【糠(ぬか)に腕押し】
■原典:暖簾(のれん)に腕押、糠(ぬか)に釘
■意味:
糠(ぬか)に腕押ししても、効き目がないばかりか、腕が糠(ぬか)臭くなってしまうことより、手応えがなく、効き目がないばかりか、逆に被害をこうむってしまうこと。
■解説:
SEは、時として、理不尽な要求をお客さまや上司から突き付けられることがあります。そのような場合に、当然、反論や説明をしますが、多くの場合は、「暖簾(のれん)に腕押」、「糠(ぬか)に釘」状態ですが、まれに、逆効果となり、言わなければ良かったという状態を引き起こすケースがあります。そのような場合は、「糠(ぬか)に腕押し」を使います。
「糠(ぬか)に釘」よりは、腕押しするほうが、反応はあるだろうという野暮な突っ込みはやめましょう。あくまで、類似のことわざの組み合わせの妙を楽しんでください。
●用例:
現木さん。この前の、予算も食いつぶしているのに、追加仕様を受けちゃったっていうプロジェクト、どうなりました?
今市課長に、そのことを言っても、全然らちが明かなくて、「糠(ぬか)に釘」状態でさ。
へえ、結構大変だったんですね。
そこで、ああだ、こうだと押し問答しているところに、古株部長が現れて、それならって、納期を前倒しされちゃって。
え? 意味分かんないんですけど。
もう、ほんとに、「糠(ぬか)に腕押し」って、感じだよ。
■解説2:
例えば、プロジェクトが納期遅れを起こしそう/または、すでに起こしている状態で、下手に上司に相談すると、先ず、人を増やす話が出ます。その場合、工数的に計算すると、納期が多少前倒しできるという結論になります。(参考:「火に水を注ぐ」)
そんな混乱している状態で人を増やすと、大抵、機能停止してしまいますので、人員増強は断るケースがあります。すると、人を増やして納期を短く設定された状態だけが残るケースが発生します。ニュートン力学では解明できない、巨大な力が働くと、時空が捻じ曲がるという相対性理論が適用されるケースです。