新人が考える「社会人大学院」
2009年7月10日の「@IT自分戦略研究所 Weekly」に掲載したコラムを紹介します。大学院にいらっしゃる社会人の方は、皆向上心が強くて刺激になりました。一緒に勉強できて、本当によかったと思います。
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読者の皆様、はじめまして。人財支援営業部(編注、当時)に配属されました、新人の青山航と申します。大学院で分子生物学を専攻していました。同期の中では、異色の人間です。
わたしの趣味は読書です。本屋や図書館で書籍を手に取ると、著者の経歴を必ずチェックします。なぜかというと、その著者の歴史を、「経歴」という側面から鳥瞰できるからです。一流大学出身で、一流企業に勤めていて、一貫して「一流」の道を歩んでいらっしゃる方の経歴を見ると、おののきながら「この人すごい!」と思います。
しかし経歴に一貫性がない人でも、その人ならではの大切な軸のようなものを持ちながら、さまざまな分野を渡ってきたのだろうと考えると、やっぱり「この人すごい!」と思います。プロフィールだけで、著者の人となりを判断することはできませんが、「こんな生き方もあるんだ」と勉強になります。
わたしは、5月に立ち上がったばかりの「大学院INDEX」を担当しています。そこでわたしが意識しなければならないと思っていることがあります。それは社会人の方々にとっての「大学院に通う意義」です。
一般的な大学院出身のわたしの場合、社会人ではないために「時間」があり、かつ「学費は親持ち」で、「お金」の融通が利く身分でした。しかしこの2点については、「大学院INDEX」を担当するにあたって忘れたいと考えています。
社会人になって時間やお金に対してシビアな考えを持ちながら、それでも大学院に通って勉強したいものとは。それはすぐに答えが出るものではないかもしれません。もしかしたら新人が考えるには、おこがましいことなのかもしれません。
先輩社員の営業同行をしていますが、「セールス」「新人」というくくりで邪険に扱われたことは、いままでありません。先輩が「どうやったら読者に有益な情報を提供できるのか」と日々悩み考えながら作り上げてきた媒体に、向上心や意識の高い読者が訪れてくださる。そんな「@IT自分戦略研究所」という媒体や看板を、わたしが背負っているからだと考えています。
どうすれば、企業と読者が出会う理想的な場所(コンテンツやセミナーなど)を提供できるのか。このことを命題として、日々の業務に取り組んでいきたいと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。