言語の歴史は人類の歴史。そして人類はコンピュータを言語で動かすようになった。

データを読み解かなくなった人の末路

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ITの仕事に限らず、データをよく読み解くことは大事です。データとは、例えばドキュメントだったり、何かのログだったり、統計だったりします。データをよく読むことで、色々な事実が見えてきます。いろいろな事実が見えるというのが大事で、思索をする材料を得ることができます。結局、データを読まずに思索すると、狭い視野でしか思索ができないので安直な結論になり易いです。論理的な思考をするには、データを読み解くことが重要です。

ただ、データを読み解くというのは非常に根気のいる作業です。やれば誰でもできるが、手間がかかるのでやらない人が多いです。なので、「できるけどやらない」という選択肢を取る人は、データをスルーします。「まずは地道にこなす」という選択肢を取る人はデータを読み解きます。データを読み解こうという意思があるかどうか、その姿勢を起点に、大きな積み重ねの差が生じていくのです。また、データを読み解くことを繰り返していると、データを読み解く力が身につきます。これも、大きな差になります。

現代人は非常にスピードを重んじます。ビジネスと言えばスピードです。教育でも、理解の深さよりも早さが評価されます。なので、短期的に見れば「できるけどやらない」人の方が結果を出すことができます。おおよそ、エリートと言われる人の大半が「できるけどやらない」を選ぶ人です。今の世の中は、こういう人たちが重要なポストに就きやすい構造になっています。その結果、大企業で働く人や政治を動かす人の大半が「できるけどやらない」人です。

そんなことで、政府のコロナ対策にしても、今携わっているプロジェクトの運営についても、似たような欠点が露呈しているように思います。状況を分析して手段を模索するという選択肢が抜け落ちて、イエスかノーの極論に走りやすくなります。その結果、説明が抜け落ちて、義務感や感情で人を動かすようになります。そういう現状にいろいろと不満はありますが、データを丁寧に読み込むという逆のアプローチをすることで、けっこういい感じに対応できてしまいます。

頭の回転が速い人でも、データを読み解く積み重ねを怠れば、頭が高速回転するバカになります。動きが早い分、むしろ普通のバカよりタチが悪いです。本当に優秀な人は、日々の積み重ねでデータを読み解くのが早いです。そういう人を安易に模倣すると、データを読み解かずに結果をだそうとする人になります。技術の本質はデータを読み解くことだと考えています。これからの時代は、スピードに流されずに着実にデータを読み解いていける人が結果を出していけるのではないでしょうか。

Comment(3)

コメント

おたみ

個人的な経験からですが、「できるけどやらない」人は「他人から貰ったデータを鵜呑みにする」言い換えれば「裏を取らない」傾向が強い気がします。


まぁ、「面倒くさいことは他人にやらせて、結果だけをうまくかすめ取る」というのも能力の一つだとは思うのでその点については言及しませんが、「うまく」の部分がお粗末だと自分も周りも困ることになりますね。


- Horus -
確かに。やらかす人って裏を取らないですよね。ただ、「うまく」やろうとすると長期戦が大変になる。長期的に考えると、結局、「地道にやった方が楽だった」になり易いです。

ちゃとらん

私の考えは、少し違います。


> やれば誰でもできるが
やっても誰でも出来るものではない…と。

> 「できるけどやらない」人
「出来ると思っているだけでやらないのではなくできない」人・・・長いな(^^)

> データを読み解くことを繰り返していると、データを読み解く力が身につきます。
データを読み解くことを『繰り返して』いないと、データを読み解く力が『身に付きません』

> 結局、データを読まずに思索すると、狭い視野でしか思索ができないので安直な結論になり易いです。
データを一朝一夕読んだだけでは、狭い視野でしか思索ができないので安直な結論になり易いです。


つまり、データを読み解く習慣(訓練)が出来ていない人は、データを眺めているだけで、論理的な思考もできず、物事の本質を見誤る…という感じです。


データを読みもしない人は、論外です。


> これからの時代は、スピードに流されずに着実にデータを読み解いていける人が結果を出していけるのではないでしょうか。
御意!


- Horus -
一番の違いは、誰でもできるかできないかというとこでしょうか。見る角度に多少の違いはありますが、結論に大きな差はないかと。

おたみ

「できるけどやらない」のではなく実際には「できると思ってるだけ」の人が多いということでしょうかね。

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