就業(現場)力向上カリキュラム - 現場を知ること
就業(現場)力向上カリキュラム - ビジネススキル編(2)では、整理するスキルの具体例についてお伝えしました。
今回は、テクニカルスキルの前に「現場を知るための方法」をお伝えします。
■現場を知ることに関心を持っているか
なぜ現場(ある会社のあるプロジェクト)を知る必要があるのか。
これは、私が最長でも同じ現場に属する期間が6カ月程度であるが故の視点かもしれません。皆さんはいかがでしょうか。
現場を就職活動に置き換えると、希望先の会社の希望する職種に相当します。
学生の皆さんが現場を知る上での有効な方法としては、実際にその現場で「働いてみること」です。
ひょっとすると就社前に働かせてくれる会社というのは少ないかもしれません。そういうときは、無給で構わないので「希望する職種」の仕事をさせてくれるようお願いしてみるとよいです。
期間は、2週間程度(1週間程度だと仕事のサイクルが見えないため)。コアタイムに時間を割り当ててもらえるとベストです。当然、「この学生はやる気がある」と好感をもたれますし、現場・学生さん双方にメリットが多くあることなので是非実践してみてください。
月刊Chargerでインターンシップに呼ばれて「ただ働きさせられた」と感じている学生(おばさん)もいるようです。
そういう発想では、現場では足手纏いにしかなりませんし、誰にでもできる・どうでもいい仕事しか振ってもらえません。そういう姿勢では現場を知ることには、まったくなりませんので注意が必要です。
余談ですが、弊社のカリキュラムを受講いただいた方は、この学生さんよりは多くの会社からオファー(内々定・内定)をいただけるようになると確信しています。ぜひよろしくお願いいたします。
■現場を知る方法
現場に入った後を前提として、現場を知るための方法についてお伝えします。
1. 現場の体制を認識する
まず、現場に入って最初にやることは、現場の体制を把握することです。体制図や座席表からプロジェクトに属するヒトを把握します。そして、プロジェクト計画書などがあれば、プロジェクトの目的やスケジュールを確認します。
2. 自分の役割を認識する
次にマネージャやリーダーをしているヒトに自分に期待されている役割を確認します。ここで重要なのが、質問の仕方です。現場に属するヒトへの印象が大きく変わります。例えば、「私は何をすればよいでしょうか」と聞く場合と「私はコレコレをやってよろしいでしょうか」と聞く場合です。
先ほどの月刊Chargerで発言していた学生は、間違いなく前者で質問したのではないかと推察できます。スキルが低いにも関わらず報酬を求める姿勢には、その傾向が強いためです。
※ひょっとすると質問すらしていないかもしれませんが……。
さて、後者で質問する場合、コレコレを定義する根拠を明確にしておく必要があります。例えば、現場がIT業界でテスト(作成した機能を検証する)フェイズであったとします。その内、完了済の機能、着手中の機能、未着手の機能があるとします。
例えば、以下のような状況です。
- A照会機能……着手中
- A更新機能……未着手
- B照会機能……未着手
- B更新機能……着手中
- C照会機能……未着手
- C更新機能……完了済
……
まず未着手の機能をコレコレの候補にします。この例の内、一般的に一番難易度の低いテストは、C照会機能です。
理由は、更新処理のテストが完全ならば、その更新対象のデータを読み込んで表示する機能には技術的難易度が低い問題しか残っていない傾向があるためです。
現場に入りたての状況では、特に「成果を出すこと」が最も重要です。
自分の能力を過信せず、最初は最も難易度の低い仕事をあえて選択することです。成果を出し続けていくうちに、いやでも難易度の高い(おもしろい)作業を割り当ててもらえるようになります。
※そうでない現場もありますが、就社する価値の少ない現場に多い現象です。
3. 現場の慣習を認識する
上記のように、自分の役割が定義できれば、その現場での自分の立ち位置が揺ぎないものになります。
ただ、なかなかそのようにうまくいかない場合があるのも事実です。例えば、プロジェクト計画書がそもそも存在しない場合、マネージャやリーダーにタスクを管理できる能力がない(テスト実施漏れやテスト完了期日超過)場合、テスト実施者の能力がない(テストが完了済となっているが完了できていない)場合などです。
そういう現場では、タスクがいつまでも終わりません。いわゆるブラック企業と呼ばれる傾向にあると思います。そういう現場が嫌なのも理解できます。弊社のカリキュラムを通して就職活動を営んでいただければ、そういう現場の慣習も丸裸にすることができます。
しかし、ブラック企業でしか学べないことも非常に多くあるので、弊社カリキュラムでご説明させていただきます。
■次回予告
最後までお読みいただきありがとうございます。次回は、学校・学生への提案内容のフィードバックから説明が足りていない点についてお伝えしたいと思います。
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