言語の歴史は人類の歴史。そして人類はコンピュータを言語で動かすようになった。

ドスを利かせることでプロジェクトは回せるか

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タイトルを見てナンセンスと感じた方も多いことでしょう。ただ、立場や権力を振りかざしてプロジェクトを回しているマネージャはたくさん見かけます。実質、暴力で相手に圧力をかけて従わせるのとあまり変わりません。このやり方が、歌舞伎町の怖い人がドスを利かせて人を動かすやり方に似ています。このコラムでは、圧力をかけることでプロジェクトの運用をすると、どうなるかを考えてみたいと思います。

今の時代、怒鳴りつけたり脅したりするとパワハラで注意を受けます。最近、露骨に恐怖心で圧力をかけてくる人は減りました。ただ、本当の圧力というのは立場や査定による圧力かと思います。怒鳴られたり脅されたりするのと同じくらいに、立場を追われることや査定が下がることを恐れる人は多いのです。世の中ではこういう圧力を「同調圧力」というのでしょうか。プロジェクトの運用にそういう圧力を使う人はまだまだ多いです。

その結果、みんな穏やかだが空気が重いという、奇妙な状態になります。昔は暴言で直接圧力をかけていたので露骨に空気が重かったです。みんなが穏やかだと、確かに言葉による直接的なダメージはありませんが、空気の重さは変わりません。受けるストレスは軽くなるかもしれませんが、圧力はかかるので、仕事でのフットワークは依然として重くなります。

ただ、そんな環境でも順応すれば快適なので、多くの人は順応を選びます。その結果、組織が硬直化します。こういう組織に私のようなエンジニアがSES経由で外から入ると、ものすごい違和感を感じます。マネージャレベルの人が致命的なミスをしても、みんなで気づかないふりをしてニコニコしています。社内で居ついている人にしてみれば理想郷かもしれませんが、社外から来た人にとってはディストピアです。マジでキモイです。

そういうディストピアで仕事をするには、逆説的にドスを利かせて人の感性に訴えるしかありません。とはいっても、暴力的な手段ではなく、笑顔で追い詰めてドスを利かせます。具体的なデータと裏付けを集めて、十分に理論武装したうえで「このままやったらまずいかもしれませんよ (^▽^)」と、何重にもオブラートに包んた爆弾をぶん投げます。人間関係に依存する人たちと仕事をする以上、どっかでドスを利かさないと話が通じないことは多いです。

穏やかな戦場で、花束を掲げてドスを利かす。それが現代社会というものなのかもしれません。

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