騎士団長殺しの第1部を読んでの所感
こんばんは、水上裕介です。
3ヶ月くらい前になりますが、村上春樹さんの騎士団長殺しが公開されましたね。だいぶ遅い感じですが、最近第1部を読んでいます。
本編の主人公と私の年齢が重なるところもあり、気付かされるところがあったので、その所感をコラムしたいと思います。
■主人公への共感(感性)
騎士団長殺しの主人公の肖像画家の男性は36歳、私は39歳で男性。主人公の40歳を越えたあたりから何かを突き詰めていく情景に共感しながら読み進めています。
本編で、「時間を味方につけなくてはならない」というキーワードがあります。
IT業界やネット業界はロジカルな世界。画家は感性の世界。肖像画家はロジカルと感性の中間のような世界。主人公はロジカルな世界に辟易としており、より感性の世界に移行したいと望んています。そのために「時間を味方につける」必要がある。時間を拘束されず、自分のやりたいことを追求したい欲求に素直に従おうとする主人公にとても共感できます。
我々のITで業界にも余白というか感性というか面白い要素をもっと増やしていくことが大切だし、感性の要素を育てるようなサービスが必要な気がします。それにはエンジニアそれぞれが自分の好きなことを問い直し、突き進んでいくことが必要だと感じまじた。私の場合は、バスケットボールが心から好きなので、世界が求めるものではなく、私が楽しいを思う表現を考え追求していきたいと思うに至ったのはありがたいことです。
■主人公への共感(プロ意識)
主人公は、富裕層のお客さんを相手に肖像画を高額な報酬で描いています。肖像画のモデルの本質を捉えたものを提供することで口コミ的な形で仕事を得ています。上手な画を書くのではなく、相手が感嘆するような相手の本質を捉えた絵を提供しつづける主人公にプロ意識を感じました。
主人公は、絵画教室の講師もするようになりますが、常に相手の立場になり、褒める、褒める要素がなくとも相手が喜ぶ、次も絵を書きたくなる表現を相手に伝えることを徹底します。それはとても重要なプロとしての姿勢です。
しかし、40歳以降を考えると、そういった姿勢だけでは十分でないと危機感を主人公は抱きます。しかし、何をしたらいいのか、何をしていくべきなのかを思案、「時間を味方につける」にはどうすればいいのか、不思議な体験を通して自然に時間を味方につけていくさまに、危機感とリラックスが織り混ざった世界にうらやましい感情を覚えました。
■村上春樹さんの作品はロジカルであり感性もある
1Q84も購読した私ですが、エンジニアの皆様も村上春樹さんのロジカルであり、感性もある文章は刺激を受けると思います。個人的には文章ではあるが、漫画やイラストのようにイメージできる文章なのでとても楽しく読めるものだと思います。
そろそろ第1部も終わります。第2部もどういう世界が表現されるのか楽しみながら読みたいと思います。