@IT自分戦略研究所 メールマガジン「@IT自分戦略研究所 Weekly」に載ったアイティメディア社員のコラムを紹介します。

スケジュールは戦略なり

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 2005年11月9日の「@IT自分戦略研究所 Weekly」に掲載したコラムを紹介します。アイティメディアの社長 大槻さんが、スケジュールの重要性を語っています。僕も、昔のスケジュール帳を見せてもらったことがあります。

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 皆さんは、会社の古くなった書類の整理をどうしていますか? 最近は電子化が進み、紙の書類が減ってきたとはいえ、長年勤めていると机は収まりきらない書類であふれ返ります。転職するたびに整理が進む、という方もいるかもしれません。

 先日、ロッカーに収納した古い文書をいじっていたところ、結構面白い掘り出し物がありました。例えば、ソフトバンクが最初に出資を検討したときの米Yahoo!の事業計画書。Yahoo!オークションに出品したら、ジェリー・ヤンが高値で落札してくれそうですね。株式公開直前期のソフトバンクの事業計画・予算書などもありました。

 それらに紛れて、1990年台前半の年間スケジュール帳(ノート型)が出てきました。このころはIBM製がお気に入りで、かなり使い込んでいました。びっしり書き込まれた使い古しのスケジュール帳を見ると、当時の自分の仕事ぶりが鮮やかによみがえってきて、なかなか感動的です。

 1989年にソフトバンクの孫社長の秘書になったとき(結局秘書としてはいまだに最長の5年半滅私奉公しました)、まず初めに指示された仕事が孫社長の「スケジュール設計」でした。当時、専任の秘書が何人かすでにおり、私は「戦略秘書」として事業拡大を手伝えといわれたのに、「スケジュール係ですか?」と未熟にも思ったことを覚えています。

 しかし、実はスケジュールこそが企業の真髄だと分かったのは、秘書のお勤めも後半の残り2年くらいに差し掛かったころです。

 つまりこういうことです。来週、孫社長がIBMの椎名社長(当時)を訪問するか、NECの関本社長(当時)を訪問するかによって、会社の戦略や方向性が違ってくる。そればかりでなく、ひょっとしたら業界地図が変わるかもしれない!

 多くの企業の、特に営業部門では「日報」「週報」などの報告書を大切にしますが、私が報告書よりスケジュールに重点を置き始めたのはこのころからです。「スケジュールは戦略である」というのが、孫社長から伝授された私の至宝の1つです。

(代表取締役社長 大槻利樹)

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