お気楽“IT系女子”の日常を徒然と綴ります。

“アラサー”IT系女子が友人から叱られた話

»

 こんにちは。今年の夏も暑いですが、夏フェスシーズンが到来してテンションが上がり気味の組長であります。今年は3つのフェスに参戦予定。そういえば、フジロックはいよいよ今週の金曜日(7/29)からですね。一生に一度は行ってみたいフェスです。

 さて、6月の「おすすめエンジニアライフ」は、読まれましたか? わたしは、「エンジニアのお手本はエンジニアばかりではない」というフレーズに、非常に惹かれました。そういえば、業種は違えど「お客様の前に立つプロ」として仕事をしている友人がいまして、彼女達から感じたプロ根性についてつづってみます。

◆友人の意外な一面

 ライブ友達のA子&B子。共に、この道10年超のバスガイドさんです。毎年、交互に新人研修の講師を担当しているそうです。

 わたしも女性だけの現場にいたことがあります。「怖い」「陰湿っぽい」とイメージされることが多いですが、彼女たちの会社は、女性社会とはいえ、完全な体育会系ノリで非常に厳しいです。 以下、平均年齢19歳(!!)の新人さんを相手に、四苦八苦している彼女たちの名言を……。

 「アンタらが今、研修受けててもらってる給料は全部、先輩やドライバーさんが稼いだもんを分けてもらってるだけや。まだアンタらは1円も稼いでへんし、会社になにも貢献してへんねんで!(=自覚を持ってしっかり勉強しなさい、という意味)」

 「お客さんは、ガイドの技術やサービスに対してお金を払ってくださってるんや。新人もベテランも関係ない!(=甘えるな、という意味)」

 き、厳しい……。そして、普段は全然キツイことを言わない友人なので、驚きました。もし、自分が同じことを言われたらもう、泣きながら「ごめんなさい…」としか言えない……。思わず、「えー! 怖い!」とか「まだ若いんやし、厳しすぎるー!!」と言ったら、「なに言ってんの?! 仕事やで。当り前やろ!」と、叱られてしまいました(笑)。

 本コラムを読んでくださっている皆さまも、いろいろ思うところはあるかもしれませんが、彼女たちに叱られつつ、似たようなことを先輩が研修の際に言っておられたことを思い出しました。業界が全然違うのに、似たようなことを言われるのですね。新人のころには、(特にコスト意識など)実はあんまりピンと来なくて、自分が後輩を指導するころにやっと、「ああ、こういことか」と気付きました。

◆バスガイドさんというお仕事

 バスガイドさんのお仕事というのは、本当に大変です。

  • バスが通る道順(本来の経路、不測の事態に備えた予備の経路)
  • 行く先の名所など案内する先に関する知識(歴史、関連人物、名物などあらゆること)
  • 言うべきご案内事項を言うタイミング

 これら全てを頭に入れる必要があります。お客様に質問されて答えられないというのは、言語道断。しかも、棒読みのように一方的に「しゃべる」のではなく、お客様の反応を見ながら、「話す」ことができなければ、一人前とは言えません。更に、朝も早いことが多く、当り前のように「4時起床、5時出勤」の世界。

 例外として、デビューしたての1年生のみ、業界の暗黙のルールとしてノートを見ながらご案内することが許されているそうですが、「どうせノート見ながら話せるんだし、大丈夫」という安心感があるのか、課題をやって来ない、予習はおろか復習もしていない、そのくせ社員寮を抜け出してすぐ遊びに行く、といった状態。他の先輩も含め、皆が注意しても改善しないとのこと。

 座学の研修が終われば、次は実際にバスを走らせて自分たちがデビューする予定のコースを、何度も何度も巡りながらの研修となるそうで、ドライバーの人件費、ガソリン代、高速代といった経費が研修1回につき10万円ぐらい吹っ飛んで行くそうです。

 A子もB子も、怖い先輩からビシバシとしごかれ、準備していたことがうまく話せず悔し泣きをしたり、先輩や後輩を誘って勉強会をしたり、バスガイドという仕事に誇りとやりがいを持って頑張ってきました。仕事の話になると非常に熱く語りますので、業界も業種も違いますが、なんだか相通じるものを感じます。

 言葉だけ見ると、確かに非常に厳しいですし、プライベートな時間の過ごし方にまで口を出すのはどうか、というご意見もあるでしょう。しかし、実際にやるべきことができていないのであれば、休日や空いた時間を使って勉強するのは、当然とされている世界。お客様にとっては、同じ料金を払っていても新人さんが付くか、ベテランさんが付くかで明らかな差が出たら納得いかないでしょうし、プロとしてお客様の前に立つ以上は……。

 このような背景を考えると、上記のような厳しい言葉が出ても致し方ないのかな、と思いましたが、皆さんはどう思われるでしょうか。少なくとも、彼女たちにしてみれば、「仕事とは、厳しいもの。シビアなのが当り前。だからこそ、努力する」ものなのです。

 友人の、研修に関する苦労話を聞いていると確かに、「エンジニアのお手本はエンジニアばかりではない」ということを実感します。お客様と直に接して、自身の持てる知識と技術で以って、サービスを提供させていただいている立場と考えれば、本質は同じなんだと思いました。

 普段、親しくしている友人も、実は仕事については非常に濃く、熱い話ができるのかも。業界や業種は違えど、良き発見や気付きが得られるのですね。

Comment(4)

コメント

コラムの趣旨とまったく違う話ですが。バスガイド、特にはっきりと回る名所が決まっているようなバスツアー。東京のハトバスや京都の観光バス。など、ガイドとしてプロのトレーニングを受けたガイドより、そのガイドする観光地について、本当に興味があって、勉強している人のガイドにのってみたいなと思ってます。京都なら、大学で平安時代の歴史を勉強しているひととか。東京なら、江戸の歴史を研究しているひととか。多少敬語が変でも、説明が下手でも、そういうガイドにガイドしてもらいたい。京都や東京には多くの学生がいるので、そういう学生のアルバイトを募って、ツアーバス業をベンチャーとして、やるような人はいませんかね。いまは、外国人が主な客でしょうから、語学、中国語、英語が必要になってくるでしょうから、ガイドできる人は限られてしまうかもしれませんが。

組長

yamamotoさん

こんにちは。コメントありがとうございます。

京都だと、外国語が出来る人がボランティアでガイドをなさってる人もいらっしゃいます。前にやってみようかなーと思ったことあります。ご自分のお好きなツアーをお探しになられてはいかがでしょうか。たくさんあると思います。

さる

プロ意識というか理想が高い人っていますねえ。
仕事を賃金を得るための手段としか捉えていない人間には厳しい職場です。

組長

>さるさん

こんにちは。コメントありがとうございます。

>プロ意識というか理想が高い人っていますねえ。
>仕事を賃金を得るための手段としか捉えていない人間には厳しい職場です。

おっしゃる通りで。笑

実はわたし自身が仕事を「賃金を得る為の手段」として捉える気持ちが強くなっていた時だったので、彼女たちによって精神的にピリッ!とさせてもらえました。

コメントを投稿する