【35】フリーランスと法人と会社設立に関するあれこれ
こんにちは、手塚規雄です。
フリーランスとして働いている方には、個人事業主の方と法人の方がいます。私は法人を設立して契約時は法人で契約しています。そんな私が個人事業主のフリーランスの方によく聞かれるのが
・法人ってメリットあるの?
・法人作る時には何に気をつけたらいいの?
今回はこの2つについての話となります。
ITエンジニアの法人化メリット
ITエンジニアに限らずやっぱり最大のメリットは節税です。個人事業主より幅広く経費化できるのは大きいです。その代わりに国民年金と国民健康保険が厚生年金と健康保険にかわるので保険料負担が大きくなります。また会計面においても税理士の先生がいない間違いや勘違いがないか不安な面もあります。この保険料や税理士報酬で場合によっては節税分が無くなるのであまり意味がないかもしれません。
次にあまり知られていないのが消費税です。納税のほうでなく報酬の話です。案件紹介会社を通すと報酬が個人事業主と法人で消費税分違う会社が多いです。
個人事業主 : 消費税分の加算なし
法人 : 消費税分の加算あり
今の消費税では単純に売上が8%違います。個人事業主だと消費税の納税免除事業者が多く、法人だと納税者が多いから、という理由らしいです。個人的にはこんな理由はしょせん建前で、本音は単なる外注費削減だと思いますが。そのため法人になるだけで単純に8%の売上アップは大きいと思います。もちろん1000万円以上の売上があればきちんと消費税の納税も必要になります。
法人設立にあたってのあれこれ
法人設立については様々なサイトで情報が得られるのですが、自分自身が実際に設立する際にサイトの情報だけではわからなかった点、気が付かなかった点についてお話しします。
1:個人の実印と法人の実印、角印、銀行印の作成
法人の印鑑が必要なのはわかりますが、個人の実印も必要です。私はたまたま作成済みだったので問題なかったのですが、印鑑を作るだけでも個人と法人を合わせると2万円弱~3万円必要になります。この出費は忘れないようにしてください。
2:法人の登記事項証明書は多めに貰っておこう
私は結局10枚以上必要になりました。携帯電話、無線ルーター、賃貸、銀行、レンタルサーバー関係、会社との契約時、クレジットカード、paypalなどなど、様々なところで必要となりました。最初は無料らしいので多めに貰っておきましょう。その後は1枚500円必要となりますし、ネットで申請しても郵送で受けとりまでに時間がかかります。
3:銀行の法人口座開設に関するあれこれ
これは結論から言えば「運」です。同じ条件、同じ銀行でも担当者が違うだけでできる、できないが変わるのではないか?と言われています。ですが、次の条件でも法人の銀行口座は作れるというのは私自身が証明しました。
・固定電話は無くても作れる
・資本金は50万円未満でも作れる
・地方銀行でなくメガバンクでも作れる
もちろん固定電話はあったほうがいいし、資本金も多いほうがいいし、地方銀行のほうが可能性は高いと思います。また銀行のサイトで法人口座開設のページで必須事項と明記されている場合はダメです。ネット銀行系では固定電話が必須と明記されていることが多く、他にも会社公式のホームページ必須という銀行もあります。こういった初歩的なミスもあるので銀行の法人口座開設に関するQ&Aは必読となります。ちなみに私はみずほ、楽天、ゆうちょの3銀行の口座を作りました。
次にネットで情報を集めていて思ったのが、会社の所在地がバーチャルオフィスだから口座開設できない人が多いのでは?という印象を受けました。法人の銀行口座は振り込み詐欺などで使われやすく、犯罪防止のため年々難しくなっているという話です。私の場合は会社の所在地と個人の住所は同じです。事務所兼自宅です。自宅と法人本店所在地が同じで困ることはありません。変な営業が自宅に来ることもありません。売れてなさそうな税理士からの売り込みDMは届きますが、それも2、3通程度。あとは納税に関する重要な書類などが届くので自宅のほうがかえって安心します。
4:法人名について
まず税理士の先生から言われたのが「英語3文字とかは絶対にやめてください!」です。世の中にいっぱいありますから。また他社と同じだと場所は全然違っても勘違いされてしまう事もあり、トラブルの元になります。リスク回避のためにも他社と同名になるのは避けたほうがいいでしょう。
次の問題はドメイン名です。法人名でこれだ!と思ってもドメイン検索するとすでに使われている会社があればそれもボツです。のちのちに法人で使うドメインを作る時にドメイン名を考えるのが面倒になります。一人法人や会社法人で「co.jp」ドメインまでは取らなくていいと思いますが、Gメールなどのフリーアドレスより「.jp」や「.com」にしておくだけでも印象は大きく変わります。
最後に「由来」を考えましょう。名刺交換した時に法人名の話題になると「どうしてその名称にしたの?」「由来は?」など絶っっっっっっっっっっっっっ対に聞かれます。後付でもいいので「由来」を考えておいたほうがいいでしょう。答えられないと印象が悪くなります。
なんだかんだ第一印象は悪いよりは良いほうがずっと得します。
もし今現在、個人事業主でフリーランスなら法人化しておいたほうがいいと思います。今でこそ法人設立は簡単ですが、将来は逆行するかもしれません。作るのもたたむのも簡単なら今のうちに作っておいたほうが何かと便利、だと個人的に思っています。
コメント
引退者
青色申告の場合との比較が無かったのが残念。
というか、その点へのツッコミコメントが皆無なのに驚いたんですけど…