【21】エンジニアはドM?
こんにちは、手塚規雄です。
最近思うのは、「エンジニア=ドM」という話。
かなり的を射ている表現と思っています。ドMというより相手の言いなりになっている人が多い。それを一番強く思うのが仕様検討の時です。それはなんでもかんでも顧客の言う要望や仕様を忠実に作るのを至上の目的としている点です。その姿勢、本当の正しいの?
顧客の要望実現に一生懸命になるのはいいコトです。いいコトですが、それがいつも正しいとは限りません。それはどんな場合か?その答えはカンタン。
顧客が決めた仕様 = 顧客が本当に望んでいる未来
これが成り立たない時です。さてそれはどんな時か?
会社がシステムを発注する時に、よくある勘違いは
「これから開発するシステムこそが銀の弾丸だ。システムがあるだけで今ある問題が全て解決してくれるに違いない!」
「システムを作れば、売上が倍増し、人件費が半減する。システムさえ作ってしまえば何も問題ない。だからお前らは俺達の要望を応えたシステムさえキチンと作ってくれればいい。」
というもの。発注者がITに詳しくない、もっとハッキリ言ってITに疎い人間。そういう方々はシステム化すれば何でもできると思っています。こんな間違った思考状態です。こび思考状態はITのシステム開発で言えば「○○ならプロジェクトは失敗しない。○○こそ我々が求めていた銀の弾丸だ!」と言っているのと同じです。そんなモノ、あるわけないです。潜在的に求めしまうからこそ、この手の話題はいつになっても無くなりません。
さて、ITに疎い方々はこの間違った考えを今でも強く信じています。こういう人たちの言うことを素直に聞き続けていけばどうなるのか?そんなのはみなさんのご想像通りです。間違いなくどこかで失敗します。開発途中なのかリリース直後なのかそれはわかりません。でも顧客がイチャモンを付ける日がいつかはやってきます。それを分かっていて言いなりでいいのか?という事です。エンジニアがドMと言われている理由。それはこの部分、分かっていながら言いなりになっている事を指しています。
他業種、他業界の方から言わせれば、こんなエンジニアを評価するなら「バカ」の一言です。エンジニアは否定しますが、私も「バカ」という評価に同意です。もちろんエンジニアの言い分もわかります。顧客を怒らせると問題になる。こっちは仕事とお金をもらっている受注者。立場が弱いからしょうがない、という理由から顧客の間違いを指摘しません。またはものすごーく遠回しに相手に気が付かれない程度の指摘しかしません。
それ、もう辞めませんか?
指摘しないと後々問題になり、地獄を見る。指摘すれば怒られ仕事が無くなる。その究極の二択しかないと思い込んでいるかもしれません。でも指摘しても、それほど問題にはなりません。万が一、相手が激怒したとしても、今後も仕事上お付き合いしたいですか?という点を考えれば、じゃあコチラからお断りだ!と言い切るのも一つの手です。
サラリーマンだと責任を取れないのでそういった発言ができない、というのもわかります。でも決済権を持つ人間が前もってこういうダメ顧客だとわかったら断ってもお咎め無しルールなどをしっかり幹部に根回ししておくのも仕事のうちかと思います。
独立して一人で責任を持つ立場、決済出来る立場になると、顧客も自分の判断で自由に選べる。だからストレスが物凄く減ります。フリーランスとしての仕事の場合だと、責任も取りにくいし、決済権もないのでそこまで自由にはできません。だからこそ自分で創りだした仕事に関しては、たとえ受注する立場であっても顧客を選んで仕事をしています。そうすると断られても痛くもないし、顧客が気に入らなければ相手が発注したくてもコチラから断ることができる。そうすることで発注側とも対等に交渉することができます。
受注側は仕事が無くなるのが恐い。だから相手の言い分や相手の要望を飲んでばかりいるからナメられて不利になっていく。そのため受注側は立場が弱いと勘違いしてしまいます。断ること、相手の間違いをしっかり指摘することができる。そうすることで発注と受注の立場が対等になる。
まあいつになってもナメられてもいいドMなエンジニアのままでいいなら、断るとか間違いを指摘するとかしなくてもいいかもしれませんね。