができるようになったぐらいで、通院を止めてしまいました。
コレは完全に自己判断、つまり「第一の勝手な判断」です。

この判断の理由は、主にお金時間です。
診療費と病院までの交通費、そして通院に掛かる時間(半日)が嫌になった、と。
特にカウンセリングは自費診療なので、それなりにお金が掛かります。
それを継続できる収入が、当時は無かったんですよね。
もちろん、今だったら余裕かって言うと、そうでもないんですが。


再び心が折れた時

一度心が折れてから、なんとなーく心のエネルギーを取り戻して数年後。
今度は職場の人間関係のストレスでポッキリ折れました。
これ以降が『生き様011』でお話した内容になります。

ある日、仕事に行きたくなくなってしまいました。
やる仕事はあるし、仕事も嫌ではない。
でも、どうしても気持ちが職場に向かない。逃げ出したくなる。

こういう気持ちは、その時が初めてでした。
前回心が折れたといっても「心にエネルギーがない」「後ろ向きな考えが多くなる」程度でしたから。
何もする気は起きないけど、しなければいけないことはできる。
つまり、仕事には行ける状態だったんです。

それが、全く駄目。
仕事にだけは行けない。当時は知らなかった言葉ですが「新型うつ病」そのものです。

ですが、一度うつ病を乗り越えている、という自信があったからでしょう。
「大丈夫、今度も乗り越えられる!」と誤った判断をしてしまいます。

これが「第二の勝手な判断」になります。
実際はこの後にも幾つか小さな勝手な判断が重なっているのですが、そこは省きます。


まだ動けると無理をした

仕事に行けなくなったその日は、体調不良を理由に休みました。
その日は丁度木曜日。「その日と翌日を休めば、月曜日までゆっくりできる」
「週末までゆっくり休めば回復できる。2日様子を見て駄目なら病院に行ってみよう」
これがその時の自己判断でした。

が、そうも行かない事情を思い出します。
翌日金曜日は、現場でお世話になっていた人の最終勤務日だったのです。

「仕事で色々と世話になったのだから、最終勤務日はしっかり見送りたい」
翌日、色々と奮い立たせて仕事へ行きました。
その日はなんとか仕事へ行くことができましたし、普通に仕事もできました。
笑顔で見送りもできた、と自信があります。

ですから、僕は「今回はもう大丈夫だ」と考えていまいました。
土日は家でゆっくり過ごし、月曜日からは普通に働けるだろうと。
駄目でもちょっと頑張れば、問題なく仕事には行けるんだ、と。

大きな間違いでした。
無理の反動は大きくでました。

月曜日、全く仕事に行く気が起きません。
仕事に行くのが嫌だと、心が全力で拒否している状態でした。


「もとに戻りたい!」と藻掻いた

会社に報告し、それから暫く仕事を休みました。
再び通院したことにより、大分症状は軽くなりました。

最初に心が折れてから、治療中にずっとカウンセラーさんに言っていた言葉があります。
「昔の自分の様に、エネルギッシュで失敗を恐れず向かっていけるように戻りたい」

この後も、勝手な判断で通院したり、通院を止めたりを繰り返しているわけですが、
「昔の自分を取り戻せた」と思ったことは一度もありません。

むしろ、回復している、元気になったはずなのに、以前と同じ様に振る舞えない自分自信に、苛立っていました。
そしてそれは「自分の心が弱いからだ」という間違った考え方へ向かいます。

「自分に自身が持てないから、心が弱くなる」
「自分が自信を持てる『何か』を得られたら、きっと昔の自分を取り戻せる」

ですが、現実は非情です。
そうやって藻掻けば藻掻く程、物事は上手くいきません。
そしてそれを「こんなのは自分じゃない!」と突っぱねるのです。

心と身体が一致していない、そんな状態で『何か』が得られるはずがなく。
結局は仕事を辞めることにまでなりました。


新しい自分と付き合う

そこから数年間は、なんとなくギリギリのバランスを保ちながら、いつ落ちるか分からない。
綱渡りの様な状況でした。

ここでは書ききれないぐらい、色々とありました。
大きな怪我をしたり、病気をしたり。
死にそうなこと、「一歩間違えてれば生命は無かった」的なことまで経験しました。
しかも複数回!

その結果というわけではありませんが、ある日ふと「もとに戻ることはできない」と気付きました。
もう、自分の身体の状態は、心の状態は、昔とは違ってい待っているのだと。
その変わってしまった状態を受け入れて「できることをできるようにやる」のだと。

そう考えるようになってからは、大分楽になりました。
できなくてもいい、できない自分と付き合おう、そう考えて行動するようにしたのです。

決して、症状が改善したわけではありません。
今でも、朝起きて「ああ、今日は仕事行けないな」って漠然と浮かぶ日があります。
そういう時は、休みます。

新しい自分との付き合い方が見えてきたから、自分だけのさじ加減が分かってきた。
そんな感じがあります。

世間の評価とか、誰かの言うことなんて関係なく。
自分自身のことですから、自分の都合を大切に動いていいんだ、そう考えています。

その為に【多様性】という便利な免罪符を活用しています。


今回のまとめ

僕がメンタル不調に陥ったことから得た教訓をまとめてみました。
僕が怪我が多く、思うように身体が動かせない部分が幾つかあるのですが、
この経験は、それらに対しても有効だったと感じています。

  1. 医者に頼らない勝手な判断はしない

    • 薬は用法用量を守ってしっかりと最後まで飲む
    • 医者が「おわり」というまで通院を止めない
    • お金が続かないなら、公的な補助を受けることができる
    • 「この前は大丈夫だった」は通用しない

  2. 心の調子が悪いときは、無理をしない。それは倍返しでくる
  3. 「もとに戻る」ことはできない。「新しい自分と付き合う」と考えよう
  4. 「世間の都合」より「自分の都合」を大切に

以上!




※1:11巻以外持ってる




ITエンジニアの視点で、時事ニュースを5分間で紹介する動画を平日毎日公開してます。
「日々の生活の中にエンジニアリングがある」からこそ、
身近な時事ニュースから学ぶことが重要です。

#ほぼ日ITエンジニアニュース

当面の目標だった「1つの動画で10回以上の再生回数」を達成できました!
そして、力もいい感じに抜けてきて「無理な時は動画を作らない」を守っています。
今日は、このコラムの執筆に思ったよりエネルギーを取られたので、動画の公開はありません。
それぐらい適当な活動ですが、コラムと一緒によろしくお願いします!


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