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第193回 副業について考える

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 こんにちは、キャリア・コンサルタント高橋です。

 以前、あるサラリーマンの方とお話しをさせていただきました。その方はサラリーマンありながらマンションを4棟所有されており、サラリーマンの給料の他にマンションの家賃収入を得ておられるそうです。何ともうらやましい限りですが、その方のお話を聞いて私も思うところがありました。そこで今回は副業について考えてみたいと思います。

■サラリーマンにして資産1億以上!

 その方は普段はサラリーマンとしてお仕事をされています。その傍らで自らの貯金をはたいて中古のマンションを1棟ローンで買われました。そして、そのマンションを賃貸マンションとして貸し出し、家賃収入からローンを返済し、必要経費を差し引いた残りを副収入とされたそうです。その後はこの中古マンションから得た副収入で繰り上げ返済をし、ローンを完済されたのだそうです。

 ローンがなくなった後、この方はなんと2棟目の中古マンションを購入されたそうです。もちろん、これもローンを組まれています。そして、このマンションも1棟目と同様に賃貸マンションとして貸し出すのですが、この中古マンションもローンの繰り上げ返済で完済されたのだそうです。

 さらに、3棟目も同じ方法でマンションを購入し、現在は4棟のマンションを保有されています。その資産はざっと1億以上だそうです。このレベルになると家賃収入だけで100万近くにはなるそうです。

 こうなってくると単純に家賃収入だけで年収1,000万円は超える計算になります。これだけあれば家賃収入だけで生計を立てていくことができると思うのですが、この方はサラリーマンはサラリーマンとしてずっと続けていくのだそうです。

■副業がもつ2つの意味

 この方のようにサラリーマンでありながら副業をされている方は結構おられます。副業をされる一番の理由はお金ですが、そのお金を手に入れる理由は大きく2つに分けられるのではないかと思います。1つは、

  • 生活の足しにしたい
  • 老後の蓄えをしたい

このような考えで副業をされる方です。サラリーマンの収入だけでは家計を支えていくことが難しいことがあります。また、ボーナスや退職金などが支払われない会社は世の中にまだまだたくさんあります。このような会社で働いている人は当然老後のことを考えなければなりません。これらのことから、副業によって家計収入を増やそうという考え方は世の中に根強くあるように思います。

 そして、もう1つは、

  • やりたいことをやりたい

のように、やりたいことだけで生活するには収入が低すぎるので、副業によってそれを補うという考え方です。この考え方はキャリアづくりにおいて一つのヒントになります。例えば、目指そうとするキャリアでは収入が低く、生計が立てていくことができない場合、1つの仕事だけしかできないと考えてしまうと、どうしてもそのキャリアに到達しづらくなります。しかし、収入だけがネックになるのであれば、収入を別の方法を補てんすることでカバーするという考え方もできるわけで、その解決策の1つが副業になります。

 つまり、副業というのはキャリア実現の可能性を高める場合があります

■副業が禁止される理由

 ところが、実際には副業を禁止している会社は多くあります。なぜ会社は副業を禁止しているのか? これには「兼業制限規定」というモノが関わってきます。兼業制限規定とは副業(法律用語で兼業といいます)を制限する理由のことで、

  1. 誠実な労務提供の受領
  2. 協業避止の要請
  3. 秘密保持

この3つのことをいいます。簡単にいえば、

  1. 本業の仕事がおろそかになる
  2. 会社に不利益を与える
  3. 会社の情報を漏えいする

こういったことが副業をすることによって起きてしまう可能性があるから副業を禁止しているということになるのだそうです。

■副業への可能性

 しかし、いい方を変えるならば、兼業制限規定に抵触しなければ法律上は副業をしてもOKという解釈になります。(実際、判例もあるようです)

法律上は副業をしてもOK:、公務員の方は法律上、副業(兼業)は認められていません。

 また、副業に分類される中にはOKとなるモノもあります。例えば、先ほどの例は不動産の家賃収入(インカムゲイン)ですが、相続などによって得た不動産を売却したときの利益(キャピタルゲイン)では副業とみなされないように思われます。

 また、細かな話ですが、パチンコ、競馬などの収入は一般的には雑所得として扱われますので副業となりますが、これらを副業とみなし禁止している会社を私は聞いたことがありません。同様に、投資(FX、株式、先物など)などの収入も雑所得にあたるため副業になりますが、自社株を買うことは副業にはあたらないように思います。

 このように、副業が禁止といっても、その線引きはあいまいになっていることが結構あるのではないかと思います。

 それならば、先ほどの兼業制限規定に抵触しない内容で、勤めている会社に絶対迷惑をかけないことを前提とした上で、ちゃんと会社に副業の許可をもらい堂々と副業をすることも、私たちの選択肢の中にあっても良いのではないかと思います。

 そうすることで、キャリアづくりの幅が今以上に広がることにも繋がっていくのではないかと思います。

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