地方エンジニアが感じる地方・中小企業での悩み

システムのために作ることと組み合わせること

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 最近の事情もあり、ようやく AWS や Azure、GCP といったクラウド環境を利用することは珍しくなくなりました。しかしその利用方法はまだ部分的、とりわけ Iaas な部分が主流となっているのではないでしょうか。実際には覚えきれない数のサービスが提供されており、それらを調査するだけでも非常に時間と手間さらにがかかることかと思います。そういった背景もあり、たとえ一つのベンダーのサービスであっても、全てを知っている人はいないのではないかと思います。

 ものすごく多くのサービスが提供されていますが、実際に触れたことがあるサービスとなるとその数は少なくなります。そのため、本当であれば提供されているサービスを利用する方が、少ない時間で品質の良いサービスを構築できるのですが、そういった部分も自分たちでくみ上げてしまう考え方しかできない人も数多いです。

 確かに昔は提供されているサービスも少なく、またそのサービスもあまり自由が利かなかったことがあり、自分たちでくみ上げた方が良かった時期があります。その時代を過ごした人の中には、その当時に苦労した経験をもとに自分たちでくみ上げることが一番ベストだと考えている人もいるでしょう。その経験は間違ってはいませんが、あくまでもあの時代で通用するものだと私は考えています。

 また、プログラムを組み作り上げたものは、作った時点から負債と化していく一面を持っています。これはどのように作り上げたとしてもついて回るもので、プログラムを書くことが一番大きな負債を生み出す要因です。もちろんですが、それが適切な選択であることも多いので、負債を生み出すから悪いというわけではありません。問題となるのは、他に良い手段があるかどうかを検討せずにプログラムを書いて作り上げるのを当然と考えることではないでしょうか。

 実際問題として、私たちがプログラムを書いて作り上げるものと、すでに商用として提供されているサービス、ほとんどの場面では商用サービスが品質高いものとなります。運用時のコストが理由で選択しないことはありますが、品質が理由で選択しないことはありません。また、今ではセキュリティ要件も非常に難易度の高いものですが、商用サービスであれば最低限のセキュリティを担保してもらえます。ここを自分たちで構築してしまうと、全てのセキュリティ面も責任を持たなくてはなりません。昔よりも考えなくてはならない点が多いいま、プログラムを書いて構築する方法がリスク高い場合も非常に多いです。

 このように考えていくと、システムを構築する案件において、プログラムを書いて構築するもの、既存サービスを利用するもの、それらをどのように組み合わせていくのかを考えることが非常に重要です。世の中に数多くのサービスがある今、要件を踏まえたうえでどういった手段を用いて構築するかが大切なのではないでしょうか。そうなるとますます色々なことを知っておく必要が高くなります。そうすることで、これまだよりも短期間で質の良いシステムを構築することが可能になるのだと思います。

 特に私は iPaas な分野が好みだということもあり、複数サービスを組み合わせて構築する手法が好ましいと考えています。ひいき目に見ている部分はあるでしょうが、今後のシステム構築では欠かすことのできないものだとも考えていますので、これからもできるだけ多くのサービスを知ることのできるよう、アンテナを張り巡らせて行きたいところです。

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