地方エンジニアが感じる地方・中小企業での悩み

新しいものとのつきあい方

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 世の中には全く新しいサービスや製品と言われるものが多数存在しています。これまでにない、見たことのない、革新的なといった枕詞がついてまわるような話はいくらでも聞くことができてしまいます。そしてそれらの製品やサービスが、ふたを開けてみるとどこかでみたようなものだったりすることが多いのも数多く存在しています。私たちが扱う技術も同様で、本当に新規の技術というのは非常に小数です。その多くは過去に登場した技術をさらに発展させたものや、複数の技術を結合させたものです。過去の技術が見た目を変えて再登場しているものも、見かけることが多いのではないでしょうか。

 技術もサービスや製品も、使い方や提供のされ方が変わると完全に新しいものとして捉えがちです。そのために、いつも新しいものを追いかけ続けなくてはならないと感じてしまいます。常に追いかけ続けることに疲れを感じ、エンジニアと言う職から離れようと思った人もいるのではないでしょうか。

 ですが実際には、最初に書いた通り完全に新しいものというのはほとんどありません。過去の技術にプラスアルファしたものがほとんどですので、本当に新しく勉強しなおす必要があるのは思っているよりも少ない領域に限られます。私が最近好んでいる NoCode や LowCode も突然湧いて出たものではなく、同じコンセプトのものは 10 年以上前から存在していますし、最近話題に上がることが多い RPA も同様です。自動操縦を行うアプリも古くからあるもののひとつですが、それを業務に用いることがブームになっているのが今という訳です。

 このように考えると、話題に上がる技術やサービスが新しく増えたとしても、どういった進化を遂げて出てきたものなのかを考えれば、意外と理解していくことが可能になります。プラスアルファの部分に限れば、そこまで労力がかかるものでもありません。

 ただし、大元にある基礎的な部分については変わらず重要です。ここをおさえていない場合は、そのプラスアルファも理解しにくいものとなります。ネットワーク系は特に顕著に感じていますが、基本的な部分を理解していなければ今の技術やサービスを理解するのは非常に難しいことだと思います。恐らくですが、ついていくのが大変と感じる場面では、このような基本的な部分を理解していない状態が多いと感じます。根本が理解できていないから、なんとなくもやっとした形でしか新しいものを見ることができない、そうして理解することなくおいていかれるといった悪循環に陥ります。

 理解できないと感じたときは基本に立ち返って調べなおす、話を聞いているだけでなんとなくつかめる場合は新しいところに絞って調べる、そういった使い分けを行うことで数多く登場してくる新しい技術やサービスにもついていきやすくなるかと思います。そうやって色々な製品や技術、サービスに触れていくと次に新しいものに触れる時も、理解しやすい好循環になります。その中で気に入ったものが見つかればさらに深入りして調べ、気にならなければ軽くで済ませておくのもよいでしょう。どちらにしても一度よいループに入ることで、その後が楽になります。

 私たちエンジニアは数多くのものに触れていくことが重要ですが、そこにはこのように他のものを理解しやすくさせる働きも含まれていると思います。エンジニアを続けるのであれば、いかにして新しいものへの取り組みを継続させていくのか、そこに対する答えを一人一人が持つ必要があるのかもしれません。個人的にはですが、深く考えずに軽い気持ちで触れていくのが性に合っているので、触れてから考えていくというスタンスで続けていこうと思います。

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