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多重派遣で怒るべきは企業だろ

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IT業界で多重派遣でのピンハネが問題になっているが、なんで仕事を頼んでる企業は怒らないのだろうか。例えば、100万円はらって高スキルな人材の派遣を依頼したとします。低スキルな人が来たとします。この時点で普通は怒ると思います。実情を確認したら、何社も間にいて中抜きをしていて、末端の人には30万円しか払われていないと分かったとします。ここまでやられたら、普通に考えて詐欺です。

IT業界ではよく聞く話ですが、初心者レベルのエンジニアを経験三年のエンジニアとして現場に送り出したとします。これをやられた初心者レベルのエンジニアは当然怒ります。ただ、もっと怒るべきなのは、お客さんの企業ではないでしょうか。高級ステーキを頼んだのに牛丼が出てくるレベルの詐欺です。それでもお客さんは、初心者レベルのエンジニアに「なんで仕事ができないんだ!」と怒りをぶつけます。怒りを向ける矛先が違います。

これだけ話題になっているので、お客さんの企業もSESの現状なんて筒抜けで知っていることでしょう。ここまで堂々と詐欺をやられているのに、多重派遣で中抜きするような会社に仕事を頼み続けます。これではボッタくり商法でカモにされ続ける老人と同じです。世界に対して技術で勝負するなんて、夢のまた夢です。経費削減で社員をリストラをする前に、こういう根本的な問題に対応すべきかと思います。でないと、ボッタくり続けられます。

実際のところ、多くの企業でSESの中抜きが容認されています。視点を変えると、ボッタくり商法でカモにされる老人のような企業が多いとも言えます。そういう低レベルな判断しかできない企業が多いということは、IT業界に限らず日本の社会問題ではないかと思います。こういう現状が成り立ってしまうのは、自分たち一人ひとりの認識の甘さからきているのではないでしょうか。

それでも今、働き方改革等を見ても分かるように、世の中の流れが変わってきています。リストラなど、思いつく経費削減をやり尽くしたとき、SESの中抜事情の不自然さにスポットが当たり、何らかのアクションはあるかもしれません。SESの多重派遣は、一番損をしている人が気づいていないことが問題ではないでしょうか。技術者が適正な賃金で働けるようになって欲しいものです。

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