新しい音楽を取り込んで、大きな丸に増殖中
2006年6月8日の「@IT自分戦略研究所 Weekly」に掲載したコラムを紹介します。番町、プログレっすか……。エンジニアライフ担当は中学生くらいからテクノ/電子音楽一辺倒。音楽の趣味に関しては、とても丸くなれそうにないです。
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高校生のころのワタシの好きな音楽はプログレ。ピンクフロイドだ、クリムゾンだ、イエスだと、正統派ゴリゴリプログレばかりを毎日聴きまくっていたものです。
それからかれこれ○×年。いろいろな出来事があり、いろいろな人と出会い、いろいろなことを感じ、その中で好きな音楽のジャンルもどんどん増えていきました。天気がいい日は洗濯のお供にメレンゲ、仕事の後にはR&B、週末にはテクノのレイヴを開き、シャンソンのCDをインディーズで出そうと企み(寸前でポシャッた)、好きな音楽が日々増殖しています。
一見すると支離滅裂な増殖っぷりのようですが、ワタシはノンポリになったわけではありません。大好きなプログレを核にして、興味に興味を継ぎ足していった結果、守備範囲が広がっていったのだと自分では思っています。
ところで、こんなことありませんか? 久しぶりのクラス会などで、当時結構なワルだったアイツやエキセントリックだったアノ娘が、いっぱしの社会性を身に付けて穏やかに変ぼうした姿に会うことが。そんなときは思わず「あいつ、丸くなったなぁ」のワンフレーズが口をついて出てきたりすることもあるでしょう。
この「丸くなった」には、「角が取れてつまんないやつになった」というイメージもあるようですが、ワタシが考える「丸くなる」は違います。こんぺいとうのギザギザが取れるように小さな丸になるのではなく、ギザギザの間を埋めるように新しい要素をどんどんオンして大きな丸になること。ギザギザな部分を内に秘めつつ、でっかいでっかい丸になること。それがかっこいい丸くなり方だと思うんです。
ここで最初の話に戻ります。人間的には、まだまだデコボコだらけのワタシだけれども、音楽の趣味はちょっとずつ大きな丸になっているような気がします。昨日よりも今日、今日よりも明日、よりでっかくなっていることを感じると、年を重ねるのが楽しみになってきます。でっかいでっかい丸になりたい、そんなワタシの最近お気に入りのミュージシャンは、バリのギタリスト「バラワン」。インドネシア古来の楽器やケチャを現代的にアレンジした曲はまさにバリプログレ。やっぱりプログレからは、離れられないみたいです。
(ITmedia オルタナティブ・ブログ担当 鈴木麻紀)