Rubyのビジネスもうかってますかー? ~儲かる組織を作るための解
「Rubyのビジネスもうかってますかー?」と市場に問えば、「いやいや、まだこれからです!」という声が多くかえってきそうです。
そうです。この2-3年がRuby普及の前夜の年だと思います。前夜の年は得てしてこんなものです。以前、LinuxやXMLの市場が拡大した時も前夜はこんな感じでした。一部の技術的に秀でた会社が市場をけん引し、それを見ていた中堅企業が動き出し、大手企業も唾をつけ始め、いつでも動ける体制を作り始める時期。それが前夜的な状況だと思うのです。そのような時期はいつも儲かっている会社と儲かっていない会社が同居しながら市場が形成されていきます。
個人的に面白いと思うのは、先行している高い技術を持つ会社が市場を拡大した後もその位置を維持し続けるわけではなく、かといって大手企業が全部の市場を持っていくわけでもないことです。結局お客様に採用された会社が残るということになります。技術が普及し始めると、それまで独自に近い存在だったその技術も、多くの人が持つ技術になるため、技術力を持つだけでは残っていけなくなります。
簡単に言えば、技術力・営業力・マーケティング力(もしくは広告塔)の3つとそれを支える人事力のバランスが良い会社が中心的な会社として次の市場を形成していくことになります。秀でたものを持っていてもバランスが悪いと、利益が出なくなり、やがて衰退していくはずです。
そんなことはない!と思う方もいるかもしれませんが、長い目で見ると結局そのようになります。会社という仕組みが市場の中心である以上、そうなります。もしかしたら相当先はそうでない時代が来るかもしれませんが、Ruby前夜のこの時期ではまだまだそうなると思います。
ちなみに、私がRubyが普及前夜にあると思う理由は単純に案件数と案件単価の上昇です。米国では、この10年弱でJavaの案件数と案件単価がほぼ変わっていないのに対して、Rubyは40倍に案件数が伸び、年収が1000万円を超えるRubyプログラマが多くなってきています。日本でもRuby案件の10%が人月単価で75万円を超えています。これは他の言語と比べて大きい部類に入りつつあります。単純に、単価が高い分野は伸びます。理由は儲かるからです。この3年間で、Rubyのセミナーや業界団体に名前を連ねる大手企業の数が大きく増えました。まさに、大手企業が唾をつけ始めた状態です。さらに、中央省庁でも大型のRuby案件が受注され、まさに、大きく市場が拡大する条件が整い始めたというところなのです。
さて、この機運が本物かどうかは、お約束はできませんが、私は4年後には、Rubyやってない会社があれば、「へー、やってないんだ」と思われる状況になると思います。今のJavaのような状態にRubyはなります。Rubyについて好き嫌いはあると思うのですが、それは今のJavaも同じです。これから普及する市場はまさにビジネス市場です。その市場では、儲かる技術が普及していきます。今後の動向にご期待ください。
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