地方エンジニアが感じる地方・中小企業での悩み

避けられない爆弾

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 世の中には、触れない事が望ましい話題があります。政治や宗教といった個人の思想に関わる話題がそれにあたり、リアルだけではなく SNS でも、よくもめごとの原因となることが多いものです。多くの場面では、片方の正義を押し付けあうことで泥沼化したり炎上したりしています。冷静でいるときには、このような話題は出さない方がよいと理解していても、何かの拍子に話題にしてしまいもめてしまうことも非常に多いです。

 このような話題は、一般的なものに限らず IT の世界においても数多く潜んでいます。中でも主だったものは、利用しているエディターやOS、言語といったところでしょうか。このあたりの話題は、いつになっても揉め事の火種となる要因を抱えています。政治や宗教ほどわかりやすくはありませんが、誰でもそのような話題を持っているものです。

 この類の難しさは、相手と本気で話そうとすればするほど解決しない、という点にあるのではないでしょうか。好む話題であれば、本気で会話する事が多くなりますが、それが相手にとって地雷となる話題であった場合は、回復させるのが非常に難しくなります。本気で話している時ほど、自分の思いを伝えたくなってしまい相手に不快感を感じさせてしまうのです。これはわかっていても対応する事が難しいでしょう。

 好む話題のときに、あらかじめ問題を見越して会話するのは至難の業です。それができるのであれば、どのような話題であっても問題なく相手とやりとりすることも可能でしょう。ですがそれはほとんどの人にとって難しい事です。テンションが高くなる、というように好む話題のときにはどうしても気持ちが高ぶってしまい、深く考える事ができなくなってしまいます。問題が起きやすいのも、仕方のない所です。

 ですが、問題が起きるのを怖がりこのような話題を避けようとしたりするのも、あまり効果がないのではないでしょうか。これは何が爆弾になるかは人によって異なるため、こちらが思いつかないようなものが火を噴くこともあるからです。わかりやすく問題となりそうな話題を避けるのは必要ですが、問題となるのを怖がり会話をすること自体を避けてしまうのはよくありません。

 ではどのようにするのがよいか、と考えると最初から避けるのではなく、問題になる前にリカバリを行う対応になるのではないでしょうか。問題が発生しそうになるタイミングで、問題とならないように対応を行う、そのように考えると会話のコツとしてだけではなく、システム開発や日々の運用を行っている時にも応用が利きそうです。どちらにも共通しているのは、早めに判断を行い早めに対応を行っていく点にあるのだとも思えます。

 開発や運用においても、どのような問題が発生するかを完全に見通すことはできません。会話の話題と同様に、予想もしていないことが問題となる事があるからです。そういった場面を切り抜けるためには、素早い行動が必要になります。例え正解に近い行動であったとしても、タイミングを逃してしまえば不正解となることも多いものです。スピード感をもって考えて動くことは、開発や運用であろうと会話であろうと重要なのではないでしょうか。

 このように、直接関係のないような物事でも、根底では似た対応を採れる場面は思っている以上に多いです。これまで関連付けて考えていなかった事でも、実は通じるものがあることもあります。そう考えると、多くの物事に触れている事は予期せぬ強みとなる事も不思議ではありません。使える使えないは考えずに、たくさんの物事と触れていく事はいつかプラスとなるのではないでしょうか。

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