初めてのドライスーツで
2006年5月19日の「@IT自分戦略研究所 Weekly」に掲載したコラムを紹介します。新人を育てるとき、褒めて伸ばすか、叱って伸ばすか? エンジニアライフ担当は褒められて伸びるタイプです。みんな褒めてください。
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趣味で続けているダイビングをいままで以上に楽しむためのステップとして、アドバンスドオープンウオーターダイバー(AOW)の講習をゴールデンウイークに伊豆で受けてきました。
ぽかぽか陽気でしたが、水温はまだまだ低く15~18度。海外でCカードを取得し、その後も海外でしか潜ったことのないリゾートダイバーの私は、初めてのドライスーツで海洋実習を行うことになりました。
ドライスーツには、水没しないように手首や首に防水性のシールが付いているのですが、これがきつくて脱ぎ着するのに一苦労。浮力の調整をするためにウエットスーツのときよりもウエイトが多くなり、動くのにこれまた一苦労。海に入る前からヨロヨロだし、海に入ったら冷たいし、くじけそうになっていた私と私のバディ(パートナー)。
ダイビング終了後、気付いたら二の腕にものすごいあざが。インストラクターの注意をすっかり忘れ、ドライスーツの圧平衡(気圧の調節)をしなかったためにできたのです。まるで暴力を振るわれたかのようなひどいあざで、以前ダイビングで鼻血を出してしまったとき以上の衝撃でした。
こんなふうに手のかかる生徒だったのですが、インストラクターは分かりやすい言葉やたとえで教え→できると褒め→失敗しても否定的な言葉を使わず→さらにかみ砕いて、というように指導してくれました。覚えやすく身に付きやすく質問しやすく、何て上手な教え方なんだろうと感激しました。
教えられる立場よりも、新入社員の教育など自分が教える立場になることの方が多かった私ですが、このインストラクターのように褒めて育てることをしてきただろうか? といえば答えはNO。分かりやすい言葉も使わず、褒めるどころか注意ばかりしてきたことを思い出しました。質問しやすくもなく、仕事を苦痛に感じさせてしまうことが多かったのではないかと、あらためて反省してしまいました。
さて、あざや鼻血ぐらいだったら笑ってもいられますが、日常とは異なる海の中ではチョッとした不注意が最悪の事態を招くこともあります。楽しく遊ぶためにも、肩書きだけのAOWにならないよう、スキルを磨いていこうとバディとビール片手に語り合った週末でした。
(ターゲティング・メディア事業部 大杉文)