お気楽“IT系女子”の日常を徒然と綴ります。

“アラサー”IT系女子が、“アラハタ”だった頃(その1)

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◆What do you do?

 みなさんはご自分の職業は何か聞かれたとき、どう返答されるでしょうか。「システムエンジニアです」とか、「プログラマです」とかですよね。

 わたしはいつも、何と答えたら良いか少し悩みます。「会社員」ではなく、もう少し具体的に答えないといけない時に「ヘルプデスクです」と返答したら、どういう職業かイメージしにくいと言われたことがありまして……。少し見栄を張って(笑)というか、過大解釈して「システムエンジニアです」ということにしたのですが、入社当時は今よりもっと返答に困っていたのです……。

 と、いうことで、過去ネタ第1弾。今回は、2000年ミレニアム入社した頃の業務について綴りつつ、自分の適性に思いを馳せてみたいと思います。……ええ、入社時って言ったら9年前ですよ! 20歳で入社したので、アラサーじゃなくて、✨アラハタ(Around20歳)✨だった初々しい頃のことですっ! 当時は毎日スッピンで出勤してましたけど、何か?(笑)

◆女の園の中心で愛を叫ぶ

 わたしのプロフィール欄には、「ネットワーク管理やら、ヘルプデスクやら、IT系なお仕事に青春を捧げてしまった」と書いてあります。そして、初回のコラムで「お客様先で、ヘルプデスク、ネットワークやサーバやクライアントの運用・管理業務(のアシステント的な業務)、そのほか付帯業務もろもろを担当しています」と書きました(でも、せっかく青春を捧げたのに、今はヘルプデスクよりも「受付業務=その他もろもろの付帯業務」がメインですが……😅)。これは、入社して数年経ってからのことで、元々は別の業務に従事する社員として採用されたのです。

 就職活動をしていたとき、わたしが短大の就職課で見た求人票には、『データエントリー業務』と記載がありました。はて、どんな仕事なんでしょうか。

 そもそも『事務職』のOLになるつもりだったのに、『データエントリー業務』がどんな仕事なのかもロクに考えもしないまま、面接を受けに行ったらめでたく内定。3月からOJTが始まりました。初出勤の日のことは、今でも忘れられません。配属先である某金融機関の事務センターに行き、わたし達が作業するエリアに足を踏み入れた時、わたしは心の中で叫びました。

 しまった! 向いてねぇーー!!!

 広い部屋にはズラーっと端末が並び、女性ばかり20人ぐらいが無言でキーボードを打っています。打ちまくっています! 部屋中に響き渡る「カタカタカタカタカタカタカタカタ……」というキータッチ音。こ、怖いってば!

 そうです。「データエントリー業務」というのは、「ひたすらデータを入力しまくる仕事」だったのですね。そして、その業務に従事する社員のことを「キーパンチャー」と呼称していました。当時は、OLじゃないしなぁ、ということで「キーパンチャーです」と答えても分かってもらえないので、職業を聞かれたら少し困っていました。「ひたすらデータを入力しまくる仕事だ」と補足してましたね。

 さて。現場での直属の上司となる主任(もちろん女性)にご挨拶した後、ロッカールームでまたもや衝撃が!

 カーペット敷きの狭いロッカールームには休憩中の先輩が数人。恐る恐るドアを開けたわたしと同期の目に飛び込んできたのは、自前のくるくるドライヤーでヘアーセット中の先輩。

 ……に、上目づかいでギロっと一瞥されたわたしは、また心の中で叫ぶのでした。

 む、向いてねぇーーーー!!!! (っていうか、何で職場でくるくるドライヤー使ってんのーーー???)

 女の縦社会の最底辺にいる同期とわたし。毎日ビクビクです。主任は、お客様先で新人2人だったら心細いだろうと、職場に慣れるまで他の先輩方と食堂で一緒にお昼ごはんを食べてくださいました。ありがたいんだけど、めちゃくちゃ気を遣う! でも、頑張ってニコニコしながら話を聞いて、相槌を打っていました。

 チェックの厳しいベテランの先輩がたくさんいる女の園で生きていくのは、非常に面倒臭いのですが、一貫してわたしの処世術は「アホになること」。素直であっけらかんとしている方が、失うものも無くて楽です。そして、分からないことや知らないことは、素直に教えてもらった方が良いですし。年齢が上がるに連れて意外とコレができなくなるもんなんですよね……。

 遠まわしに探られるのも鬱陶しいので、可能な限りプライベートなネタもじゃんじゃん話しました。手の内を全部見せてしまえば、相手も面白味を感じなくなって悪い意味で構われることもないですから。ちょっとした嫌味程度だったら、嫌味であることすら気付かない勢いでサラーっと流します(笑)。

 女子校ノリに辟易することがありつつも、お昼をご一緒させていただいてたので、意外とベテランの先輩方とは馴染んでいました。それに、「どうせなら自分のことをよく知ってもらって、仲良くなった方が仕事上、何かと良いのでは」と思って、機会があればなるべく先輩方とお話するようにしていましたので。

 その結果、単に仕事上の注意をするだけでなく、なぜミスしたのか、わたしの話を聞いた上でアドバイスをくださったり、『セクハラおやじ』について教えてくださったり、宴会で楽しく飲んで喋って、などなど、いろいろと可愛がっていただきました。恋愛相談も乗ってもらいましたし、一緒にライブに行ったり、マンガを貸し借りしたりするぐらい仲良くなった先輩もいましたね。今、振り返ってみると楽しかったなぁ……。

 そうやって職場には溶け込みましたが「データエントリー業務」にはまったく向いておらず、史上稀に見るデキの悪い新人でした。入力は早いけど、ミスが多いタイプだったのです。毎月、入力速度とミスタイプ率の成績表が出るのですが、ミスタイプ率はワースト争いを繰り広げていましたし、同じようなミスで3回も反省文を書きましたし……。

 デキが悪いので、急にいなくなってもあまり困らないためか、お客様や自社から臨時作業の要請が来た際は、わたしが駆り出されてました。本来、キーパンチャーは自分の配属先から他へ出ないはずなのに、いろいろな所へ行って仕事をさせていただけて、わたしとしてはとても楽しかったです。特に、「自社での臨時作業に駆り出された」ことが、その後の社会人生活を大きく変えるキッカケとなりますが、その話はまたいずれ……。

 では、この現場でわたしが学んだこと。

  • 自分という人間を知っていただくことは非常に重要である! 先輩とは仲良くしよう!(経験に基づく)
  • セクハラは本当に存在する! 相手が好々爺だからといって油断するな!(本当にセクハラされた!)
  • 社会人たるもの次の日の仕事に影響するような遊び方をするな!(主任からもらった最初のご薫陶)
  • 就職活動時に業界研究を怠ってはいけません!(当たり前!😅)

 そして、最も大事なこと。

  • わたしは「ひたすら正確に**していればそれで良い」というお仕事には向かない!!!(笑)

ということがよく分かりました(笑)。これは今の仕事についても言えますねー。

 逆に、引っ込み思案で大人しいけれど、黙々とやっていく性格の同期は、キーパンチャーという仕事にとても向いていて、あっという間に成長していきましたね。わたしが現場を去ってから、風の噂で副主任候補に抜擢されたと聞きました。社歴から考えると、大抜擢だったようです。

 しかし、現場の社員とお客様との仲介や、作業の段取りについての折衝、皆をまとめる役割など「仕切る」仕事がどうしても苦手で、遂に泣いて(本当に泣いたらしいです)ギブアップしてしまったそうです。彼女は本当に優秀なキーパンチャーだと思いますが、人の上に立って引っ張って行くという立場は不向きだったようですね。彼女は、また一介のキーパンチャーとしての立場に戻って頑張っているらしいです。

 仕事ですから、自分に向いてないことも頑張ってやっていかないといけないこともあります。でも、自分をよく知り、なるべく自分に合っている道を模索できた方が良いですし、それが難しいようであれば上手に折り合いを付ける術を身に付けないといけないのですね。これが、「大人になる」ということなんでしょうか……。

 わたしは偶然、転職することなく違う道を見つけられましたが、あのままキーパンチャーを続けていたらどうなっていたんだろう……。転職していたかもしれませんし、ダラダラと年齢だけ重ねていたかもしれません。そうであったとしても、そもそも就職活動中に自己分析と企業研究をロクにしてなかった自分が悪いんですけどね(苦笑)。違う道を見つけられてラッキーでした。いえいえ、後悔はしてませんよー。回り道人生バンザイです!!

 次回(その2)に続く……。

Comment(11)

コメント

ちょいとお邪魔するよ。

>職場に慣れるまで他の先輩方と食堂で一緒にお昼ごはんを食べてくださいました。ありがたいんだけど、めちゃくちゃ気を遣う!

そうそう、そうだよねぇ。
あたしゃ学生のときにバイトしてた某デパートでのお昼時間がそんな感じでねぇ。社員の人が一緒に食べてくれるのはいいんだけど、しがないビンボー学生と、稼いでるデパガ(死語?)じゃ、話題もすれ違いで、いつも居心地の悪い思いをしてたねぇ。まぁ、あたしゃこの通り、純情可憐清廉潔白なもんだから(爆)、男の話にもついていけないしね。
でも、その先輩方のエロいお話も聞けたから勉強にはなったんだけど。ひっひっひっ。

組長

>Xさん

いらっしゃいませ。

>話題もすれ違いで、いつも居心地の悪い思いをしてたねぇ。

あー、わかります!!わたし、ドラマも見ないし、「あ●のり」とか嫌いだし、先輩の話題とは合わなくて・・・。恋愛モノのドラマなんて良さがちっともわかりません。ちなみに、エロいお話は聞けませんでした。笑

第3バイオリン

組長さん

どうもこんばんは。

女の園ですか・・・私の最も苦手なもののひとつです。
中学生時代、ソフトボール部でただ一人の1年生という立場を経験し、
子供ながらに女社会の恐ろしさを味わったことがあるもので(冷や汗)。
だから結局1年で退部してしまいました。

>「どうせなら自分のことをよく知ってもらって、仲良くなった方が仕事上、何かと良いのでは」と思って、機会があればなるべく先輩方とお話するようにしていましたので。

これ大事ですよね。
私はいろいろなプロジェクトに数か月だけお邪魔してテストをして去ってゆくという渡り鳥のような生活をしていますので、
いろいろなジャンルの飲み会や社内イベントに参加して各部署の方にひそかに自分を売り込んでいます。
いつどこでお世話になるかわからないので、こういう場でコネを作っておくのです(ニヤリ)。

組長

第3バイオリンさん

いらっしゃいませー★

女の園は、その後人数が増えて最大時は40人ぐらいになりました・・・。ロッカールームで休憩するのが限界になって、食堂で底辺仲間(笑)とお茶飲みながらまったりしてた頃が懐かしいです。

>いろいろなジャンルの飲み会や社内イベントに参加して各部署の方にひそかに自分を売り込んでいます。

そうそう!これって本当に大事ですよね。女性社員を多く抱える課の課長さんは「みんな同じ顔に見えるから区別が付かない」っておっしゃってました。主任とか役付きの社員ぐらいしか顔が覚えられないとか・・・。そんな中、ヒラ社員で唯一覚えてもらってるのが私だったので、何かと気が楽でした。相談できるし。で、コネがあると、なまじ知ってるだけに粗末には扱えないし。笑

kotora

はじめまして!

私も女の園が苦手でして・・・

今は逆に男ばかりの職場になり、たまには同性の方とおしゃべりしたい気持ちにかられます・・・

組長

>kotoraさん

はじめましてー。

私は、女の園を2年間→男女のバランスがソコソコ良い現場に半年→紅一点を5年半→女性はいるけど既に派閥が出来てて微妙という現状で1年・・・

みたいな感じです。

女の園時代は「底辺仲間」がいて、大変ながらも和気藹々だったので、男性ばっかりの現場にいた頃は、逆に気軽に話せる女子仲間を切実に求めてました。今も、女性は1人いるけど、かなり年上だし実質「紅一点」っぽい感じで寂しいです・・・。

たまに、オッサンじゃなくて、かわいくて、良い匂いのする若い女子か、素敵なおねーさまに癒されたいー(TロT)ってなります。笑

組長さん、まいどー。稲造でございます。キーパンチャーの仕事ですか。あれは実際一度だけ採用面接で見に行きましたけど、あれは日本語106キーボードじゃあないんですね。なんか特殊なのです。いわゆるデーターエントリーって仕事ですか。あれは編み物と一緒で、根気がないと続きませんね。

女の園……千葉そごうの社員喫茶では、既にそこはもう「パウダールーム」と化していて、20歳の僕は怖いモノを見てしまいました……。女こええ。

園田学園女子大学の学園祭に遊びに行ったことがあったのですが、女子大って体育会系のにおいがしていて、たとえば、出し物でも、ジョッキに入れたヤクルトを一気飲みして、ブフーっと吐き出す、なんだか分からない出し物がありました。男子がいないと、みんな油断するのでしょうか。

女子心理を読み解くため、月刊LaLaを買って読んでいるのですが、あれは少年サンデーよりもおもしろかったりします。変ですか。いや、おっさんちゃうしw

組長

>田所さん
まいどですー。

確かに、特殊なキーボードだったような気がします・・・。ちなみにカナ入力で逆テンキーで入力してました。

>ジョッキに入れたヤクルトを一気飲みして
ヤクルト大好きなんでやってみたいですけど、私はもうちょっとお上品に飲みたいですね。笑

女子心理を読み解くのにLaLaですか。そこでLaLaを選択するところがなかなか渋いチョイスですね!LaLaよりも「NANA」とか「天ない」(天使なんかじゃない)とかを買って読まれる方が良いような気がしますが。今週の金曜日がNANAの新刊発売なんで楽しみですー♪ちなみに短大の同級生は漫画家の卵でして、サンデーで連載中のテニスのマンガを描いておられる先生のアシステントやってますよー。

ヨギ

すいません、記事、ていねいに読んだつもりなんですけど、
読み終わって、他の方のコメも全部読んでここまで来たら、
「女の園」だけが強烈に残ってしまいました。

女の園って、中途半端なツッパリ(死語)より怖いと思う。

以前、都内某女子大にシステムを納品したとき、
普通に街を歩いていたら、ちょっとふりむりちゃうカモ、みたいなきれいな子が、
学内の自販機にお金入れてボタン押したら(たまたま)商品が出てこなかったら、

てめぇ!ゴラッ! とか叫んで、細いおみ足で、スカート持ち上げて、
力一杯自販機にケリ入れてました。 モノ凄い音でした。
(オトコでもあんなにマジで自販機蹴らないぞ)

実は一度ススメられてNANA読んだんですが、よく分からなかったていうか、
登場人物の区別がつかなくなってあきらめました。(泣)

組長

>ヨギさん

こんにちはー。

>すいません、記事、ていねいに読んだつもりなんですけど、
読み終わって、他の方のコメも全部読んでここまで来たら、
「女の園」だけが強烈に残ってしまいました。

いえいえ、お気になさらず。笑

何回も推敲したり書き直したりしてますが、今回のものは、公開されて改めて読み直すとある程度限られた文字数に言いたいことを詰め込んでしまって論旨がズレてるなぁーと感じました。が、「女の園」ネタで楽しく読んでいただいたようなので良かったです★でも、「その2」に行く前に、補足で「その1-1」とかで展開してデータエントリー業務についてもうちょっと書こうかなぁ・・・。

それにしてもヨギさんの目撃談、怖すぎですね。私でもそこまではしないです。笑
「NANA」は確かにちょっと複雑になってきましたね。だったら「天ない(天使なんかじゃない)」の方が分かりやすいような気がしまーす。

ヨギ

>論旨がズレてるなぁー

いえ、ぜんぜんズレてもブレてもいないと思います。
読みやすいし、状況がリアルに伝わってきます。

単に私の読み方(というか性格)の問題です。はい。

ちなみにリクエストとしては、「その1-1」です。

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