JAL倒産から考える、企業に依存しない生き方
2010年1月22日の「@IT自分戦略研究所 Weekly」に掲載したコラムを紹介します。軸足を1つに限定するのではなく、いろいろな場所に軸足を持つ。そんな人間でありたいものです。
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日本航空(JAL)が1月19日、会社更生法の適用を申請した。戦後4番目の大型倒産だ。金融関連を除いた一般事業会社としては、戦後最大規模となる。
こうして文章を打っていても、実感がわかないのが正直なところだ。まさかそんなニュースを目にする日が来るとは。
JALが消えてなくなるわけではないが、大幅な人員削減は行われるだろう。他人事ではない。いつ自分の仕事がなくなるか分からない――そう考えずにはいられない時代に突入しているのだなと、あらためて痛感する。
1年前、小飼弾氏がエンジニア向けのセミナーで話した内容を思い出す。
「みんな、自分がクビになったときのことを考えていない」
「なぜクビにならないといい切れるのか。いまの日本の状況なら、自分はクビにならないと思っている方がおかしい」
「みんないつかは死ぬ。ものごとには終わりがある。仕事程度のもの、今日明日に終わっても、ちっともおかしくないでしょう」
終身雇用体制が崩れ、不況が続く中では、企業に依存する就労スタイルは大きなリスクとなる。企業という共同体に依存するのではなく、企業を利用しながら「自分のスキル」そのもののバリューを高めるスタイルの方が安全といえるだろう。まるで遊牧民族のようだ。農耕民族である日本人には馴染まないかもしれないが、そうもいってはいられない。
幸い、エンジニアには「技術」という武器がある。高い技術を持っていれば、企業に依存する必要はない。技術者コミュニティが豊富に存在するという点も重要だ。企業以外の「居場所」はいくらでも見つかる。
企業に依存せず、自分のスキルを磨く。2010年はそういう年にしたいと筆者は考えている。