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語学学習に適したラジオレコーダーSONY ICZ-R100を最速レビュー!?

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 前回のコラムに書いたとおり、今回はラジオレコーダーSONY ICZ-R100の、おそらく最速となるレビューです。と言っても、これだけを取り上げて評価するのではなく、2008年から愛用してきたサンヨーICR-RS110Mとの比較でレビューします(お時間が許せば、過去のコラム「ラジオ付きICレコーダーICR-RS110MF(その1)」と「ラジオ付きICレコーダーICR-RS110MF(その2)」などもご覧ください)。

 ICR-Z100の発売日は本稿を執筆している2月8日ということになっていますが、予約注文した筆者の手元には2月6日に届きました。この日は、くしくもソニーがVAIO事業からの撤退を発表した日でもありました(VAIOユーザーとして、このニュースを複雑な思いで聞きました。また、同日、北米からのReader Storeからの撤退も発表になりました。Reader Storeは楽天イーブックストアよりもイケておらず、iOSアプリはいまだにマンガと雑誌にしか対応していませんでしたので、ソニーがもはやSONY Readerに力を入れていないことは明らかでしたが、思ったよりも早い撤退に電子書籍作家のひとりとして寂しく思います)。 

 本稿は、2月7日に発売になった一太郎 2014 徹プレミアムで書いています(筆者は一太郎の日本語校正支援機能を利用していますので、編集部が本コラムをチェックする負担を多少なりとも減らせていれば幸いです)。また、ATOK辞書には、共同通信社 記者ハンドブック電子辞典 第12版 for ATOKを追加しています。一太郎を使っていると、ATOKだけでなくソプラウィンドウでも辞書引きできるので、書籍を使うよりも楽に記者ハンドブックを参照できて助かっています。

 最近もうひとつ面白いガジェットを手にしたのですが、この調子で他のことを書いていると何のレビューだか分からなくなりそうですので(もう分からない!?)、そろそろICZ-R100の話題に入りたいと思います。

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左から、iPhone 4S、ICZ-R100、ICR-RS110M

■ソニーらしいデザイン

 ICZ-R100の外観は、いかにも質実剛健な感じがするICR-RS100Mに比べると、洗練されていてソニーらしい感じです。

 一見してボタン(スイッチ)類が少なく、丸みを帯びていて、色も機械的な感じのするメタリックではなくて白ですので、親しみを感じます。

 大きさをICR-RS110Mと比べると、幅、高さ、厚みのすべてが少し小さくなっています。ただし、デザイン的には厚くなっているように感じます。重さは、ICR-RS110Mの92gに対して、ICZ-R100は82gとなっていて、10gほど軽くなっています。しかし、見た目が小さいためか、手にした感触は逆にICZ-R100の方がずっしりと感じます。

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デザインの妙味で、ICR-RS110Mの方が薄く見えます。

 本体の大きさはあまり変わりませんが、外部スピーカーを兼ねるクレードルの大きさはまったく違います。その分、音量、音質は違いますので、一概にどちらがいいとは言えないところもありますが、

Dsc_0182a部屋に置くと、大きさの違いを実感します。

■ラジオの感度がよい

 鉄筋コンクリートの建物ではラジオが受信しにくく、筆者の住むマンションでもICR-RS110Mでは窓際以外ではAMラジオが受信できないのですが、ICZ-R100では受信できます。また、音がくぐもるというマイナス面もありますが、ノイズキャンセル機能もあって聴きやすくなっています。

■液晶画面

 ICR-RS110Mよりも液晶表示が大きく、たくさんの情報が表示されます。また、バックライトが白なので、見やすく感じられます。

■PC連携でポッドキャストを聴ける

 ポータブルラジオのような外観のICZ-R50と同様、PCソフトSound Organizerが提供されています(ICZ-R50もよい機種だと思うのですが、残念ながら生産終了になっています)。

 Sound Organizerを利用することにより、ポッドキャストも聴けるようになっています。

■DAPでおなじみのAACもサポート

 圧縮フォーマットとして、MP3、WMAに加えてAAC LCをサポートしています。デジタルオーディオプレーヤー(DAP)ではAACを使うことも多いと思いますので、MP3とWMAのみをサポートしているICR-RS110Mよりも便利です。

 筆者の場合、iPod(その後はiPhone)用に録音してあったAACのオーディオトラックを、iTunesでMP3に変換する局面がありました。AACのまま聴けるなら、そんな手間はかかりません。

■「ちょっと戻す」機能

 語学学習、とくにディクテーション(聴き取り)を行う際には、再生時にちょっと戻す機能が重宝します。

 ICZ-R100ではイージーサーチ機能と呼ぶ機能で、設定によって、ワンタッチで1秒/3秒/5秒/10秒/30秒/1分/5分/10分戻すことができます。初期設定は3秒です。筆者が教材を聴くには適切な設定だと感じました。(イージーサーチには、送る機能もあります。)

 ICR-RS110Mではセンテンス再生と呼ぶ機能で、5/10/15秒だけ戻すことができます。5秒でもちょっと戻りすぎる感じです(長い時間戻す/送るには、タイムスキップという別の機能があります)。

 ICR-RS110Mには専用の「センテンス」ボタンがあって、ワンタッチで少し戻すことができます。一方、ICZ-R100にはこのような専用ボタンがないので、オプションでクイックサーチ機能をオンにした上で、|<<ボタンで操作することになります。

 こうした「モード」があるのは分かりづらい反面、ボタンを減らすことの効用もあって、トレードオフを考えさせられます。

■再生速度を変える

 ICR-RS110Mは、再生ボタンを押すたびに70%→150%→100%と再生速度を変えることができます(MP3の場合)。ICZ-R100では、再生中に▲ボタンを押し、DPC(速度調節)をオンにし、希望の速度を選択することになるので、速度の変更は3ステップ以上の操作になります。

 ただ、再生速度の変更はそう頻繁に行う操作ではありませんので、実用上はあまり不便を感じないでしょう。

 ところで、DPCはdigital pitch controlの略だそうですが、筆者が知る限りpitchには速度という意味はなく、もっている辞書すべてを調べても、速度という意味は見つけられませんでした。素直に解釈すると「音程(pitch)」を制御する機能があるのかと思ってしまいます。

■地味な強化ポイント

 以下の点は地味ではありますが、ICR-RS110Mよりも便利に感じられます。

  • 内蔵メモリ
    ICR-RS110Mでは、ストレージはmicro SDのみでした。ICZ-R100には内蔵メモリが8GBあり、語学学習だけに使用する分にはmicro SDやM2(Memory Stick Micro)を挿さずとも足りそうです。
  • 時刻合わせ
    1日に3回合わせてくれます。時刻合わせの際は、NHKラジオ第1放送または第2放送を受信できる必要があります。ICR-RS110Mは1日1回なので、持ち歩いていると合わせられないことがあります。ICZ-R100では時刻合わせの結果も確認できるのも、いいところです。
  • 予約
    ICR-RS110Mで不満だったのが、予約間で終了時刻と開始時刻が一緒であってはならないことです。たとえば、7:00-7:05と7:05-8:00という予約ができません。これは仕様と言うより、ほとんどバグだと思います。ICZ-R100では、当然ながら、そのような制限がありません(ちなみに、ここで挙げた例は、AFN Tokyoが土曜に放送しているAP Radio NewsThe Kim Komando Showです)。
  • ラジオ録音のビットレート
    ICR-RS110MではMP3 128kbps固定でしたが、ICZ-R100ではMP3 192kbps/128kbps/48kbps(モノラル)から選択できるようになっています。AMラジオの場合は128kbpsで録音する意味がないので、低ビットレートが選べるのは便利です。
  • 放送局のプリセット
    都道府県を選ぶと、放送局が自動的にセットされます。めったに行わない操作ですが、便利です。
  • コンパクトなクレードル
    ステレオ再生できるICR-RS110Mのクレードルと違い、モノラルになっていますが、その分だけクレードルがコンパクトになっています。

■直販のメリット

 VAIOの販売価格が引き下げになってクーポンをもらえたのと、さらに期間限定の別のクーポンが併用できたので、結構な割り引きがありました。発売日よりも2日早く入手できたこともあり、メーカー直販のソニーストアで買うメリットを享受できました。

■まとめ

 語学学習には便利なラジオレコーダーですが、なかなかよい機種が現れませんでした。スマートフォンで代替できると考える方が多いでしょうし、電機メーカーが置かれている厳しい環境を考えると、ICZ-R100は最後の機種かもしれません。

 ICR-RS110Mに比べてバッテリーのもちが短い点が気になるので、最後に触れておきます。自宅ではクレードルに置くよう習慣づければ、持ち歩いているときにバッテリー切れになることはあまりないでしょう。リチウムイオン電池なので、万一に備えたい場合には、モバイルバッテリーを持ち歩く必要があります。

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