年齢は言い訳に過ぎず

ライフハック

» 2017/03/22

　俗にいう、プログラマ 35 歳定年説というのは、年齢を重ねることで新しい事を学ぶのが難しくなってくるから、という説があります。厳しい言い方をすると、老害、と呼ばれることもありえます。しかし自分の年齢がそういったラインに近づく、または一歩踏み越えてしまってから思うのですが、実は違う理由がここにはあるのではないか、と感じています。

　日頃、私は社外での活動も行っていることもあり、多くのエンジニアを知ることができています。その中でも、自分より年上で、かつ現役バリバリなプログラマという方にも出会うことがあります。また、今の自分よりも上の年齢でも転職を行った方がいたり、非常に刺激をうけています。

　このような方達を間近で見ていると、年を取ったから新しい事を覚えるのが大変、というのは理由ではないことがよくわかります。決してその方達が特別だから、というわけではありません。特定の分野では確かにものすごく秀でているかもしれませんが、言い方を変えるとそのほかの分野では、私たちの方が秀でているものがあるかも知れません。

　若いころのように、真綿が水を吸い込みような知識の吸収は確かに難しいかもしれませんが、実際にそういった年齢になった身からすると、それでも新しい事に挑戦しているときは、ものすごく頭が活発に活動しているのが感じ取れます。IT 業界に限った話ではなく、全く異なる分野であっても同じで、新しい事に触れていると自分が活力で満ちていくのが感じ取れます。

　初めてパソコンに触れた子供の頃も、大人になって初めて触れた業務システムの世界でも、どちらも同じように楽しんでいる自分がいたのを覚えています。そのように、どこかで楽しめる気持ちがあれば、年齢に関係なく新しい事に挑戦することができるのではないでしょうか。最初に言った、35 歳定年説というのもここにつながると考えています。

　年齢を重ねるという事は、新しい事に出会うことが減る事に近いです。それまでに見たことがある、聞いたことがある事が多くを占めてくるので、そこに楽しさを見出すことが難しくなってきます。そのため、何かを行おうとしても、どこかで聞いたことがある、どこかで見たことがある、という経験が邪魔をするようになり、楽しさを感じられずに新しい事へ取り組むことができないのだと思います。

　これは特定の人だけがもつ感覚なのでしょうか。私はそうは思いません。誰でもが持っているものだと思います。楽しさを感じることができれば、年齢に関係なく誰でも新しい事に挑戦できる、私が知ることができた多くの年上の方たちがまさにそうです。何かしら楽しさを阻害するものがあるから、新しい事にチャレンジできないのであれば、それを取り除いてしまえばよいのです。

　あとは本人の気持ち次第で、新しい事にはどんどん挑戦できるものだと思います。本来は、年齢関係なくできることであったと思うのですが、いつのころからか年齢を言い訳に挑戦することをやめてしまっているのではないでしょうか。それは非常にもったいのない事です。

　現実に、第一線で活躍されている方の中には、年齢を気にさせないアクティブさを備えている方もいらっしゃいます。決してその方が特別なのではなく、素直に行動しているからこそ、本来あるべき姿でいられているのではないか、今ではそのように考えることもあります。

　年を取ると、何かをあきらめることは確かにあります。ですがそれと同じくらい、新しい事に挑戦することも十分に可能です。他の誰かが特別なのではなく、自分も含めて全員が特別なのではないでしょうか。それであるならば、私達にもできるはずなのです。

　幸いにも私の場合、趣味もかねてやりたいことをまだまだ突き進むことができています。新しい技術を追いかけることも、自分の好きな分野に限れば全然つらいと思うこともありません。この、自分が好きな、という気持ちがある限りはいつまでもやっていけそう、とすら思えます。

　これを読んでいただいている方の中にも、私と同じくらい、または私よりも年上の方もいらっしゃると思いますが、もし年齢を理由に最初からあきらめているのであれば、それはすぐにでもやめるのが良いと思います。躊躇している間にも、時間はどんどん過ぎていくことを考えれば、気になった時にはすぐにでも動き出すのが最も後悔しない方法です。何もしないことが正しいことはあるかもしれませんが、何もしないで後悔することは非常にたくさんあります。そうならないためにも、年齢など気にせずにどんどん新しい事へ挑戦することが、ひいては次の世代にも良い影響を与え、つながっていくことになるのではないでしょうか。