元底辺エンジニアが語る、エンジニアとしての生き様、そしてこれからの生き方

生き様187. 白栁流文章の書き方講座

»

花粉+寒さ!

暖かい日も少しづづ増えてきて、過ごしやすくなってきました。
それにともなって、花粉の飛散量がアップ!目鼻がしんどいです。
僕はそこまで重い方ではないのですが……やっぱりキます。

そこにたまにある寒の戻り。
寒くて風が強くて、花粉が飛んでて……。
これはこの世の地獄では!?

まだまだマスクが手放せない日々が続きそうです。


文章を書くのは難しい

私は、普段から日本語を話して生活しています。
ですが「日本語で文章を書けるか」というと、また別の問題の様です。
それは「文字が書ける」ではなく「文章が書ける」ということです。

昨今、SNSを使って、文字でのコミュニケーションが活発に行われています。
ですが、それはあくまでも「文字」や「単語」でのコミュニケーションが主です。
精々が「短文」という範囲。長い「文章」とはまた異なるものなのです。

最近、仕事等で何人かの文章を目にする場面がありました。
その時に、共通する問題を見出すことができました。

例えば、日常であった場面を描いたこんな文章があります。

道の向こうからスーツ姿の四人が道幅いっぱいに歩いてきたので、邪魔だなと思いながら道を避けたんだけど、ああいう人達が「うちの会社さえよければいいんだ」って不正を働くんだなって思った。

是非声に出して読んでみて下さい。
会話としては不自然が少ない(無いとはいわない)内容でしょう。
しかし、文章として読むと、伝わりにくくなっています。

今回は、この文章を主な例文として使って、「ビジネスで使える伝えやすくする文章作成のコツ」をまとめました。
これは、普段白栁が文章を書くときにやっていることです。

もしかすると、この文章のどこが問題か、分からない人もいるかもしれません。
そういう人にこそ、今回のコラムを読んでいただきたい、と考えています。


ポイント1:脊椎反射で書かない

脊椎反射で書いていいのは、友達とのメッセージまで!

白栁自身もけっこうやらかしています。
SNSで友人にメッセージを送るときには、深く考えず脊椎反射的な文章を書きます。

後で読み返してみると、ニュアンスは判るものの使い方が不自然な日本語があります。

例えばこんな感じ。

頂いたサンプルを、大変参考にして作ります!

気持ち的には「サンプルをこれから研究して、強く参考にしながら作ります」感じ。
前のめりな気持ちと、相手との距離感のチグハグさが感じられます。

これを少しフランクにするなら

ガッツリ参考して作ります!

より丁寧にするなら

頂いたサンプルを研究し、色々参考にして作ります。

という形でしょうか。
他にも色々あるかもしれません。
一旦立ち止まって、文章の意味を考え直すことが必要となります。

脊椎反射的に、言語センスだけで文を書くことには他の問題もあります。
例えばスラングです。
これは、特定のグループ内だけで伝わる俗語です。
グループの外の人間が目にする文には相応しくありません。
ネットスラングも、仕事では使いませんから。


ポイント2:箇条書きで書く→膨らませる&削る

「文章そのものが書けない」という悩みをよく耳にします。
白栁は「呼吸をするが如く文章を書けてしまう」側の人間なので、よくわかりません。
(白栁が「書けない」ときは「ネタがない」か「気分が乗らない」時です)

とはいえ、最初からそうだったわけではありません。
幸いなことに、文章の書き方を、小学校6年間掛けて教わっているのです。

その方法の最初は「書く内容を箇条書きで書き出す」です。

・昼飯を買いにラフな格好で外に出た ・スーツ姿の集団(4~5人)が向こうからきた ・狭い歩道で道幅いっぱいに広がってた ・通れないし道を空けてくれない ・店の軒先を使って避けた ・ちょっとイラッとした ・なんでどいてくれないんだろう ・自分だけが良ければいいのだろうか ・そういう考えが不正しそう

箇条書きで書き出すなかで、付け加えたい情報も色々出てくるかもしれません。
ですが、ここでは取捨選択をせずに、全部書いてしまいましょう。
もちろん脊椎反射的な言葉で書いてOKです。
まず、文字にして書き出すことが大事なのです。

そうしたら、足りないことがないか確認して、とりあえず「がはにて」等の接続詞で雑に繋ぎましょう。

「昼飯を買いにラフな格好で外に出た」ら「スーツ姿の集団(4~5人)が向こうからきた」のが「狭い歩道で道幅いっぱいに広がってた」のに「通れないし道を空けてくれない」ので「店の軒先を使って避けた」から「ちょっとイラッとした」ので「なんでどいてくれないんだろう」って思ったのは「自分だけが良ければいいのだろうか」って見えるので「そういう考えが不正しそう」って思った

ちょっと繋ぐ言葉が増えていますが、1つの文章になりました。
ここから、余分だなって感じる文章を削って整えると、今回の例文になります。


ポイント3:事実と感想を分ける

道の向こうからスーツ姿の四人が道幅いっぱいに歩いてきたので、邪魔だなと思いながら道を避けたんだけど、ああいう人達が「うちの会社さえよければいいんだ」って不正を働くんだなって思った。

この例文を少しだけ読みやすくする為に、文章を区切っていきましょう。
コーディングと一緒です。
機能ごとに文章の単位を区切るだけです。

例えば、「事実」と「感想」を分ける

道の向こうからスーツ姿の四人が道幅いっぱいに歩いてきたので、邪魔だなと思いながら道を避けた。 ああいう人達が「うちの会社さえよければいいんだ」って不正を働くんだなって思った。

どうでしょう。少し読みやすくなったでしょうか?


ポイント4:「思う」は使わない

例文には「思う」が2箇所でくることに気付いたでしょうか?

道の向こうからスーツ姿の四人が道幅いっぱいに歩いてきたので、邪魔だなと「思い」ながら道を避けた。 ああいう人達が「うちの会社さえよければいいんだ」って不正を働くんだなって「思った」。

よく使われる言葉ですが「思う」という言葉は、いろいろな意味で使われます。
他の言葉で置き換えるなら「感じた」「考えた」「願った」「想像した」まだ他にもあります。
この様に、広く捉えることができる言葉は、受け手により伝わる情報が変化します。

そういう情報伝達のロスを少なくする為に、「思う」の様に広い用途で使われる言葉は避けます。
もちろん、その言葉以外に適切な言葉が見つからないときまで、避ける必要はありません。
うまく置き換えられる言葉が見つから無いときなど、とりあえず置いておきましょう。
後で文章全体を見直す中で、代わりの言葉が見つかることもあります。


ポイント5:接続詞で適度に文章を区切る

ポイント2で頑張って繋げましたが、適切なところで区切りましょう。 特に「誰が」が異なる部分を分けると、情報が整理されて読みやすくなります。

追加機能について、御社の営業窓口A氏は「ぜひ実現してほしい」と強く推していますが、担当のB氏からは「実際に入っても使わない」と伺っており、弊社技術者の見解としては「実装コストと軽減できる手間が釣り合わないのではないか」という意見がそれぞれ出ています。

という文章を

追加機能について、御社営業窓口A氏は「ぜひ実現してほしい」と強く推されています。 御社担当のB氏からは「実際に入っても使わない」との意見を伺っております。 弊社技術者の見解としては「実装コストと軽減できる手間が釣り合わないのではないか」との意見がでております。

とすることで、少しだけ情報が整理されます。
ここは箇条書きを使うともっと情報が整理できます。

最後に例文を整えてみましょう。

道の向こうからスーツ姿の四人が道幅いっぱいに歩いてきた。 邪魔だなと感じながら、僕が道を避けた。 ああいう人達が「うちの会社さえよければいいんだ」って不正を働くんだなって考えた。


まとめと白栁の弱点

簡単なポイントをまとめましたが、1日2日でどうなるものでもありません。
自分の文章のクセを知って、改善していく中で、自然と解決するものです。
その為にも、日常的に文章を書きましょう!
その方法として、日記はとても良い習慣です。
他にも、エンジニアライフにコラムニストとして参加したり、Qiitaに投稿したりするのも良いでしょう。

新人研修の中には、「ビジネス文章講座」というカリキュラムもあります。
電話応対とともに、普段使っている様で、しっかり使えていない作法を知ったり、感覚を切り替える方法を学ぶ内容になっていたはずです。
僕も20年以上前に受けているのですが、全く覚えていません。
覚えてないレベルで血肉になっている、といいのですが……。

ここまで偉そうに白栁流の文章テクを書きました。
しかし、白栁の文章には致命的な弱点があるのです。

「何故か、ケンカ腰になっていまう」

ビジネスメールで、上司から「ケンカ売ってんの?」と冗談交じりに指摘されたことは一度や二度ではありません。
「そんなつもりはない」「気をつけます」とは言えども、どうしたら良いか判りません。
どなたか「ケンカ腰に見えない文章の書き方のコツ」をご存知でしょうか?
もし、ご存じの方はコメント欄等で教えてください。
切実にお待ちしております!

以上!

Comment(0)

コメント

コメントを投稿する