言語の歴史は人類の歴史。そして人類はコンピュータを言語で動かすようになった。

プロパーの知らない世界

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SESの協力会社の人というのはプロパーに対して非常に好意的、かつ、協力的に接してくれます。どんなミスをしてもフォローしてくれるし、困難なタスクにでも真摯に取り組んでくれます。ただ、プロパーの見ていないふとした瞬間、「チッ・・・」と誰にも悟らぬかのような舌打ちをしているのをたまに見ます。普段の穏やかさとのギャップが凄まじく不気味です。協力会社の人にかかる負担の大きさが垣間見えます。

それを知ってか知らぬか、まるで自分が選ばれた人かのように振舞うプロパーを見ていると、何とも残念な気持ちになります。失礼な言い方ですが、立場が強ければ、どんなに無能でも優位に振舞えてしまいます。それは自覚した方がいいです。ただ、プロパーの立場の人すべてが無能という訳ではありません。もちろん、きちんとした人もいます。このコラムで問題提起したいのは、無条件に与えられた優位性はコントロールが難しく、翻弄されると自分を蝕んでしまうということです。

まず、何も労せずに人から優遇されると努力をしなくなります。よく大企業の人が転職するとき、「自分はこのくらい仕事ができるだろう」と強気に出て、いざ行動に移してみると、自分の市場価値の低さに絶望する。そのような話をよく聞きます。自分では努力しているつもりでも、優遇されることで結果が出たと勘違いする人は多いです。なので、私は自分の実力以上に優遇されるのは大きなリスクと考えています。ご自身がどうなのかは、それぞれで考えてください。

もし、プロパーの人が会社を辞めた時どうなるでしょうか。下手をすると自分の見ていないところで舌打ちをしていた人と同じ立場で働くことになるかもしれません。彼らと立場が対等になった時、彼らはいったいどう振舞うのでしょうか。彼らに対して行った理不尽がそのまま返ってくるかもしれません。プロパーさんにも、薄々きびしい現実に気づいている人はいるようです。ただし、技術を磨くより今の現状に必死にしがみつく選択をする人がほとんどです。

協力会社の人は、ミスをすれば追求されますし、意見を言うにも根拠や裏付けの説明が厳しく求められます。ただ、よくよく考えるとエンジニアとしては普通の話です。この普通を忘れて、大きなミスをしても協力会社の人のフォローに甘えたり、立場に任せて自分の意見を通したりしていないでしょうか。プロパーの知らない世界。それは、普通のエンジニアが持っている、技術を通して見る世界かもしれません。それが見えているかどうかは、あなた次第です。

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