「エンジニアの生産性向上」を阻む2つの要因
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ここでは、編集部がおすすめするコラムを紹介しよう。今回は、生産性向上に見る「エンジニアの矜持」についての考察を紹介する。
- 第21話 生産性向上に見る「エンジニアの矜持」(前編)
- ラムネ氏のこと
- あなたは何屋さんですか?
「エンジニアの生産性向上」を阻む2つの要因
エンジニア歴20年のにゃん太郎氏による『ソフトウェア開発に幸せな未来はあるのか』。今回はエンジニアの生産性向上にまつわる困難さについて。
筆者によれば、エンジニアが生産性向上に取り組むのは正しいことである。だが、実際には、そう単純な話ではない。「開発環境の変化」および「経営者の悩みと思惑」がからむ。
ソフトウェア開発は、一部の人間だけしかできない特殊な仕事ではなくなった。安価なコンピュータやインターネットといった環境が整備されてきたからだ。その結果、開発ツールがどんどん進化し、「開発」全体の生産性は向上した。だが、逆にいえば「スキルアップしなくても生産性を向上させられる」ようになってしまった。何でも自作できるスキルレベルの高いエンジニアより、スキルレベルは低いが開発ツールを使いこなせるエンジニアの方が生産性が高くなってしまうのだ。これでは、エンジニアが矜持を保つのは難しいだろう、と筆者は悩む。
さらに「経営者の悩みと思惑」が絡む。経営者にとって、エンジニア任せの「生産性向上」はリスクとなり得るのだ。退職してしまうかもしれない、病気や怪我で働けなくなるかもしれない……。その結果、経営者は個々人のスキルに依存しない生産性向上を考える。1人欠けても大丈夫なように、リスクヘッジを行う。これが進むと、エンジニアは「使い捨て」の存在になってしまう。
ラムネの瓶でいいから新しいものを生み出したい
ジーワンシステム 代表取締役の生島勘富による『ベンチャー社長で技術者で』。コラム執筆1周年記念として、タグライン「ラムネの瓶でいいから新しいものを生み出したい」について解説する。
「ラムネの瓶~」の元ネタは、坂口安吾の「ラムネ氏のこと」というエッセイだ。ラムネの瓶は、炭酸ガスの圧力でガラス球が口部に密着し、密閉されるという構造になっている。エッセイの中で、小林秀雄は「あれ一つ発明したゞけで往生を遂げてしまつたとすれば、をかしな奴だ」と語る。だが、坂口は「結果の大小は問題でない。フグに徹しラムネに徹する者のみが、とにかく、物のありかたを変へてきた。それだけでよからう」と主張する。
「物のありかたを変へ」るような「男子一生の業とするに足りる」ものとは何なのか。若き日の生島氏はそればかりを考えていたという。IT業界は、ラムネに徹した「ラムネ氏」のようになれるチャンスがまだたくさんある、と生島氏は説く。
いろいろな立場を経験した「キマイラエンジニア」が登場
自らを「中途半端なキマイラエンジニア」と称するdemitasu氏による『エンジニアの狭間』がスタート。
「あなたは何屋さんですか?」という問いに対し、あなたはどう答えるだろうか。筆者は「媒介、つなげ屋さん」と答えるという。これまでさまざまな立場で開発に携わってきたため、それぞれの立場の人間が「思っていること」を察知するのが得意だという筆者ならではの回答だ。
このコラムでは、これまでの経験を生かして、「SIer」「ユーザー」「経営者」「管理職」「現場」それぞれの立場において、「その人が置かれている状況」「立場から相手に期待していること」「結果」について考察していくという。
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