“アラサー”IT系女子 vs チョコレート王子(1)
こんにちは。9月17日のITコミュニティ夏祭りにて、トークセッションに出させていただきました!東京で飲むわ、食べるわ、の大騒ぎ。自分史上最高に太っている組長であります(号泣)。
さて、前回予告した「自分の身近な友人、知人からプロとしての心意気、職人魂を感じ、新たな気づきを得る!シリーズ」ですが、いよいよ本格的にお送りしたいと思います。事前にご紹介したとおり、ショコラティエの喜多川勉氏(以下、勉さん)へのインタビューを予告しておりましたので、内容をドンとご紹介!
※「」内は、いただいた回答をそのまま引用しております。
■なぜ、現在の職業を選ばれたのですか?
「好きなものであり、より広めたいと思うものであったから」
チョコレートは、勉さんにとってテンションの上がる、何とも形容しがたい魅惑的な食べ物であり、深い魅力を感じていらっしゃいます。お菓子の勉強をしていると、カカオは体に良いことが分かり、おいしいだけではないことも魅力の1つ。チョコレートを食べたら鼻血が出るなど、健康に良くないイメージがありますが、実はおいしくて甘いだけじゃなく健康にも良い、と言えるのです。
また、留学先のフランスで感じたこともチョコレート専門店開業へのきっかけに。日本は、他国の文化をたくさん取り入れ「独自の文化+他文化」という多様さを生むことが特徴です。一方で流行が移ろいやすく、流行りのお菓子や、お取り寄せグルメが次々と出ては忘れられていくことも……。
フランスは、逆に自国ラブ! 独自の文化をとても大事にします。贈り物など、ここぞという時に選ばれるのはやはりワイン、花、チョコレートなど定番化しており、その街に根付いているものを選ぶ傾向が、日本よりも強いとのこと。
日本では、チョコレートが好きで季節を問わず年中食べたいという人はいても、チョコレート専門店は多くありません。ケーキ屋さんの片隅で売られていたり、バレンタインの季節だけ扱われているのが現状。通年販売していないのが、勉さんにとっては非常に疑問だったそうです。
このようなことから、チョコレートの魅力を広めたい! 1年中チョコレートが食べられるお店を! という思いで始められました。
■幼少期、どんなお子さんでしたか?
「家族の誰かが同業種――飲食のような、似たようなこと――をしていたのではないので、そういう意味の影響を受けていたとは思えませんし、言動をしていたこともないですが、誕生日にはケーキを食べるのを楽しみにしていたり、クッキーやケーキなど簡単なものをわりと作っていたとは思います。そういう意味では何らかの影響はあったとは思います。振り返ればそう言える、ってことぐらいですが」
プログラマの傾向として、「子供のころから、おもちゃを自作していた」タイプの人が、わたしの周りで多いということを発見しました。わたしは運用系のエンジニアなので、「ものづくり」とは少し縁遠いタイプですが、そういえば子どもの頃から「あるものだけで工夫していた」タイプで、「ないものを自分で生み出す」タイプではなかったので、チョコレートを作り出す勉さんの幼少期について興味があり、聞いてみました。
世代が近いため、懐かしい話が続々。電子レンジでチンしたら出来上がる蒸しパンを作った話が出てきたり。わたしも好きでした! 軽焼きもすごく楽しい思い出だそうで、プーと膨れて来るのがビックリするやら、楽しいやら。中でも「ショコラティエらしさ」を感じたのが、「肉は、焼いても肉だけど、卵と小麦粉を混ぜて焼いたらケーキなど、全く違う物体になって生まれてくる」というお話。「作った!」という感じがすることと、全く違った形状や味になるのが面白かったのだそうです。なるほど。やっぱり「作る」のがお好きだったのですね。
■プロとしてのご自分について
Q1:プロとアマの違いとは何だと思いますか?
A1:「簡単に言うと、お金をいただくってことでしょうか。価値を見い出し、作り出し、それに代わる対価報酬をいただき利益を出す、のがプロと思います」
200円のものを20万円として売ることも可能。お客様から価値を見出してもらえたら、売買が成立します。自分が作り出したものに対して、代金をいただきすぎても(=高すぎても)、いただかなさ過ぎても(=安すぎても)、続かない。自分が定めた値段(=作ったものの価値)は、自分の責任。「お客様が、お店に2度、3度と足を運んでくださるか?」と考えた時に、互いにとってちょうど良い価値であるよう心掛け、利益を出すと共に、続けていくということがプロ。「自分が作ったものに対して、お金をいただく」という点が最も重要な違いであると、お考えです。
例えば、プロ野球選手のように、自身の成績に対する年俸を求めて毎年契約を更新していくという形式がプロとして分かりやすい姿ではないでしょうか。「選手として契約が続いていくか」ということを「お客様がずっと通ってくださるか、支持していただけるか」に置き換えると、買い物に来たお客様と常に対峙して契約更新をしているようなもの。イチロー選手のように長く第一線で続けて行きたい、とのことでした。
Q2:自身のプロとしてのこだわりを教えてください。
A2:「常にチョコのことを考えている……ってことでしょうか」
自身の中で確固たるコンセプトがあり、決めたことを守ってのがプロとしての矜持。具体的には、値段をコロコロ変えずに続けることなど。また、自分がお客さんとして考えてみたときに嫌だと思うことはしない! ということも重要。「変えない。変わらない」という頑なさではなく、「変えるのならば良い変化になるように」ということを意識されてます。
また、「チョコレート=バレンタインデー、甘い」という一般的なイメージではなく、「通年で営業しているチョコレート屋さんってどんなん?」ということを自身で体現していることも、こだわり!
Q3:今まで携わった仕事の中で最も印象に残っているエピソードは?
A3:「いろいろありますが……挙げるとキリがないので。お手紙をもらったお客様がいます。その当時、大好きな『チョコ』というものも口に入らないくらい、何かに悩み、とても気が滅入って落ち込んでおられたようでした。そのお客様が僕のチョコを購入してくだり、口にしたとき、いままで悩み考えていたことが嘘のように軽い存在のものになり、前を向いて歩いていくエネルギーをいただけましたという主旨のことが書いてあったんです。とってもパワーが詰まったものを感じました……私も頑張ります……と。
そのお客様がいまどうしているかは分かりませんが、いただいたそのお手紙は今も大切に持っています。僕の作っているものが、誰かの何かのきっかけになるエネルギーの詰まったもの、確かにこのお客様にはそうであったという事実が、僕にまたパワーや勇気を与えてくれますし、何かのときに読み返しています」
たくさん、お話を伺ったので、今回はいったんここまで。印象に残っておられるエピソードはとても素敵だと思いました。仕事がつらく、時にそのつらさに潰れそうになる時があるからこそ、こういったお客さまからの『想い』が心の中にたくさん詰っていると、非常に元気づけられますよね……。(わたしも頑張ろうー!)
次回は、今後のことや普段の姿について迫ります。
コメント
インドリ
チョコレート職人さんも私と似た事を考えていると知って、驚きと喜びを覚えました。
やはり職人は考える事が同じですね。
続きを楽しみにしています。
組長
インドリさん
こんばんは。コメントありがとうございました。
私も話してみてやっぱり職業人として、行きつくところは同じなんだなと感じて
とても面白かったです。楽しんでいただけて嬉しいです。次回も乞うご期待!
良いものが書けるように頑張ります。