”アラサー”IT系女子 vs チョコレート王子(2)
こんにちは。組長です。前回より始動しました「自分の身近な友人、知人からプロとしての心意気、職人魂を感じ、新たな気づきを得る!シリーズ」の続きです。ショコラティエ(チョコレート職人)の喜多川勉氏のお話を伺っております。
前回はプロとしての想いを中心に綴りましたが、今回は今後のご自分のことなどを送りします。
■これからの自分について
Q1:5年後、10年後、15年後……どんな自分でいたいですか?
A1:「良い変化、成長ならもちろんですが、何年後でも、親しい人や近しい人が思っている今の自分像から逸脱していない自分であることを願っています。店が大きくなって「あいつ、(悪い意味で)変わったよな」とは、なりたくない。「ええやん!」って言われる自分。他には、生涯現役!」
Q2:自分の技術やモチベーションを維持するために、さらに進化させるために、意識的に実行していることはありますか?
A2:「チョコレートに毎日触ること。他には、いろんなものを見たり、食べたり、体験したり、足を運んだり、多くを経験することを心がけてはいます」
Q3:お仕事以外の時はどのようなことをしていますか?(趣味とか)
A3:「趣味は? というクエスチョンでしたら、水泳、ゴルフ、カメラなどなどありますが、お店をしてからはどれもできていません」
お店が忙しいということもあり、いろいろなことを勉強する時間、自然や芸術と触れ合う時間が足りていないそうです。そうした時間を持つことで、機械的に作られたものにだけ囲まれずに、いろんなことに触れて引き出しを増やすような教養あふれる自分=良い物を作れる自分、心が柔らかい自分、ずっとそういう自分でいたい、とのことです。素晴らしいですね!
ネット販売や手作り市への出店に加え、店を構えたことで規模が大きくなりました。これから思わぬミスが増えて来るのかもしれません。今は、ご自分で全責任を負い、ミスやミスへの対応はご自分で納得できるレベルですが、繁忙期でしんどいときには、「もう少し機械的じゃない自分でいれたらなぁ。常にフラットで気持ちよくいられる人でいたいなぁ」と、考えるそうです。わたしも同じことをよく思います……。良い意味でフラットでいることはとても大事で、そしてとても難しいことですね。
Q4:もし違う道に進むとしたら、どのような道を選びますか?
A4:「あまり実感はないですが…。水泳が好きなもののひとつなので、インストラクターとか、身体を動かす系やスポーツに従事したり、又、教えたりする道を選んでいたいなと思います」
Q5:同じ道に進もうとしている人に伝えたいことは何かありますか?
A5:「進もうとしている人、には特にはありません。共に盛り上げていきましょうってくらいでしょうか」
かつて一世を風靡した「料理の鉄人」というテレビ番組をご存じでしょうか。
勉さんの学年近辺の世代には非常に影響があり、料理業界を目指す人が増えたそうです。よって、業界を変えていこう、良くして行こうとする人がたくさんいる世代であり、上下の世代間を取り持つ世代であるとお考えです。おおー! わたしも同じようなことを考えて、いつぞやのコラムでチラッと書きました!やはり、世代が近いと別業界でも似たような状況になるものなのでしょうか。面白いです。
■職人と芸術家と経営者と
- チョコレートを作る自分=職人
- チョコレートのデザインをする自分=芸術家
- お店を運営する自分=経営者
事前に質問事項をお渡ししていた内容とは別で、わたしが最も興味があったのがこのことです。それぞれのご自分で考え方が違うのでは? 葛藤は? と、思っていましたがご本人としては、3人の自分はあまり分かれてないし、葛藤は特にないとのことです。実際は、あえて言うとこんな感じだそうで。
- やりたいことが次々と浮かぶ自分=職人
- やりたいことに歯止めをかける自分=経営者
例えば特注商品を、「売価1000円のものを作ってください」と言われ、1000円の原価で作ってしまうのは、アマチュア。「作るのが楽しいから、利益は別にエェねん」といった発想は「ちょっと違う」ということです。だって、プロですもの。 ただし、「900円の利益出したいから、100円の原価で作ればいい」ということでは、決してありません。お店を、そして「もの作り」を継続していくという、ご自身にとっての最重要ミッションを達成し続けていくことを念頭に置くと、 原価、利益のバランスは取れているか? 最大限満足できるものができているか? 依頼者は満足しているか? といった点に重きを置くようになります。
世間相場、自分の技量やアイデアで作れる内容、出来上がった商品の価値、これらを検討し、顧客と自分の双方が納得いくものをきちんと作れるかを考えるのが非常に大切。「より良い物を作りたい」というのは、確かに職人魂だけど、原価をかけさえすれば良いのか? と冷静に考えるのが経営者であり、ご自身としては両者のバランスを取って顧客からの要望に応えたい、とのことです。
■今までに印象に残っているミス、後悔していること、辛いこと
Q:『現実はつらいよ……』と、思うのはどんな時ですか?
A:「いまのところはまだ始まったばかりということもありますし、特にはありません。そもそも現実はつらいもの、とも思いますし、つらいことも全部勉強ですし、後の糧となることと思います」
良いお客様に恵まれ、幸い大きなクレームはないとのことですが、一度だけバレンタイン用の注文を受けられた際、チョコを1個入れ忘れて発送してしまったことがあるそうです。忙しさや睡眠不足は言い訳にできません。ご自身ができうる最大限の誠意ある対応ができ、結果としてお客様には満足していただけたそうです。
繁忙期には日々の接客で「あ、さっきの対応はアカンかったな」という小さな葛藤は日々あるそうですが、その小さな「アカンかったかな?」が積み重なったものが、やがてミスになるのかもしれません。でも、それもまた肥やし。クレームという意味ではなくお客様から不平不満を言われる方が、お店としては改善点が分かり成長に繋がります。「お店の存在が浸透してきた」と嬉しく感じられるのですね。
また、雑誌にたくさん掲載されていらっしゃることが、嬉しいと同時に少し不思議だそうで。「チョコレート専門店」という少し変わったことをやっているから? もし、目新しさが目立っているだけなのであれば、ちょっと寂しい。もっとチョコレート専門店が「当たり前のもの」としてお客さんが普通に買いに来る、というふうになってほしいと願って日々、頑張っていらっしゃいます。
いかがだったでしょうか。お話をまとめるのが(わたしの能力では)本当に大変でしたが、コラムを書いている時間はとても楽しく有意義なものでした。ありがとうございました!
全体の感想は別途まとめコラムにするとして、特に興味深かったのが、「自分の業界や後輩(若手世代)に対して感じていること」「仕事への姿勢だけでなく考え方の本質」が自分と非常に似通っていること。世代が近いからでしょうか、ものすごく共感できました!
コラム書いて脳みそいっぱい使ったから、チョコレート食べて元気出そうっと!
コメント
インドリ
今回も面白かったです。
特に職人・芸術家・経営者の部分は私も個人事業主なので「そうそう」と凄く共感しました。
話しは変わりますが、可能ならばチョコレート王子さんに一つ訊いてほしい事があります。
「貴方にとってチョコレートとは何ですか?」
チョコレート職人ならではの人生哲学が聞けそう。
組長
インドリさん
こんにちは。コメントありがとうございます★
「貴方にとってチョコレートとは何ですか?」
おお、素敵なご質問ですね★ちょくちょく会いますので、聞いておきます。
またコメント欄にて代弁いたしますね。
インドリさん、甘いものお好きでしたら是非、王子のチョコ食べてみてください★
お取り寄せできますので。食べたらより一層「ふむ、こういうことか」って
納得されると思います。笑 私は話を聞いてからチョコを食べてみて、なんとなく
「なるほど」と思います。何となくですけど。……とか、宣伝してみたりして★
インドリ
おはようございます組長さん。
>またコメント欄にて代弁いたしますね。
お忙しいなか有難うございます。
>インドリさん、甘いものお好きでしたら是非、王子のチョコ食べてみてください★
はい、分かりました♪
仕事が落ち着いたら食べようと思います。