地方エンジニアが感じる地方・中小企業での悩み

企業が持つ資格の位置づけ

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 在宅勤務が多くなってきたのもあり、リモートでの作業が普通となってきた人も多いと思います。実際のところ、私たち IT エンジニアが携わる業務というのは場所を選ばずに行えることが多く、今回の件でますます出社することの必要性を考え直したところもでてきているのではないでしょうか。特に今回の場合、状況が切迫していたこともあり細かい問題をよけておいて在宅勤務へと踏み入ったところも多いかと思います。そのせいもあってか、いろいろと細かい問題が出ているのではないかと考えられます。

 例えば社内で利用する Windows PC の状態を統一するために、セキュリティパッチの配信を調整することができる WSUS というものを導入している会社も多いと思います。在宅勤務になりそのPC を自宅に持ち帰って利用していた場合、Windows Update によるパッチ適用はそのままでは行うことができなくなります。設定を変更することで適用が可能にはなりますが、そうするとすべてのパッチが適用されることとなり統一した環境ではなくなる問題が発生します。業務を行う上では優先度を下げられる問題ですが、セキュリティ系の資格など違う面では大きな問題となることも多々あります。
 
 ですがここで改めて考えてみると、臨時対応とはいえこのように当初決めたルールを変更して運用することが十分に可能でした。例えば ISMS 取得時に決めたルールも、会社によっては一時的に目をつむっていることもあります。何かしらの資格を会社で取得していたとして、その条件に見合っていない状況となっているところもあるでしょう。ここはそれぞれの企業でどのような優先度付けを行ったかに左右されます。

 この状態から考えると、P マークなども含め多くの企業が取得する資格がありますが、個人向けの資格と同じようなものではないでしょうか。取得したからと言って何かを担保するわけではなく、取得できることでその後の問題委も対応できる、マークを提示することで表しているのはこのような意味合いなのではないでしょうか。マークが提示されているから安心、とは大きく意味が異なるのだと思います。付け加えると、会社に所属している人たちが変遷していくとも不通にありますので、対応できるかどうか一概には言えないところです。

 実際に過去に発せしている情報漏洩事件を見ると、こういった各種資格を取得している企業でも発生しています。資格があるから安心ではない、というのは多くの人が感じているでしょう。そうなると資格を有していることにどこまでの重みがあるのかは、難しいところとなります。

 このような事例も含めて考えると、やはり資格というのは個人だろうと会社だろうと変わらず、何も担保しないし何も表すことはない、少なくとも取得した時点がどうであったかしか表せるものはない、私はそのように考えます。

 もちろん、資格を取得すること自体は無意味ではありません。取得するために学習したり、体制を整えることは非常に大きい意味を持ちます。ただその意味合いは、取得した本人や取得した会社の内部においてのみであって、外部に対してはそこまで大きな意味合いはないのだと思います。

 このように考えていくと、企業が取得する資格というものに、どこまでの意味があるのか悩ましくなります。特に私は経営にかかわるような立ち位置ではないのもあり、どこまで有用なのかは詳しくはわかりません。詳しい人にぜひ教えてもらいたいところです。

Comment(2)

コメント

ちゃとらん

> 企業が取得する資格というものに、どこまでの意味があるのか


もう、すでに答えをご存じのように感じますよ。(^^)


A.有名大学卒の就職希望者 対 B.引きこもりで高校中退の就職希望者

A.大企業のコンサル 対 B.フリーのコンサル

A.有名企業から派遣されてきたSE 対 B.フリーのSE

A.きちんと箱に入った大企業の会計パッケージ 対 B.手書き文字DVDの会計ソフト

A.Pマーク取得済みの大企業の製品 対 B.未取得の中小企業の製品


じっくり評価して判定した場合、Bの方が実際には良かったとして、一般的な消費者や採用担当者は、どちらを選ぶでしょうか?

それが、企業が資格を取得する意味だと思っています。


※ もちろん、それ以外のまともな要因は当然あると思っています。

山無駄

資格は、その言葉のとおり「何かをやる際に最低限の条件を満たしている」
ものだと思います。もしくは「その条件を満たしていることを第三者が証
明している」こととも。そして、その資格取得要件は、公開されているので、
その資格を有している=最低限、要件は満たしたしている ということは
なりたちます。でも、それは必ずしも情報漏洩など事故を起こさないとい
うことを担保しているものではありません。たとえば官公庁が入札条件に
資格の有無を求めるなど、第三者が評価する際の参考にするものだと思い
ます。だから企業はアピール目的か仕事をとるために必要不可欠のものと
して資格をとります。運転免許は持っていないと公道は運転できません。
事故を起こす、起こさないは運転技術とモラルの問題なので、運転免許を
持っていなくても事故を起こさない人もいますし、事故を起こすのは圧倒
的に運転免許を持っている人が多いです。
ま、その程度のものではないかと。

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